小さな小さな 大冒険!123
「そうまで言うなら龍の一撃を喰らえ!! ドラゴンブロー!!」
一瞬で龍徳の間合いに踏み込むと青白い炎を纏ったソーマの拳が龍徳のボディーに突き刺さった。
ゴン!
肉体を叩いたとは思えない様な音。
「グルル・・・どうだ!!」
「ああ・・・予想通りだな・・・」
っと何ともないかの様に龍徳の声が聞こえた。
「ば・バカな・・・」
「この一年でお前は何をしていた?」
突如莫大な魔力が零れゾクッとソーマの頬に冷たい汗が伝う。
その光景を見つめていたナツも同様にゾクッと龍徳の魔力に足を一歩退け固まってしまう。
「今のお前に魔法は必要ないな・・・フン!!!」
っと身体強化を施した状態だけでソーマを殴る。
「カハッ・・・」
深々と龍徳の拳がソーマの腹部に突き刺さると凄まじい勢いで吹き飛ばされ崖に叩き付けられたのだった。
そして、崖から地面へと落ちていくソーマの上からガラガラガラ・・・っと崖が崩れソーマが埋まって行く。
「弱いな・・・ガッカリだ・・・」
「うそ・・・あのソーマ様が・・・」
ナツはソーマの強さを知っている。
だからこそ龍徳がやった事が信じられないのだ。
「ナツ!次はお前だ!」
「わ・私ですか!?」
「そうだ!ソーマの強さを見ればナツがどれ程の強さか想像に容易い・・・」
「ですが・・・巨人の状態では・・・」
「かまわんから全力で俺に向けて魔法を使ってみろ! 言っておくが・・・手を抜いたら死ぬぞ?」
っと突然、龍徳から威圧のオーラが吹き荒れた。
「ヒッ・・・・わ・分かりました・・・」
「後で、魔力を完全回復させてやるから全力で来い!」
「は・はい!!」
そして、精霊を呼び出し、魔力を限界を超えて溜めて行く。
『こ・ここまでの魔力は・・・先の戦いでも使わなかったのに・・・でも!龍徳様が仰るのであれば!!』
「ハァァァァ~!!! 行きます!! 雷槍!!アブソリュートゼロ!!」
以前使った魔法と違い巨大な氷の槍の周りに放電現象が巻き起こる。
巨人の状態で放たれるその雷氷槍は龍徳から見れば、直径500メートルもの超巨大な魔法。
それが龍徳に向け放たれたのだ。
凄まじい速度で、一瞬で龍徳に迫ると
「ハァァァァ~!!!」
頭上から襲い来るナツの極滅魔法を、高熱を帯びた手を掲げ受け止めた。
「うそ・・・」
龍徳が巨人の状態なのであれば分からなくもない・・・だが、小人の状態で受け止められるとは流石に思ってもいなかったのだ。
「ハァァァァ~!!!ハァッ!!!」
最後まで受け止められてしまいナツの放った氷が全て蒸発してしまう。
「ふぅ~・・・流石に小人の状態だと消滅させるのに少々時間がかかったな・・・」
「凄い・・・凄過ぎます! 龍徳様がいれば・・・・」
っとここで、先程吹き飛ばしたソーマが崩れた岩を弾き飛ばして2人の元に戻って来た。
「痛っつつつつ・・・信じられない強さだ・・・だが・・・俺もナターシャ姫に同感だ・・・それだけの強さがあって、何故レインベールに向かおうとせんのだ!!」
「ハッ・・・ハッキリ言わないと分からないなら言ってやるぞ?」
「何が言いたい?」
「悪いが、ナツとソーマが付いてくるのであれば無駄だ!ハッキリ言ってお荷物だ!その程度の実力しかないのであれば俺達だけで行くが・・・それで良いんだな?」
「グルル・・・それでも魔物の数体は吾一人で片付ける事も出来よう!!」
「いらんな・・・今のお前は龍聖どころかレイナ君よりも弱い!」
『うそ・・・レイナさんが・・・ソーマ様よりも強いだなんて・・・』
その言葉にナツが驚愕する。
こちらも良ければ読んでくださいね♪
■「そこにいる君に逢いたくて。」を新しくアップ致しましたので、宜しければご一読ください。
毎週水曜日と土曜日の朝7時に更新いたします
https://ncode.syosetu.com/n0341hc/
■「勇者撲滅! 2度目の人生はハッピーエンドで!」もアップしていますので宜しければご一読ください
https://ncode.syosetu.com/n6920gm/
火曜日と金曜日の朝7時に更新します。11月分まで予約してあります。




