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第二章二十二話 「モモン・プロローム」





<視点 モモン>





ーーーモモン・プロロームの、今の気持ちを一言で表すなら、“再び”だ。





              △▼△▼△▼△▼△


ーーーモモン・プロロームは、第四巨大王国リレジルーナの、至って平凡の家庭で生まれてきた。

父親である、ディグニー・プロロームは至って平凡の社会人で、母親である、ハンフニー・プロロームは至って平凡の家事担当。

兄であるクレリト・プロロームや、弟であるクラフト・プロロームもいたし、姉であるリーシー・プロロームも、妹であるリーナー・プロロームもいた。

だが、全員が全員、至って平凡であった。

そんな中で、もちろんモモンも、平凡ーーではなかった。

喋り始めるのも、歩き始めるのも、考え始めるのも、授業の進歩も、剣術も魔術も、料理のレシピの覚え方も、掃除の丁寧さも、何もかもが、平凡ではなかった。

だがしかし、モモン自身は、自分の人生しか生きたことがないため、自分の人生しか身を持って体験したことがないため、自分のことは、全て平凡だと思っていた。

後で生まれてくる、弟と妹の成長速度が遅くて、自分は平凡だと思ってきた。

学校の友達も、全員理解が遅いとか、全員納得が遅いとか、全員成長が遅いとか、そう思ってきてーー自分は、平凡だと思ってきた。

同じ職業の同僚も、小学校の友達のみならず、中学校と高校の友達も。

自分を平凡で、自分以下の人間を成長が遅いと、そう思ってきた。

だからーーあの悲劇が、生まれたわけだ。


              △▼△▼△▼△▼△


「ーーーちょ、え!?ちょっとあなた!?モモンが!モモンが!もう本を読み始めてるわ!」

「え、は!?まだあいつは二歳だろ!?」


ーーーそれは、モモンが二歳のときであった。

一年ほど前に喋れるようになり、半年ほど前に歩けるようになり、当時は好奇心旺盛であったモモンは、部屋の探索をし始めた。

だが、部屋の探索といっても、赤ん坊がするような探索ではなくーー部屋の隅々までしっかりと見て、何があるかを一つ一つ確認して、温度や湿度まで測って、物一つ一つの素材が何かを考察する、など。

ーーー二歳で、だ。

そのように、モモンが母親の部屋を探索していると、ふと、気になるものが目に入ってきたのだ。

それが、本である。


「おわっ、本当に読んでる!?」

「ね、すごいでしょ!?てかすごいわ!この子は天才よ!!」

「よし、なんか家庭教師でも雇うか!」

「ええそうね!この子の将来が楽しみだわ!!」


ーーーその本がどう言った内容だったか、今のモモンは、全くに等しいほど覚えていない。

だがしかし、当時のモモンの興味を惹くものーー女の子らしい可愛いものや恋愛系ではなく、理科や算数などの、理系のものであったのだろう。

それを見て、その異様な光景を見て、両親二人は、騒いでいた。

天才だとか、家庭教師を雇うだとか。

今思えば、確かにモモンはまだ二歳で、理科や算数などの理系だと思われる本を読んでいたのだからーーかなりの、というより前代未聞ほどの異例だと、思う。

そして、当時のモモンは、その両親二人に対しーーー


「パーパ、マーマ。」

「なんだ!?」「なにかしら!?」

「うるさい、しーっ。」

「「申し訳ありません!」」


ーーー本を読む邪魔をするなと、集中力の妨げになると、そういう意味合いを込めて、うるさいと注意した。

その日、偶然母親の部屋の前を通りがかっていた兄は、「とーちゃんとかーちゃんが赤ん坊に頭下げてる!?」と、異様な光景を目にし、ついでにその日から、モモンが本を読むとき、両親二人がいつも、微笑ましそうな目を向けながら見る、ということが多くなった。


