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第一話 新井貴一23才、迷子センターを求める。

初投稿です。多分のんびりやっていくんで何卒宜しくおねがいします。




「ここってどこなんですかね…」


深い森の中で、男はため息を付いた。

男の身長は175cmほどで、引き締まった体をしており黒い髪を短く刈り上げている。

ただでさえ、近づかれると思わず後ずさる様な悪人顔なのに、顔を顰めている為最早ヤのつく自由業の人である。実はまだ23才なのだが。


その男の名前は新井貴一という。

彼は迷子になっていた。

新卒一年目、社員研修の一貫として山登りをしている最中にはぐれてしまった為だ。

自分が遭難した事は会社側も把握しているだろうし、なるべくその場から移動をしないでおこうと思い、近くで偶々見かけた寂れた神社で休んでいた。

ぼーっとしていると徐々にやってきた眠気に抗えず、座っていた石畳の上で男は眠ってしまった。

すると、不思議な事に見慣れない森でいつの間にか倒れていたのだ。


こうして冒頭の状況に繋がる。


「遭難した時はその場から動かない事が鉄則とはいっても…。明らかにここは日本ではないですよね。植生が完全に日本ではないようですし。これは神隠しというやつなんでしょうか」


独り言だというのに敬語である貴一。

顎をつまんで呟く様子は、完全にヘマをした下っ端の処分に悩むインテリヤ○ザだ。あぁ、恐ろしや。


兎にも角にも行動しなければ始まらないかと貴一は移動を始める。


「まずは水源は確保したいですね。なにせリュックは一緒にこっちに来れなかったみたいですから。着の身着のままというのは些か不安です。かといって無闇に歩いても危険ですね。どうしたものか。あぁもう、神隠し迷子センターみたいなのが欲しいです」


相変わらずブツブツと呟きながら自らの行動方針を決めていく貴一。

この状況で動揺しないのは凄いが、何故そんなに独り言が激しいのか。

日本の街中だったら即通報の光景である。

まぁ実は、そこらへんは彼の生い立ちが影響しているのだが、それはさておき。



しばらく貴一が思考を巡らせていると、がさりと物音がした。

少し腰を落とし、何時でも身動きが取れる姿勢になる。

がさりがさり、と物音が近づいてきて…。

ついに男の正面に物音の主が現れた。


滅多な事では動揺したことが無い貴一が、驚きで目を見開く。


何故ならば、血塗れで現れた物音の主は、金髪碧眼の美少女で─長く尖った耳をもっていたのだから。

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