表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/46

page 40

感想欄に書かれていた誤字訂正が(作者が見落として無ければ)無事終了いたしました。

書き込んでくれた方々、どうもありがとうございました。

今回は武器作成回です。

結局、俺が共同鍛冶場に着いたのは昼少し前頃であった。

ここに来るまでの道中に少々ありはしたが、なんとか昼前には到着する事が出来たらしい。


時間は十分にあるが、今日はやる事も沢山詰まっている。

なのでここは余計な事はせず、さっさと鍛冶場に入って行き作業を始める。


今日はヤシャに渡す用の長剣の作成と俺の金槌の強化を行う予定だ。

本当ならもっと早く作っておきたかったのだが、鉄の入手と前準備にどうしても時間が必要だったので今日まで日程が伸びてしまったのだ。


因みに鉄の購入資金は装飾弓の+5前後を作成→売却を繰返し行う事で捻出する事が出来た。

どうも装飾武器は通常の武器よりも高く買い取ってくれるようなので、必要分を貯めるのも以外と時間が掛からず楽ではあった。

まあこれもドガロがほとんど定価と変わらない値段で鉄素材を売っているおかげである。


「(………流石に世話になり過ぎだな、余裕が出来たら何かお礼ぐらいしとくべきか?)」


いくら相手がNPCとはいえ、世話になってばかりというのもよろしくないだろう。………奴がNPCらしいかどうかは別としても。


そんな思考を巡らしつつもテキパキとイベントリから必要な物を取り出して準備を進める。

まずは俺の金槌の強化から始めよう。


1、最初に金槌を分解して頭部とくさびを炉に入れ、炉の温度を上げる。

2、熱した鉄の部分を一つにまとめ、より品質の高いインゴットへと製錬し直していく。


このゲームでは一度武器にした物をインゴットに戻す場合、インゴット一つ分の鉄が消費されるのでここでその分の鉄素材を新しく炉に投入しておく。


3、鍛え直した鉄インゴットを再度炉で加熱、一度一つにまとめた後で頭部分とくさび分に分ける。

4、分けた鉄を頭部とくさびの型へと整形し桶の水で焼き入れ作業を行う。

5、焼き入れをした頭部とくさびを新しく用意した木製の柄と最初と同じ形に組み合わせる。


ここで一旦手を止めて出来を確認する。

軽くステータスをみても品質と威力の上昇がみられており特に問題なさそうだ。


よし、これでレベルの低い時に作った金槌の再加工は終わった。

ここからは本格的な強化の開始だ。

強化といっても装飾なのだが今回金槌に使用するのはグレイウルフではなくランナーズボアの素材だ。

使用する個数は頭骨が1、2本1セットの牙が2、皮が2である。


溶液作成用の血液も含めたこれらの素材はマルク達と合流する前になんとか集めた物なのだが………イヤ本当にキツかったわ。

あいつら魂石入っていない素の状態でもかなり硬い上に攻撃も強い。

パターンは突進一択だからわかりやすいんだけどスピードがあるから掠る攻撃が何回も出てどんどんこっちのHPを削っていくんだもんなぁ。一人では中々厳しい作業である。

おかげで破損したいくつもの防具を処分する羽目になったのは俺の記憶にも新しい所だ。

とまあそんなことはどうでもいい、今は作業だ作業。


6、炉に一週間ほど例の溶液に浸けて置いた爆走猪の頭骨と牙を入れて熱していく。

7、頃合いをみて炉からまず頭骨を取り出し、金槌に取り付けられるように形を整えていく。この時は素材が破損しないように力を加減しながら少しずつ槌で叩いていく。

8、頭骨の整形が完了したならそれを再び熱した後で牙といっしょに金槌に接合、桶に入れて焼き入れをする。素材はそれぞれ牙は打撃方向に先端が向くように金槌頭部の横に、頭骨は視線が牙先端と同方向に向くように上から接合する。

9、しっかりと接合しているかを確認、その後で柄の部分に爆走猪の皮を巻きつける。


作業が終わり出来た金槌を観察する。

………うん、ちゃんと上手く出来たようだ。ステータスにもきちんと+6の数値が記載されている。


「これならコイツを使っても大丈夫そうだな」


俺はそう言いながらあるアイテムを取り出した。

それは茶色く染まった小さな結晶、爆走猪の魂石である。

これの使用には一緒に手に入れたマルク達の許可をとる必要があるが、先日の狩りで今日の武器作成でこれを使う事は2人にはもう話してあるので問題はない。


早速取り付けた頭骨の部分に魂石を押し当てて、出てきた選択肢からyesを選択する。


弓の時と同じく金槌は一瞬強く発光した後に少しずつ弱くなっていき、光が収まった後には全体が茶色く染まった俺の新しい金槌の姿があった。


まずはステータスを確認してみる。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


鍛冶師の魂金槌・爆走猪種


ATK +30


品質 7


SE 分厚い体皮Lv2:装備時に防御に

         微上昇補正×Lv


魂石により爆走猪の魂を宿した金槌。

その石に込められた猪の魂で本質までも

が変化した為に元となった金槌とは違い、

武器としての一面が顔を出し始めた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「うわぁ、これはまた……ATKの上がりがすごいな」