              △▼△▼△▼△▼△


ーーーその後も、モモンは驚愕的で飛躍的な成長を、見せ続けていた。


「モモン?何してるの・・・って、食器洗ってる!?」


ーーーモモンは常に、家族全員の行動をしっかりと観察してきていた。

それが故に、母親がいつも大変だと、それも理解してきていたのだ。

いつも朝昼晩の料理を作って、いつも食器洗いをして、いつも洗濯物を洗って干して畳んで、いつも全員の部屋と廊下を掃除して、いつも兄や姉の面倒を見て、いつも父親と夜、子育てに取り組んで。

だから、そんな母親の、いつも大変な母親の、少しでもの助けになるためにーー食器を、洗っていた。

ーーー四歳で、だ。


「モモン〜・・・あれ、どこに・・・っていたいた。そんなところで・・・なんか書き物してる!?」


ーーーもちろん、母親の毎日の大変さを見てきて、理解してきているなら、父親の毎日の大変さも、見てきて、理解してきている。

いつも朝から晩まで会社で働いて、いつも休憩時間や自由時間は、会社でもらったであろう資料の後始末をして、いつも兄や姉の面倒を見て、いつも母親と夜、子育てに取り組んで。

だから、モモンは、そんな父親の、いつも大変な父親の、少しでもの助けになるためにーー会社からもらってきたであろう資料の、後始末をしていたのだ。

ーーー四歳で、だ。


「はぁ・・・今日も学校疲れたなぁ・・・ん、モモン、何・・・宿題してる!?」


ーーー父親と母親の毎日の大変さを見てきて、理解してきて、知ってきているのだから、兄の毎日の大変さも、見てきて、理解してきて、知ってきている。

いつも朝早く起きて、いつも夕方ら辺に汗だくだくで帰ってきて、いつも帰ってきた後に宿題をしていて、いつも夜、いびきをかきながら寝ている。

だから、モモンは、そんな兄の、いつも大変な兄の、少しでもの助けになるためにーー学校からの宿題であろうものを、解いたり書いたりしていたのだ。

ーーー四歳で、だ。


「ふわぁ・・・モモンの癒しが欲しいよ〜・・・あ、いたいた!モモン・・・ん、その編み物・・・家庭科のやつ!?」


ーーー父親と母親、そして兄の毎日の大変さを見てきて、理解してきて、知ってきて、感じてきているのだから、姉の毎日の大変さも、見てきて、理解してきて、知ってきて、感じてきている。

