小さな小さな 大冒険!120
「大丈夫ですかソーマ様?」
「グルル・・・問題ない。どちらに進めば良いのだ。」
「このまま真っ直ぐお進みください。」
富士山からでも見える東京のシンボルタワーを目指し2人は大空を飛翔する。
周囲は既に暗く目撃される心配がない。
だが、龍徳達と過ごした屋敷まで飛び続ける程の魔力がソーマに残っておらず近くまで来たものの近くの森で一晩を過ごす事となった。
「悪いな姫さん・・・」
鷲掴みしていたナツを地面に降ろした瞬間。ドサッっと地面に倒れ込む。
「大丈夫ですか?・・・!! 今治療します!!」
倒れたソーマを心配して声を掛けながら振り返ると背中一面に突き刺さった夥しい数の羽から血が吹きこぼれている光景が目に入る。
ナツも魔力が枯渇していてメガヒールを唱えただけで、眩暈を起こす。
「クッ・・・せめて最後に結界だけでも・・・」
っと最後の魔法を使用して2人は意識を手放したのだった。
翌朝、木漏れ日が目に入り意識を取り戻すナツの姿があった。
「うぅ・・・こ・ここは・・・・・・・・はっ!」
記憶が曖昧で、今いる場所が理解出来なかったが、昨日の出来事を思い出し周囲を見渡す。
「そ・ソーマ様は!?・・・ホッ♪・・・」
ドラゴンの姿から人間の姿に戻り丸まる様に眠り続けているソーマの姿を見付け一安心する。
「魔力が多少は回復したようですね・・・」
っとソーマに向けてもう一度メガヒールを唱えると
「うぬ・・・これはヒールか・・・」
2度にわたるメガヒールによって完全回復したソーマの意識が戻る。
「助かったぜ姫さん。」
「いえ・・・私を庇って下さったのですね・・・それなのに・・・気が付かず無理をさせてしまったようです。」
「ガルル・・・龍徳との約束だからな・・・あんたを傷付けたら俺が奴に殺される。」
っとハニカンで気にするなとナツに伝えた。
「それよりも・・・ここは、どこだか分かるのか姫さん?」
「そうですね・・・龍徳様の御屋敷の近くの森である事は間違いないのですが・・・」
「だったら飛んでいけばすぐって事だな!!」
っとのソーマの言葉を否定する。
「流石にこれだけ明るいとソーマ様の本来のお姿で空を飛ぶわけにはいきません。」
ごもっともっと言わんばかりに頭をかくソーマにナツが一つの指輪を渡す。
「グルル・・・なんだこの指輪は?」
「それは龍徳様が作られた巨大化魔道具です。それを指にはめて魔力を一定量注ぎ込む事で、巨人族と同等の大きさになる事が出来ます。」
「あぁ~! レインベールの城を再建した時に使用していた指輪の事か?」
「いえ・・・あの時の指輪とは違いますが・・・まぁ~同じようなものだと思って頂いて構いませんわね♪」
説明が面倒だったのか話を途中で止めソーマに試す様に促しナツも魔力を注ぎ始めた。
「おお~!!」
魔力が一定量になった瞬間、一気に2人の姿が巨大化し始めた。
先程まで300メートルを超える様な巨大な木々が、気が付けば8メートル程の樹木となっているのだからソーマとしては新鮮な出来事であった。
「グルル・・・なるほど・・・これは便利な魔道具だな・・・」
「そうですね♪ ここからは徒歩でお屋敷を探しましょう。」
っとナツが魔力探知を発動させた。
「あちらから魔力を感じますね・・・」
っと以前龍徳から言われていた事を思い出し発動させた魔法探知は、龍徳が作った魔力回復魔道具を見つけるためのものだった。
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