小さな小さな 大冒険!117
思いのほか人気があった小説に驚き続編を開始させて頂きます。
当初は12月頃に続編を発表しようと思っていたのですが、少しでもご愛読いただいている皆様の事を考え、文字数は少ないですが、毎日更新する事に致しました。
どうぞ、引き続きご愛読いただきます様、宜しくお願い致します。
時刻は既に14時を過ぎている。
流石のソーマと謂えど巨大な世界で、敵を感知しようとしたら最大の魔力を張り巡らす必要があった。
だが、様々な生物が存在する場所で、そんな事をすれば莫大な情報を処理せざるを得ない。
「グルル・・・これは予想外だったな・・・」
探りたいのは古の魔物の反応だが、他の生物の気配も探れてしまう。
猿や猪、蛇や鷹、鹿に熊など上げたらキリがない。
それ以外にも小動物や昆虫や魚など感じ取れてしまう数は数百万では効かない。
敵が北岳から来ると知っていれば簡単だったであろうが、そんな事を知る由もないソーマは巨大な世界を隈なく探す必要があった。
そうなると魔力探知が頼みの綱なのだが、未だ巨大な反応がなかった。
魔力とは普通の生物にも宿っている為、大型動物であればある程、反応に引っ掛かってしまう。
「グルル・・・数は少ないが・・・」
そう言って反応がある度にそこに向かって調査を繰り返す。
「猪であったか・・・マズいな・・・」
時刻は既に17時。
未だ、敵の所在が分かっていなかった。
「グルル・・・止むを得んな・・・」
そう言って最大のサイズのドラゴンへと姿を変えて上空へと飛翔し続け雲を抜けると全速力で富士の樹海を旋回し始めた。
広範囲の魔力探知を高速で飛翔する事で、さらに範囲を広げて敵の場所を探ろうと考えたようだ。
だが、返信するだけでも魔力を消費する上、最大速度で飛翔すれば、それに伴った魔力が必要だ。
この後、古の魔物との戦闘を考えれば魔力を温存しておきたいと思うのは当たり前の事であろう。
徐々に旋回する距離を広げながら魔力探知を続けていたが、とうとう巨大な魔力の反応を感知したのだった。
「グルル・・・完全に予想外の場所であったな・・・それに・・・早い!」
通常の猪であっても時速50㎞程度で走るが、魔物であるデビルズボアの速度は時速100㎞。
山中を移動しているから実際には遅いが、既に富士の樹海の近くまで来ていたからか現在は時速25㎞程度の速度で小人の国へと向かう大軍の反応があった。
反応は、先頭に1体の魔物の反応があり徐々に膨らんでいる。
「グルル・・・30体の反応と言ったところか・・・後20分以内に東の結界を潜りそうだな・・・」
実際の距離にして8㎞だが、小人の間隔では320㎞。
詳細を知るべく魔物の反応があった場所へと飛翔しているとソーマの魔力探知に更なる魔物の反応が現れた。
その反応を感じ取ったソーマの目が驚きを隠せない。
「やはり・・・この30体は先発隊と言う事か・・・」
移動速度が遅く先発隊とは離れた場所に100体を超える巨大な魔力反応。
その中のいくつかの巨大な反応にソーマが驚愕する。
「グルル・・・これはマズい・・・急いでレインベールに戻らなければ・・・・」
身を翻し東の結界へと飛び去ると既に先発隊の反応が結界を超えていた。
「バカな・・・早過ぎる・・・」
時速25㎞程度進行だと思い先回りできると考えていたのだが、移動しやすい場所を通過した事をソーマは知る由もない。
「出来る限り本来の姿を取り戻した方が良さそうな予感がするな・・・」
そう呟いてからドラゴンの姿へと戻るが、最大の大きさだと大き過ぎて上手く飛翔する事が出来ない事が分かり翼開長40㎝程度のドラゴンへと姿を変え木々を抜けていく。
急いで、東の結界を潜り抜けるが、先頭は既に死の大地の中央を超え爆走していた。
時速100㎞とは、小人の感覚では、時速3200㎞。
ソーマの速度をもってしてもそう簡単には追いつけない。
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