いつも朝早く起きて、いつも朝早く顔を洗って、いつも朝早く見た目を整えて、いつも夕方ら辺に疲労感溢れる姿で帰ってきて、いつも夜、可愛く寝言を溢しながら寝ている。

だから、モモンは、そんな姉の、いつも大変な姉の、少しでもの助けになるためにーー学校からもらってきたであろう糸の束や針などを、編んだり結んだりしていたのだ。

ーーー四歳で、だ。


              △▼△▼△▼△▼△


ーーーそしてその後、モモンが五歳になって、弟が生まれてきたときも。


「モモン〜?どこにいるの〜?」


ーーー五歳になったときだって、モモンは常に好奇心旺盛であった。

すぐ見ないうちに、到底子供では到達できないようなどこかに行き、何か道具やら、書き物やらを弄っている。

それが故、朝昼晩の食事のときは、常に母親であるハンフニーが、モモンを探さなければなかったのだ。


「・・・はぁ、全く。あとはモモンの自室だけだけど・・・あの子、寝てるんじゃないでしょうね?」


ーーーそう、ハンフニーは独り言を呟いているが、そんなことは決してないであろう。

そもそも、ハンフニーがモモンの寝ている場面に遭遇したことなど、零歳か一歳かの、赤ん坊のときしかないはずだ。

それが故に、ハンフニー自身も、自分自身でそう呟きながら、あり得ないなと思っていたに、違いない。


「モモン〜・・・あ、いたいた。」

「クラフト、ほれ。」

「あ〜う〜。」

「って、クラフトのことあやしてる!?」


ーーーそして、その母親の驚愕の叫びの通り、モモンは、弟であるクラフト・プロロームを、自室であやしていた。

絵本を読み聞かせ、言葉の意味を教え、ときには眠らせるようにあやし、頭を撫で続け、赤ん坊専用の布団に寝つかせる。

父親が毎日仕事で、赤ん坊をあやす暇がないとわかっていたから、モモンは弟をあやしていた。

母親が毎日家事やらなんやらで忙しく、赤ん坊をあやす暇がないとわかっていたから、モモンは弟をあやしていた。

兄も姉も毎日学校で、赤ん坊をあやす暇がないとわかっていたから、モモンは弟をあやしていた。

ーーー五歳で、だ。

ここまで見れば、ここまで聞けば、ここまで感じ取れば、ここまで想像すれば、誰だってわかる。

ーーー決して、平凡ではない、と。


              △▼△▼△▼△▼△


ーーーそして、六歳で過ごす一年間の、最後の夜。

モモンは明日から、兄や姉が通っている、学校に通うことになるのだ。

第四巨大王国リレジルーナ国立中央学校という、言わば優秀校、というやつである。

若くして優秀な学生が集い、授業や教育に手慣れた教師たちが集い、四ヶ月に一回ほどの頻度である試験も高得点ばかりで、第一巨大王国や第二巨大王国に見劣りはするものの、第三巨大王国の中央学校よりは、優秀と言われている恐るべし小学校。

そこに、モモンが通うことになるのだ。


「ーーー。」


ーーー明日、学校の入学式ということで、祝・人生初の入学式という名目の祝いで、遊んだり歌ったり踊ったりを、家族全員で行った、その後の夜。

モモンは、明日のことについて、自分のベッドの上で、深く考えていた。


「ーーー。」


ーーー学校とは、どのようなものなのか、と。

そこに行って、何か不便なことはないだろうか、と。

そこに行って、一体どれだけの疲労を感じて帰ってくるのだろうか、と。

そこに行って、どのくらいの量の宿題が出されるのだろうか、と。

そこに行って、友達や仲間はできるのだろうか、と。

悩みも不安も心配も、何一つ尽きることなく、モモンの頭の中を埋め尽くす。


「ーーー。」


ーーー今、それを思い返せば、モモン自身が平凡ではなく、少し頭の回転が速く回る子供であったから、そう言った悩みや不安や心配が出たのだろうと、そう理解できる。

頭の中に出てくる悩み一つ一つ、不安一つ一つ、心配一つ一つは、無限と言っていいほど出てきて、無理と言っていいほど消化が不可能で、無知と言っていいほど解決策が浮かび上がらない。


「ーーー。」


ーーーそう、ずっと悩み続けて、何分、何時間経ったのか。

ふと、モモンの自室の扉が、こんこんと、控えめに叩かれた。


「・・・誰?」

「あたしよ、モモン。入っていい?」

「どうぞ。」


ーーーそして、控えめに扉を叩き、モモンの自室に入ってきたのは、姉であるリーシー・プロロームであった。

彼女は、モモンに了承を得たら遠慮なく扉を開け、部屋に入り、そのままモモンが寝ているベットまで来て、そこに腰をかけた。


「ーーー。」

「ーーー。」


ーーーリーシーは、何か用があって、モモンの自室に来たはずーーなのに、ずっと無言だ。

リーシーの用事がなんなのかわからないなら、モモンも喋れることがないため、必然と無言になる。

無言同士、無口同士。

流石にこのままでは気まずいと、モモンはそう考え、口を開こうとーーー


「・・・ねえ、モモン。」


ーーーしたところで、リーシーが先に口を開いた。


「・・・何?」

「あたしのこと、好き?」

「・・・は?」


ーーーそして、口を開いたリーシーが放った言葉は、質問は、モモンが全く、予想だにしていないものであった。

来るなら、明日は楽しみかとか、学校は不安かとか、私の日頃の学校の生活を伝えようかとか、そう言った学校もしくは明日関連の話かと思ったのにーーなぜ、好意がどうのこうのの話になるのだろうか。


