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オキザリス-色のない城-  作者: 木之下 朔
第1番 「ゆっくりと苦しみをもって」
1/6

プロローグ~口の悪い男~



とてもだらしのない男がいた。



墓に納めたかったが指がどこにも見つからなかった。



頭はベッドの下の奥の方にころがされていた。



手足は部屋のあちらこちらに散らかっていた。



ーマザー・グース『とてもだらしのない男』ー






男は口が悪かった。

思ったことを何でも口にし、人々を困らせ傷つけた。

ある時男は、傷つけてはいけない人を傷つけてしまった。

すぐに謝ったが許してもらえず、償いとして色を失い、

人を傷つけると身体がばらけるようにされたのだった。


色のない世界、ばらける自分の身体。

男は身体がばらばらになるたんびに拾い集めた。



ばらけるたんびに拾い集める自分の身体。



男は指がひとつ足りないことに気がつく。

ただ、その時には遅くて探し回れど見つからなかった。




男は色のない城で自分の身体を集めることを諦めて、

人の寿命を越えて長い年月を抜け殻のように過ごした。



命の輝きがひとつ訪れるまでは……。




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