小さな小さな 大冒険!127
「レイナの気持ちは分かっているのに・・・ごめんな・・・」
龍徳としてもレイナに惹かれている事を自覚しているからこそ変な勘違いをされている事に申し訳なさと勘違いである事を理解して欲しい気持ちが声に出てしまう。
「グス・・・もう大丈夫です・・・それに・・・今は大変な時だって分かっていますから・・・」
そう言って我慢しようとしているレイナの顔が無性に可愛くて龍徳の感情が理性を抑えきれなくなってしまった。
「レイナ・・・」
そう言って気が付けばレイナの事を抱きしめていた。
ドキッとレイナが驚き身体をすくめてしまう。
「た・龍徳さん・・・」
『な・なに・・・何で部長が抱きしめてくれているの!?・・・う・うれしい・・・』
「ゴメンな・・・」
後ろから抱きしめられレイナの耳元で想いを言葉にする。
その龍徳の言葉から本気で自分の事を心配してくれている事が分かると自分の身体を抱きしめている龍徳の手にそっと自分の手を添えて嬉しそうに微笑んでいた。
「フフ♪ 嬉しいです♪ でも・・・今は本当に大事な時だって分かっていますから・・・だから!私は大丈夫です!! 神谷部長の優しさに甘えてばかりいられません♪ それに・・・私は龍徳さんのパートナーですから♪」
っと龍徳から離れて振り向くと笑顔でそう告げた。
「クスクス・・・そうだったな♪ レイナ君は俺のパートナーだったな♪・・・じゃぁ~この後はナツの事を頼んだぞ!!」
「はい!」
その光景を見つめていたナツが拳をそっと握りしめ下唇を噛みしめていた事は誰も知らない。
過酷な環境のステージ造りは龍徳も協力するが、主に魔力枯渇時に魔力を供給すると言ったもの。
時間がない為、この修行だけは巨人の姿で行った。
周囲が砂浜である無人島だからこその修行方法。
当然、使用する魔力量が、何百倍、何千倍も使用する事になる為、最初はステージ造りの維持だけでも相当、過酷な修行だったようだ。
例えば50メートル四方にステージを作りだすと言う事は、小人状態で2㎞四方もの馬鹿げた魔法を使用するのと同じ事。
言うなればナツが得意としている凍てつく世界などの魔法は、20分程度で消失するし、アブソリュートゼロなどの魔法であっても小一時間程度で、魔法の効果が失われる。
それを継続させ続けるだけでなく自分を守る多重結界を同時に使用し続けるのだから魔力が枯渇するのは当然であった。
ソーマは灼熱地獄のステージを作り。
ナツは、極寒のステージを作った。
そして、レイナは大嵐のステージ。
細かい魔力調整の必要なステージ造りも龍徳の知識を植え込まれた事で、当たり前の様に使える事にナツとソーマが自分自身に驚いていた。
ソーマの灼熱ステージでは、温度1500度の世界を普通に過ごせる様にするために熱耐性に加え防熱結界と巻き上がる上昇気流から自分を押さえつける防風結界。さらに毒ガスから身を護る毒体制に防毒結界。
その上、新鮮な空気を供給し続ける為の仕組み。
「まさか・・・私が、こんな事が出来るとは・・・凄い魔法ですね・・・」
「グルル・・・吾は元から耐性があるとはいえ・・・確かに便利な魔法だ。」
ナツの極寒ステージでは、マイナス220度の世界で過ごす為に、極寒の世界を遮断する結界と常に適温となるよう細かい調整が必要だ。
それ以外は、他のステージでも同じ事を同時に発動させる。
「グルル・・・吾が氷の世界で自由に動けるとは・・・これは素晴らしい・・・」
っと氷が弱点であったソーマは感激していた。
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