「・・・好きだけど。」

「あたしも好きよ。」

「・・・何が言いたいの?」

「んー?」


ーーーとりあえず、モモンは質問への言葉を嘘偽りなく返したが、返ってきたのは、姉からの、おそらく嘘偽りがないであろう答え。

これは、もはや夜這いの類では、などの、今の年齢では、絶対にしてはいけないような発想すら出てくるモモンであったがーーそんなことは口が裂けても言えないため、何が言いたいのかと、質問した。

すると、リーシーはなんとなく、楽しそうな声を出しーーー


「人のこと好きになれるなら、学校楽しめるよってこと。悩んでたんでしょ、明日のこと。」

「っ・・・」


ーーーまたしても、モモンが予想だにしていない答えであった。


「じゃ、おやすみ。」

「あ、ちょっと・・・」

「ん、何よ?」


ーーー予想だにしていない答え、まさかの悩んでいたことが実はバレていた、そして変化球でそれを応援されたーーと、モモンの脳ですら、処理量を超える衝撃の展開を続けられ、体も声も心も、硬直していたモモン。

すると、それをどう見たのか、リーシーはおやすみと一言だけ口にし、そのまま部屋を去ろうとした。

それをモモンはーー伝えたいことがあったため、なんとか硬直していた体と声と心を動かして、リーシーを止める。


「・・・ありがと、ね。」

「どういたしまして。」


ーーー悩みを解決してくれたこと、励ましてくれたこと、一応好きと言ってくれたこと、そして何より、それを直接問わず、間接的に言ってくれたこと。

それらの感謝をモモンは伝え、リーシーもまた、どういたしましてと言葉を述べた。

そして、その後、モモンは、非常によく眠れたのだった。

ーーー今思えば、リーシーとのこのやりとりも、自分が平凡だと思った原因の一つかもしれないが。


              △▼△▼△▼△▼△


ーーーそしてその明日、小学校へは悩みも不安も心配も何もなく、るんるんとした気分で行くことができた。

実際、小学校は楽しかった。

勉強や授業は簡単だったし、体育や家庭科などの、少し特殊な授業も面白かったし、同級生たちに好き好きと言えば、友達は自然と集まって来たし、先生からも出来がいい生徒とよく褒められた。

