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第七話 極大魔法

 私はエミリアを怯ませるような言葉を吐くエリザに激怒した。


「お前、エリザと言ったな。少し調子に乗り過ぎだぞ」

「あなたたちの方こそ、私の獲物を勝手に狩りつくして……調子に乗っていらしてるんじゃなくて」


「盗賊団は明らかに戦意を失っていたぞ。どうして戦闘をやめないんだ」

「戦闘を仕掛けてきたのはあちらが先ですわ。それに、私は一度も攻撃などしておりません」


「ぐ……それでも……」

「それより……お詫びとして、あなた方には死んでもらわなければならないかもしれませんけど……よろしいかしら」


「何! 貴様! 私と戦うつもりか!」


 この魔法使いは相当できる。それに、あの身のこなしは格闘家タイプのものだ。能力を保持したまま魔法使いに転職でもしたのだろうか。

 さらに、魔力があふれるぐらいに充填されているのがわかる。

 マナの量が半端じゃない。マナが可視化されて見えるぐらいに濃縮されている。


 一応、粗末な剣を所持しているが、おそらく、こんな武器では歯が立たないだろう。

 エミリアだけでも、この場から遠ざけないと……。


「もうすぐ……もうすぐですわ……死にますよ……あなた……」

「く……エミリア! ここを離れろ! それと、念のためにシールドを重ねがけしておくんだ!」


「は……はい……教官!」

 エミリアは、私の命令通りにこの場を離れた。

 これで心置きなく…………。


「おい、エリザ。本当に私を殺せるのか?」

「私の攻撃を前にして、生き残った人はいませんのよ。もちろん……あなたも例外ではありませんわ」


「そうか、わかった……ならば……」

「何がわかったのかしら?」


「あえてくらおう! その攻撃を!」


 ああ、こんなチャンス。滅多にない。

 おそらくこれからくらうのは戦略級の極大魔法だ。

 心が躍る! ワクワクが止まらない!


「あえて……食らうですって……? 正気ですか、あなた……どうなっても知りませんよ……」

「さあ、早くやって見せろ! 出来なかったじゃ済まさないぞ……!」

「まあ、せっかちですわね……もうちょっと待ってくださいまし。もうちょっとでマナが臨界に達しますわ」

「もっと上がるのか、お前の力は! ハァハァ……まずい……よだれが……」


 半端じゃない量のマナがエリザの体に溜まってきた。

 マナのオーラが暴れている。そろそろ臨界だ。


 それにしても、このマナの量は、戦略級魔法と肩を並べるぐらいの力だ。

 戦略級魔法は、熟練の魔導師が数十名ほど力を合わせないと出来ないものだ。


 だが、エリザは一人でそれだけの大量のマナを吸収している。

 こんなすごい魔法使いが存在するとは……世界は広いとつくづく感心させられる。


「ああ……体が熱い……もう……どうにかなってしまいそうですわ」

「ハァハァ……さあ、早く……」


「もう……イッてしまいそう」

「いいぞ。私が受け止めてやる」


「ああ、体がジンジンしてきましたの……もう……耐えられない」

「さあ、遠慮なくイッてくれ!」


「あああああ! もうダメええええええ!」



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