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ウィルバード目線


パーティーが終わった。着替えをして、どうしようか迷ったが、ベルの部屋に向かうことにした。


ノックをすると、ベルが顔を出す。髪を下ろし、いつものゆったりとした服に着替えている。


「まあ、ウィルバード様、どうぞこちらへ。」


初めて入る彼女の部屋。キッチンに丸テーブル、奥のベッドはあえて意識しないように心がける。


「今日は疲れただろうと思ったのだが、様子が気になってな。ドレスも汚してしまったし。」


「わざわざありがとうございます。でも本当にお気になさらないで。ドレスか子供の笑顔かどちらが大切かなんて、考えるまでもありません。」


「そうか。ベル姫は子供が好きなんだな。」


「大好きです。子供は国の宝です。私たちが守ってあげなければ。あと。。。あの。。。できたらベル姫ではなくベルとお呼びいただけませんか?」


「あぁ、ではそうさせていただこう。私のことはウィルでいいぞ。」


「そんな。。。ではウィル様と呼ばせていただいても?」


「そうしてくれ。結婚式までもう少しだな。不安なことがあればいつでも言うのだぞ。」


「はい。お気遣い、感謝いたします。」


テーブルを立つとベルも見送りに来てくれた。一緒に踊った感触を思い出す。思わずぎゅっと抱きしめていた。


今まで関わってきた女性は抱きしめると折れてしまうのではと思うくらい華奢な人ばかりだった。だがベルは暖かくて柔らかくて、甘い香りがする。そっと離すと羞恥で目が潤んで顔も耳も真っ赤だ。思わず笑ってしまい、頭をポンポンと叩いてみた。


「ゆっくりお休み。よい夢を。」


「ウィル様も。よい夢を。」


自分の部屋に戻りながら、笑ったのはいつぶりだろうかと考えていた。

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