ーーーそんなこんなで、充実した学校生活を送れていた、ある日。


「・・・あれ?」


ーーーいつも通り学校に登校し、門を潜り、下駄箱で靴と上履きを変えようと、自分の靴箱を見るとーー上履きが、なかった。


「え?あれ?どこに行ったの?」


ーーー昨日の下校時は、確実に靴箱の中に入れたはず。

さは、誰かに隠されたか、とでも思ったが、モモンの友達の中に、そんな陰湿ないじめをする人はいない。

ーーー友達の中には。


「ど、どうしよ・・・先生に言えばいっか。」


ーーーそこで、流石は頭の回転が速いモモン、職員室に行き、事情を説明し、探すのを手伝ってもらい、なかったとしても借りればいいと、そう一瞬で思いついた。

その後、速攻で職員室へと行き、頭の想像通りの展開を起こした。

この事情について、先生たちは納得してくれないかもしれないーーと、思ったが、それは杞憂であった。

曰く、日頃から優秀なモモンのことだから、嘘をつくわけがないと、先生たちは皆、そう言って信頼してくれた。

これぞ、日頃の行いである。


「ふぅ・・・よかったよかっ、た?」


ーーーそして、上履きを借りて、ついでに捜索もお願いして、クラスメイトや友達がいる教室へと向かい、階段を登り、ついたーー結果。


「おーらおら、今度はちゃんと捕まえろよ!」

「わかってるって!」

「ほら、こっちこっち!」


ーーーモモン特有の、ピンク色の花柄模様が側面にたくさん描かれた、可愛い上履きが、教室の中の何人かの男子たちに、投げられていた。

モモンは最初、何が起こったのか、何が起こっているのか、何が起ころうとしているのか、刹那の間、理解ができなかった。

ーーーただ、理解はできずとも、口は勝手に動いていて。


「ちょ、ちょっと!?それ私の上履きだよ!?何してんの!?」

「ん?」


ーーーモモンの口は、やはり理解ができていないため、何をしているのかと疑問を放った。

そのモモンの怒声を聞いたら、その男子三人は、モモンの方を向きーーー


「ああ?なに、これ俺たちの上履きだよ?」

「そうだそうだ。勝手に勘違いすんなよ、ばーか。」

「てか、お前上履き履いてるじゃん。」

「違うの!これは、先生たちに借りたの!!それは私のだから!!」

「なんで?」

「側面についてるピンクの花柄模様!!それ、お姉ちゃんからつけてもらったものだもん!!」


ーーー即答とも言える速さで、モモンの口出しを否定した。

確かにモモンは上履きを履いているが、これは先生たちに借りただけ。

ついでに、モモンの上履き特有のピンク色の花柄模様が、側面にたくさん描かれているのだから、証拠も根拠も出揃っている。

それに対し、まだ反論を述べるところーー流石は小学一年生、ガキである。


「返してよ!!」

「やーだよ。」

「そうそう。てか、ぶつぶつこーかんって知らないの?これ欲しかったら、俺たちにも何かくれよ。」

「なっ・・・じゃあ、なんでもするから!!」


ーーーそしてモモンは、ついつい、禁断の言葉を放ってしまった。


「じゃあ、裸になれよ。」

「・・・は?」


ーーーそして、禁断の言葉である、なんでもするを放った結果、返ってきた要求がーーそれであった。


「は、裸!?なんで!?」

「いいから裸になれってー。」

「そうだそうだ。裸見せやがれ!」

「見せろ見せろ!」

「っ・・・」


ーーーそのときのモモンは、姉から貰った大事な上履きのためならと、かなり切羽詰まっていたのだろう。

それが故に、顔を真っ赤に染めながらも、恥じらうように目を瞑りながらも、着ている服を脱ごうとーーー


「やめなさい!!」


ーーーしたところで、モモンの後ろの、教室の入り口から、女性の怒声が響き渡った。

その、美しい声色だけど、どこかしっかりとした、怒声ーーモモンたちのクラスの、担任である。

彼女の後ろに、クラスメイトにしてモモンの友達が何人かいることから、おそらく、モモンの友達がこの騒ぎを見て、呼びに来てくれたのだろう。


「人のものを取っておいて、相手にして欲しいことを押し付けるとはなんですか!その上履きをモモンさんに返しなさい!」

「「「・・・はーい。」」」


ーーーこうして、先生の介入により、どうにか、この場は納められたのだった。

ーーー自分では、止めるという判断すら思いつかなかったのに、先生はあの男子三人も最も容易く止めたところから、これもモモンが自分を平凡だと思った、一つの原因であろう。


              △▼△▼△▼△▼△


ーーーそれからの小学校での日々は、大きないじめとまでには発展しなかったものの、先程のような陰湿ないじめが、モモンの身には多数、起こった。

だが、基本は、それを起こすのはクラスメイトの男子であり、クラスメイトの女子や友達、先生たちは皆、モモンの味方であったため、すぐに収まる程度のものばかりであったがーーその少しずつの積み重ねが、モモンにストレスを溜まらせた。

中学校でも、高校でも、なんなら仕事の職場でも。

モモンの味方は多かったため、毎回毎回、小さなことばかりであったがーーモモンの優秀さや魅力、長所やその見た目の可愛さなどに嫉妬したであろうものたちは、モモンに毎日と言っていいほど、小さないじめを続けていた。

だが、モモンが折れることも、なかった。

モモンはこれでも、人一倍どころか人十倍ぐらい、精神の耐性が強い。

そこもまた、平凡ではないところだがーーそれが故、モモンが折れることはなく、家族に相談することもなく、学校生活も職場での仕事も、全体を見通せば、いいことの方が多かった。

