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ベル目線


新しい環境に馴染んできたベルは、久しぶりにクッキーを焼くことにした。


生地を練って、瓶の中から取り出した粉を混ぜる。時間を置いてから焼くと、香ばしい甘い香りがする。



1枚口にしてみる。


「うん、美味しいわ。」


タリスを呼ぶ。


「ベル様、いい香りですわね。」


「うふふ、そうでしょ?こちらはウィル様、残りは皆様で召し上がって?」


「まぁ、ありがとうございます。皆喜びますわ。ウィルバード陛下にはベル様が持っていかれてはどうですか?結婚式もすぐなのに、なかなかこちらにお渡りになりませんもの。」


「お忙しいのだもの、仕方がないわ。邪魔をしたくないし、3時に少し休んでいただければと思ったのよ。」


「かしこまりました。必ずお渡しいたします。」


タリスが下がると、ベルはふーっと息を吐き、紅茶を飲んだ。もうすぐ結婚式。城の女官たちとは仲良くできているが、ウィルの訪れは滅多にない。私が太っているから、平凡な女だから、魅力が足りないのだろう。覚悟していたことだが、これでは嫁いできた意味がない。ウィルは私にいつでも優しく丁寧にせっしてくれるから、差し入れを食べないことはないだろうと考えたのだ。


くよくよしても仕方がないわ。式までにやることはたくさんある。ベルは紅茶を飲み終わると、女官を呼んだ。

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