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夢はきっと全部青春でできている  作者: 聖音ユニア
それしかないって叫ぶんだ

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独りだけの学園祭

 タイムイズカミング。時は来ました。

 ガチで速い。もうだって気づいたらっていうか、朝起きたら文化祭の当日だった。

 昨日までいつも通り練習して、今日もう家出たら、皆が必死に用意した出し物がお出迎えするんだからもう、やってらんない。

 なんか昨日とか徹夜してたよな皆。

 でもでも、別にウチだって徹夜したもん。家で。

 がやがやといつも以上に活気と熱気溢れる青春のるつぼ。生徒だけじゃなく、近所の人たちもこの一瞬のために訪れて、高校生たちの若さをおすそ分けしてもらう。将来の高校生たちも、先輩たちの晴れ舞台、楽しそうな姿に目を輝かせていた。

 ウチはというと、えー、ガチで独りです。

 あれ、おっかしいな。ウチ、二つの部活の部長だよな。何で誰も、一緒に回ろうとか誘わないんだろう。

 ああそうだそうだ、皆、ウチと違って出し物があるんだしそりゃそうだよね。忙しいよね。

 どうしようかな……写真部の展示会にでも行くか。

 人混みが苦手で人混みの歩き方もよく分からないから適当に流されながら歩くと、三教室ぶち抜きで写真展を開く写真部の展示会にやって来た。

 すごいな。このために旅行にでも行ったんかってくらい、色々な場所の写真があった。

 綺麗で、一枚一枚撮り方に個性があるようにも見える。

 写真を見ているだけで、気分は旅行のそれと大差ない没入感があった。

 中には猫とか犬とか動物の写真もあったし、電車の写真とか、変な形の野菜の写真。妙な個性と色んな好きが集まっているように見えた。

 三つ目の教室で、名前を見なくても、ああこれが千景の写真だっていうのを見つけた。

 ウチや和を撮ってくれた写真。

 楽器や、風景の写真。

 知らないところでこんなに撮ってたんだ。

 でも……この集合写真もそうだけど、千景って、誰かに撮られたことあるのかな。

 題名にちらっと眼を向ける。憧れとか夢とか、親友とか。写真って、作品が主役なんだ。

 作者の好きを表すものの中でも、一番近くにいるはずなのに姿が見えない。

 だから、この場に千景がいないのがちょっと寂しい。

 写真を全部見た後は、和のクラスへ。

 なんと、今年はスイーツ店で、和のママが営んでるケーキ屋さん、Harmonie監修のお店で、馬鹿みたいに賑わっていた。

 これは、並ばないと無理だな。でもいいや。また今度、お店に食べに行けばいいから。

 和も慣れた様子で接客していた。お店の手伝いをしているからかな?

 ケーキ屋さんを後にして、今度は栞のクラスに向かったけど、なんと劇。

 ガチかと思いつつも見てみると、栞は主人公を影ながら支える魔法使い役。

 なんか、はまり役だ。

 けど、ウチからしてみれば、主人公を食らうくらい主人公をしていて、よく目立つクッソ綺麗な女だ。

 ていうかこいつ……シナリオも書いてね? 才能ってあるんだなぁ。

 すごいな。ライブの練習しながら劇の練習も……ちょくちょく時間が合わなかった訳が分かった。

 皆ちょっとずつ会えない時間があったけど、これまで見てきて文化祭の準備をしっかりしていたんだなって実感した。

 ウチだけ何にもしてないのが本当にお恥ずかしい。

 何せウチはクラスの出し物は免除。

 部の方も最終チェックだけする監督役だし。

 こうやって一人で文化祭を回る時間が出来たんだから。

 まあでも……何でかな、同じ独りでも、一年の頃休んだ文化祭の二億倍楽しいな。

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