そんな、ある日だ。

ーーーあの、悲劇が起こったのは。


              △▼△▼△▼△▼△


ーーーその日のモモンは、十八歳。

高校を卒業し、職場で働き始めて、先輩や同僚ともまあまあ仲良くなり、もうすぐで一年が経とうとした、ある日。


「・・・あ、おはようございます、先輩。」

「お、おはよ。今日も一日がんばろねー。」

「はい。」


ーーーどこか陽気な雰囲気を感じさせる、金髪で体に刺青(いれずみ)を入れた、ポニーテールが似合う、職場の女性の先輩。

なぜ、この普通の社会人がするような仕事に入ったのか、と聞きたくなるぐらいの意味のわからない見た目であるが、どうやら、そこにはかなりの深い深い歴史があるらしい。

とまあ、そんなことはどうでもよく、その先輩と挨拶を交わし、普段通り、やるべき資料の後始末や整理などの、至って平凡な仕事に当たろうと、自席に着こうとするとーーー


「あ、そだ、モモンちゃん?」

「ん、なんですか?」

「なんか、社長さんが呼んでたよ?」

「え・・・」


ーーー先程、挨拶を交わした先輩から、社長からの呼び出しがある、と情報を聞かされた。

まだ、一年も働いていないため、社長とは面談のとき以外、話したことも見たことも意識したこともなかったがーーどうやら、今日は会わなければいけないらしい。

若干、憂鬱な気分になりながら、ついでに緊張もしながら、情報をくれた先輩に感謝を述べ、モモンは、社長室へと向かうため、階段を登って行った。


「よいしょっと・・・着いた着いた。」


ーーー仕事帰りのおっさんのような台詞を言いながら、社長室の扉の前へと着くモモン。

そこで、こんこん、と扉を叩こうとするがーー果たして、本当に入るときはそれでいいのか、とモモンの思考が待ったをかける。


「・・・礼儀正しく、だからね。」


ーーーだが、そこで流石、頭の回転が速く、思考の回路が整っているモモン。

扉をこんこん、と控えめに叩いた後、「失礼してもよろしいでしょうか?」と声をかけ、扉の向こうから「よいぞ。」と返ってきたのをしっかりと確認し、「失礼します。」としっかりと言い、いざ行かんと扉を開け、入っていくとーーー


「・・・え?」


ーーー大統領でもいるのではないか、と感じさせるほどの大きな机の奥にある、王座のような椅子に座り、堂々としている社長とーーその机の前に、血だらけで倒れている、秘書の姿があった。


              △▼△▼△▼△▼△


「え?・・・え?」


ーーーその突然の光景に、頭の回転が速く、思考の回路が整理されていて、脳の循環が素晴らしいほど蠢くモモンもーー流石に、理解が追いつかない。


「ふむ、来たか来たか、来たのだな。」

「あ・・・え、その、ブルガルダス、社長、これ、は・・・え?」

「む?見ればわかるわかる、わかるだろう。私が座っていて、秘書が死んで死んで、死んでいる。ああ、殺したのは私だぞ?」

「っ・・・」


ーーーそんな、モモンですら理解が追いつかない光景なのに、社長ーーアンガスト・ブルガルダスは、何も変哲のないような、当然の光景を目の前にしているような、そんな声で、モモンに話しかける。

もしや気づいていないのではないか、とモモンが目の前の光景について、呼びかけるがーー平然とした返事をし、それどころか、その秘書を殺したのは私だと、自首すらした。


「な、んで・・・ころ、した?」


ーーー人の死体も、なんなら血や肉や骨ですら見たことないモモンに、その光景は、衝撃が強すぎた。

それが故、社長の前では使う敬語も崩れ、顔面蒼白になり、震えた声で、モモンは、アンガストになぜ殺したのかと、尋ねるがーーー


「ああ、もう必要がないない、なくなったからな。」


ーーーまるで、使わなくなった道具を捨てるような、そんな言い方で、返答をした。


「え、え、え・・・?」

「それで、今日の要件だが、この使えない秘書の代わりに、君が私の秘書になるなる、ならないか、という提案だ。」

「え、は・・・は?」


ーーー意味が、わからない。

なに、なに、なにを尋ねているのだ、この社長は。

目の前で秘書が死んでいて、そんな非日常的な光景の前で、今度は君が秘書にならないか、と。

ーーーまるで、使わなくなった道具の代わりに、この道具ください、と提案するかのように。


「ふ、ざけ・・・」

「む?なんだ?」

「ふざ、ふざけ・・・ふざけないでよ!!」


ーーーそして、モモンは、そんなアンガストの前に、感情が爆発した。


「なに、なんなの!?使えなくなったから殺した!?は、は、は!?意味わかんないんですけど!?だったら、せめてクビとかで済ませてあげてよ!!それに、なに!?次は私!?秘書が死んでるところを見て、使えなくなったら殺される可能性もあるかもしれないのに!!その状態で、なに誘ってんの!?」