今までの経験から性能が大きく上昇するのは予想していたのだが、実際に見るとやはり未だに驚いてしまう。

付いたSEも素材が違うからか別のものになったようだ。

闘金槌は攻撃力はある程度高めになっているので、俺としても攻撃よりも防御の上昇効果の方がありがたい。

これならば十分に満足のいく出来である。


出来た金槌を、しかしまだ装備はせずに一度イベントリにしまい込む。

俺も直ぐに装備して効果のほどを確かめて見たいがまだまだ武器製作の作業中である為、先にそれを終わらせなければならない。


頬をピシャリと叩き、金槌完成で一度緩んだ気を引き締める。

さあ、今度はヤシャの長剣だ。

剣はまだ作った事は無いが、一応木材を使ってどんな物にするかのモデルは作ってある。

この際だ、装飾まで一気にやってしまおう。

取り出した木造の模擬剣を参考にしつつ、実際の剣作成を開始した。


⒈始めに鉄素材を必要量を炉に投入、精錬してインゴットに変える。

⒉インゴットを加熱し一つにした後それを三つの塊に分ける。分ける際に剣身となる一つ大きめの塊を作っておく事。

⒊大きめの鉄塊を再び加熱しハンマーで叩いて棒状に、その次にそれを外側に向かって薄く伸ばしながら大まかな剣身を形作っていく。

⒋剣身の刃となる部分を砥石にかけ、もう一度加熱し焼き入れを行う。

⒌焼き入れした剣身を再び砥石にかけて仕上げる。

⒍ここで出来た剣身を一度脇におき、残しておいた二つの鉄塊を炉で熱する。

⒎熱した鉄塊を取りだしてそれぞれを鍔と柄の部分に叩いて整形していく。柄は握りやすいように柄頭を円形に、握りを緩い曲線のある円柱形にする。

⒏整形が終わったなら剣身と同じく焼き入れをしていく。

⒐出来た剣身、鍔、柄を一つに組み合わせる。


これで一先ず俺が始めて作成した一本の剣が完成した。

剣の種類で言えばこの剣は基本的なロングソード、長剣に分類される物だ。

刃は両刃で形状も特に手は加えずに剣と言われてすぐに連想される物にしたつもりだ。

この形状にした理由は特には無い、強いて言うならこの方が装飾し易いというだけである。

ではここからさらに装飾の作業を進める。


10.先程使った物と同じく一週間溶液に浸けたグレイウルフの頭骨と牙を取り付けられるようにヤスリで削る。取り付けるのは頭骨は鍔に、牙は剣身である。削る際に頭骨は上の頭と下の顎は分ける。


ここからは取り付け作業に入るのだが、毎回同じやり方ではつまらない。

なので今回は金槌の時とは少し違うやり方でやってみる事にする。

正直失敗するとかなりマズイのだが、たまには思い切って挑戦してみるのも悪くない筈だ。

作業を続ける。


11.削った頭骨と牙を炉で熱する。

12.それらを取りだして長剣に接合する。頭骨は視線が剣先にいくよう下の顎と上の頭で挟む様に鍔と削った部分が合わせるよう取り付け、牙は攻撃する際に邪魔にならない様に先端を刃先に向け、剣の中心の線と直角になるよう取り付ける。

13.素材を取り付けた剣をまた炉で丸ごと加熱する。


これから最後に焼き入れを行うのだが、剣を炉で熱している間に少し準備をする。

焼き入れの為の水桶から水を取り出し、水の代わりに赤い液体……灰狼の血液を同量水桶に注ぎ込む。

さあこれでどうなるか……!!


14.熱した剣を水桶に入れ、焼き入れする。


「いくぞっっっ!!」


俺はそう言って全体を熱した剣を血で満たされた水桶の中へ放り込んだ。

そして次の瞬間、血の蒸発する音と共に勢い良く吹き出た赤い煙が俺の視界を覆い完全に塞いだのである。


剣の作り方が大分アバウトですがそこはゲームという事で勘弁してくれると嬉しいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