【ようこそ異世界へ(笑)】
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Lv.3up↑↑
魔剣騎士イツキ・ヒカル
レア度:☆☆☆☆☆☆
体力 450→460
攻撃力 480→495
防御力 520→540
素早さ 498→509
魔力 460→462
賢さ 440→446
【剣技 Lv.MAX】
【カリスマ性Lv.MAX】
【魔力探知 Lv.4】
【龍殺し】
【対聖剣◎】
【初期装備:魔剣グラム】
新能力獲得→【空斬り】
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『新能力を獲得しました。次回の戦闘では積極的に使っていきましょう』
俺のスマホはすっとぼけているが俺は見逃さなかった。
キャラクター名が、“魔剣騎士”から“魔剣騎士イツキ・ヒカル”になっている事を………
「おいスマホ、これはどういう事だ!?」
『そういう事です』
「そういう事!?」
スマホにものを訪ねて、さらにからかわれてしまっている俺の姿がいかにも馬鹿っぽい。
それに関しては自覚している。
でも魔剣召喚で恥ずかしさを超越した俺は、今更そんな事を気にしない。
今こそ、俺の身に起こっている事態の全てをこのスマホ様に聞きまくるのだ。
「何故キャラ名に俺の名前が追加されている! そして…俺の身に何が起こっている!! 余す事なく全ての事をチンパンジーでもわかる
ぐらい懇切丁寧に説明して貰おうか!!!」
『あなたがそう望むのであれば私はそれに従いましょう。なにせ私は、あなたにとって未知でしかないこの“異世界冒険ライフ”をサポートするための存在なのですから』
「イセカイボウケンライフ??」
聞き逃すことの出来ない重要キーワードが俺の耳に飛び込んできた。
変な汗が流れ出て、嫌な予感に俺の矮小な脳みそは一瞬で支配された。
『説明をする前に一つだけあなたに言いましょう………』
【ようこそ異世界へ(笑)】
いやいや、決め台詞なんだから(笑)とかはやめてくれよ………
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数日前の自分を呪ってやりたい。
あの怠惰で愚かで浅はかで軽率な引きこもりに一喝できるなら何万円でも支払おう。
なにせ、今俺が此処にいるのは…他でもない俺自身のせいなのだから。
スマホさんは、本当に俺の質問一つ一つに答えてくれた。
その内容を、わかりやすくQ&A方式でまとめたのが下になる。
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Q.此処は何処ですか?
A.何処だと思いますか?
……………いやQ&Aだって言ってるじゃん、なんで質問し返してくるんだよ。
~仕切り直し~
Q1.此処は何処ですか?
A.【AnotherWorld(もう一つの世界)】、俗にいうところの【異世界】です。
Q2.何故俺は此処にいるのですか?
A.あなたが召喚されたからです。
Q3.召喚ってなんだよ。そんな曖昧な返答じゃ納得出来ない。
A.人を呼び出す事。特に、裁判所などが或る人物に対して特定の日時に出頭するよう命じる事を指す。
何らかの物を呼び出す魔法。召喚魔術を参照。
Wikipediaより
あなたの場合は二つ目に該当します。
Q4.いや召喚の意味を教えて欲しかったわけじゃないから!! なにwikiから引っ張ってきてんの!? そして圏外なのにどうやって引っ張ってきたの!?
そうじゃなくて、何故…どんな理由で…どんな経緯があって俺が此処にいるのか説明してくれ。
A.理由は、特にありません。対象となる転生者は無作為に選抜されました。かくいうあなたはその一人。つまり、あなたが此処にいるのは…“偶然”です。経緯に関しては、私よりもあなたの方が良く知っているはずです。なにせ…召喚にあたっての自分のキャラを選んだのは、他でもないあなたなのですから。
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これが俺の質問とスマホさんの返答の大まかな内容。
そして、スマホさんの話した経緯について俺は、心当たりしかなかった。
うん…あのリセマラの事だよね。あの寝ずに二日間頑張って星6キャラをゲットしたリセマラの事だよね。
てことはだよ…スマホさんの話をまとめて俺なりに理解すると………
「俺のあのリセマラは、召喚キャラの選択だったのか!? 俺は…『異世界召喚』されちまったのか!?」
『やっと理解しましたか。あなたのキャラは賢さもそこそこ高いはずなのですが…その低脳っぷりを見ると、どうやら設定ミスのようですね(笑)』
「………………」
地面に叩きつけてバキバキにしてやりたいところだが、このスマホを今壊してしまったら色々とマズイことになりそうなので今は我慢しよう。
「お前…覚悟しておけよ。その小馬鹿にした態度…後でギャフンと言わせてやる!!」
『ギャフン…今言ったのでこれで許してくれますよね?』
「………………」
クソ…俺のスマホの煽りスキルが高過ぎて辛い。