「ーーー。」

「何様のつもり!?たかが社長でしょうが!!王にでもなった気分なの!?神にでもなった気分なの!?世界で一番偉くなった気分なの!?なんで、なんで!?」

「ーーー。」


ーーー感情が、心情が、表情が、心が、脳が、こいつはダメだと、こいつは危険だと、そう叫んで、モモンに訴えようとしている。

しかし、モモンは止まらない。

ここは、流石モモン、と言うべきところだがーー秘書含め、同じ職場の先輩や同僚、後輩たちのことは、しっかりと見てきた。

その頑張りも、努力も、才能も、精神も、体力も、全て。

秘書だって、社長のために、自分のために、家族のために、頑張って頑張って頑張って、頑張り続けていたはずだ。

ーーーそれを、使えなくなったから殺す。

何様の、つもりだ。


「この人の!!名前覚えてないけど!!頑張りは!?努力は!?努力は報われるって言葉、知りませんかぁ!?」

「つまり、君が言いたいのは・・・」

「秘書さんは!!あなたのために、頑張ってきたんでしょう!?ねえ、そうなんでしょう!?あなたが一番近くで見てるでしょうが!!それを使えなくなったから!?使えない!?使え、ない!?なんで、どうして、どうして!?」

「・・・私への誘いの返事は、断る、ということか。」

「っ、!?」


ーーー感情の意のままに、暴言の嵐を、罵声の嵐を、アンガストへと浴びさせているとーーふと、アンガストからの言葉が、殺気を帯びた。

それも、とてつもなく、触れてはいけない禁忌ほど、の。


「あ、ぅ・・・」

「断る断る、断るのか。断ってしまうのか。」

「や、ぃや・・・」

「断るのか断るのか、断るのかぁ。・・・ああ、断るのかぁ。」

「っ、・・・」


ーーー殺気が放たれてから、アンガストは、断るという言葉しか、発していない。

なのに、それだけなのにーーどうして、こうも殺気が強まっているのだ。

この殺気は、一体なんなのか。

というより、そもそも、この職場は、なんなのか。

こんな社長が支配しているこの職場は、なんなのか。

一体全体、なにが起こっているのかーーー


「・・・断るなら、君もいらないな。」

「っ、!?」


ーーーと、モモンは思考を働かせようとしたら、アンガストから漂う殺気が、更に強まった。

そして、刹那ーーモモンの視界は、闇に包まれた。


              △▼△▼△▼△▼△


ーーー今でも、思い返せば涙が出てくる。

自分の家族は、どうしているのだろうか。

自分の友達は、どうしているのだろうか。

自分の同僚は、先輩は、後輩は、どうしているのだろうか。

あの職場は、なんだったのだろうか。

あの後、自分はどういう経緯で、奴隷の身に落ちたのだろうか。

ーーー社長は、アンガスト・ブルガルダスは、どうしているのだろうか。


「ーーー。」


ーーーモモン・プロロームの、今の気持ちを一言で表すなら、“再び”だ。

再び、モモンは、人に何かをやってくれと、頼まれた。

だが、その比が明らかに違う。

やらなければ殺すと、そう言って殺気を漂わせるアンガストと、優しい微笑みで覆い尽くし、可愛い雰囲気を醸し出す(かもしだす)ルーディナ。

同じく金髪であるが、纏っている雰囲気が、明らかに違う。

だからーーー


「ーーー。」


ーーー今度こそ、モモンは、失敗しない。

自分を、常に平凡だと勘違いしてきたことが。

あの職場で、働き始めたことが。

あの日、先輩から言われ、のこのこと社長室に行ってしまったことが。

アンガスト・ブルガルダスに、暴言や罵声の嵐を浴びさせてしまったことが。

