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page 3

ストーリーが全然進みません…




「 …案外、普通の森っぽいな」


「スタート地点付近のフィールドでいったい何を期待してたんだよお前」


準備を終えてから町を出た俺達は、到着した森でそんなことを歩きながら呟いていた。

森の中は一面緑で覆われており、所狭しと草木が生い茂っている。ただ町が近いからだろうか、いくらか踏み固められていて細い通り道のようなものも見てとれる。

今、俺達が歩いているのもそんな道だ。


「ホラッ、何時までもボケッとしてない!そろそろ敵が出てくるわよ。私達と違ってあんたは装備がショボいんだから、そんな調子だとすぐ死んじゃうわよ」


気が抜けた俺の様子を見てエミリスがそう促してくる。

エミリスの言う通り、2人に比べて俺の装備はかなりショボい。

2人がちゃんとした鎧を着ているのに対して、俺が装備しているのは初期装備の村人の服一式に皮の胸当て、皮の籠手のみである。

まあ最初だから仕方ないと言えば仕方ないのだが。





そうこうしている内に、


「っ、2人ともストップ。なんか変な感じがする」


突然、ある方向からもやもやしたものを感じた。


「変な感じ?」


「ああ、なんか向こうから突然もやもやした感じがしたんだ」


「あー、なるほど。あれの事か」


「いきなりくるから最初は驚くのよねー、あれって」


「?」


俺の説明を聞くと困惑気味だった2人が納得してウンウン頷いていた。

疑問符を浮かべる俺に2人はその正体を教えてくれた。

2人が言うにはそれは、


「敵の気配?」


「そ、プレイヤーの探索範囲に敵モブとかが入るとそう感じるんだ」


「初めてのあんたが戸惑う気持ちもわかるけどね。慣れてないと結構気味悪いし」


キーラスの言葉に少し安心する。どうやら俺に異常がある訳ではないらしい。


「つまり、この感覚のする方になんかいるって事か?」


「そうだな、って言っても俺にはまだ何もわかんないけどな」


「私もよ。やっぱり【盗賊】だと範囲がかなり広いわね」


う~ん、2人がなんか感心してるけどよくわからん。


「とりあえずここで止まっててもしょうがないし、とっととゼンの初遭遇モンスターを拝みに行こうぜ」


「うわ、なんか緊張してきたな」


「大丈夫だよ、ここの奴は強いって言っても初めての人にはっていうレベルのモンスターだからさ。」


「そうそう、それに一々モンスターにビビってたらこれからやってけないわよ」


「わ、わかってるよ!」


そう言いながら俺達は、気配のする方へ進んでいった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


確かにそこにはモンスターがいた。が、ーー


「おい、あれはなんだ」


「何って敵モブだよ。ブラックスパイダーっていう名前の」


「見りゃわかるよ、そのまんまだし」


「じゃあ何だよ」


「いやその、なんというか、その」


「?」


「……デカくね?」


俺達の視線の先に居るのは、目測で俺の膝までくらいの大きさの黒い蜘蛛だった。俺達にはまだ気付いてないのか、足をたまに動かすだけでじっとしている。


俺達は、そんな蜘蛛の様子を奴に見付からないように少し離れた場所から伺っていた。


「いや、あれでも小さい方だぞ。蜘蛛としては確かに大きいがそこはモンスターっていうくらいなんだから当然だろ」


「それはまあ、そうなんだろうけど」


「それより敵モブも見つかったし、さっさと倒しに行きなさいよ」


「……やっぱ俺1人で行くんだ」


「何今更いってんの。さっきここにくる前にそう決めたでしょ」


俺達は事前に敵モブと遭遇した場合、一体ならば俺1人で、複数ならば2人が対処する事を決めていた。前者の場合、手助けは危なくなってからである。


「でもアイツ、前情報だと確か毒持ちじゃなかったっけ? 大丈夫なのか?」


「なんのための【隠密】と【身体強化】よ。ホラ言い訳してないでさっさと行く!」


「…うぇ~い」


そう言って蜘蛛を回り込むように移動する。

キーラス達も俺が見えないように移動し始めた。


俺は2人が見えない位置に移動すると背負っていた初期装備武器を手にする。 性能はこのようになっている。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


見習い鍛冶師の闘木槌


ATK +7


耐久値 ∞


初期支給の武器。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


ちなみにこの木槌は初期装備の剣よりは一応ATKが高いらしい。


木槌を手に持つと隠密を開始する。

体が軽くなる感覚、恐らく成功だ。


そのまま慎重に歩を進めていく、奴はまだ気付いた様子はない。






さらに近づく。 ここで身体強化を使う。

……………………気づかれてはいないな。

木槌を持つ手に力が篭る。武器を構えておく。







そしてそこから3歩目を踏み締めた、その瞬間、



ガサガサッ!!

蜘蛛が脚をばたつかせ、それと同時に隠密が解除された。


(気づかれた!!)

そう思うと同時にダッシュを開始、大きな音を立てながら蜘蛛に素早く近付いてく。


その音に気付いたのか、蜘蛛がこちらを向こうとする。

が、その前に武器が届く距離に到着、そしてーー


「だあっ!!」


その声と一緒に、構えた木槌を蜘蛛目掛けて降り下ろした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「で、どうだった、初めての戦闘は?」


「凄くドキドキしたぞ、あと凄く疲れた」


蜘蛛をたおした後、合流したキーラスが聞いた問いに答えながらメニュー画面を開いた。

消費したMPを確認する。ってうわ~、


「ん?どうした?」


「MP調べたら3割位減ってる、20秒位しか使ってないのに」


「それはスゴいな」


「燃費悪過ぎだろこのスキル」


はぁ~、とメニューを閉じようとするとヘルプが光っているのが目に入った。


ヘルプを開くと項目に不意打ちが追加されている。

選択して内容を確認する。

書かれていた事を纏めると

・不意打ちに成功した場合、与えるダメージが1.3倍になる

・不意打ちに成功した人にだけ、このヘルプは出現する。

となっていた。


確認を終え、メニューを閉じる。


「しかし、やっぱり一撃って訳には行かなかったな」


俺は不意打ちには成功したものの一撃とはいかず、その後倒すのに数回の攻撃を必要とした。


「そこはしょうがないだろ、初期装備なんだし」


仕方ない、か。早く装備を更新したいな、これだとリーチが短すぎてかなり近付かなきゃいけないからきつい。


そんなことを考えていると、


「こらゼン、何敵モブ一体倒したくらいで休んでんの。とっとと次に行くわよ!」


「もういくのか?」


「どんどん倒して行かないとスキルが上がらないじゃない」



そうエミリスに急かされて、俺達は次のモンスターを求めて移動を始めた。




初日は色々初めての事がありますのでその描写でストーリーの進みが遅くなってしまいます。

2日目からは短くしていきたいです。



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