ーーーその全てが、モモンの犯した間違い。


「ーーー。」


ーーーだから、今度こそは、絶対に失敗しない。

故に、ルーディナから託されたーー奴隷たちのまとめ役を、モモンが、率いる。


「・・・ふぅ。」


ーーー喋るのも、久しぶりだ。

この監禁所にいる間は、常に絶望であったが故、話すことも人の声を聞くことも、なかった。

久しぶりだから、緊張する。

だがーーー


『かっわぁいい!!』

『お、よく返事ができました〜。偉いね偉いね〜。』

『理不尽、だよね。』

『わかるよ、そういうの。』

『だから、似たもの同士。』


ーーー彼女の声を聞けば、自然と、気持ちが収まってくる。

この気持ちが、ただの安心感なのか、それとも別のなにかなのか、モモンには今、わからない。

でもーー勇気だけは、湧いてくる。


「・・・ぁ、あ、あ!」


ーーー声が、出る。

不思議と、ルーディナを思い浮かべれば、ルーディナの声を思い出せば、声が、出る。


「・・・あいうえお、あいうえお!」


ーーー勇気が、出る。

ルーディナの可愛い笑顔を、ルーディナの可愛い声を、ルーディナの可愛い配慮をーールーディナがしてくれた、同情を。

それを思い出せば、思い浮かべれば、勇気が、出る。


「・・・よし!!」


ーーーモモン・プロロームには、もうなにも、怖いものはなかった。


「皆さん、聞こえますか!!この監禁所全ての皆さんに対して、です!!」

「ーーー。」


ーーー奴隷監禁所にいる、全ての人の視線が、何事か、とモモンに集まる。

子供四人の視線が、何人かの成人たちの視線が、何人かの老人たちの視線が、男女年齢関係なく、全て。


「私の名前は、モモン・プロロームです!!一応、皆さんと同じ奴隷です!!いや、今日でそれも終わるはずです!!」

「っ・・・」


ーーーその、奴隷終了宣言に、監禁所の中の誰かが、息を詰まらせたのがわかる。

そして、他のものも、本当か、と希望を持った視線をモモンに向けていくがーーすぐ、信頼を失ったかのように、希望が失われ、全員が俯く。


「ーーー。」


ーーーおそらく、モモンも同じ奴隷であったこととか、どうせまた騙されるのだろうだとか、そう言った、信頼できる要素がないところにーーおそらく、全員が、希望を失ったのだろう。


「それ、とっても馬鹿馬鹿しい!!」

「っ、!?」


ーーーだが、モモンは、その奴隷全員の総まとめの考えを、馬鹿馬鹿しいと一蹴した。


「真面目に、頭働かせてみてくださいよ!!さっきまで、皆さんと同じく絶望してた私が、いきなりこんな演説?不可能もいいところです!!そんなこともわかんない!?馬鹿の集まりですか!?長年の奴隷生活で、考えれなくなりました!?」

「っ、・・・」


ーーーそして、モモンは、奴隷全員に向かってーー挑発するような、そんな言葉の嵐を浴びさせる。


「少しは考えやがれ!!考えないから、奴隷なんて身に落ちたんでしょうが!!」

「っ、うるせぇ!!」


ーーーモモンは、更なる暴言と罵声を続けるがーーそこで、どこかの誰かからの、反論が返ってきた。

声と、言葉遣いからしてーーおそらく、成人の男性だ。


「んなことわかってんだよ!!俺が、俺が悪かったんだろ!?俺が考えれなかったから、こんな不幸になってんだろ!?」

「その通りです!!やっと理解できましたか!?」

「っ、んだと!?」

「ちょっとあんた、それは酷くない!?」

「っ、なんか希望掴んだからって、調子乗んじゃねえぞてめえ!!」


ーーーモモンの暴言や罵声と、奴隷全員の暴言や罵声がぶつかり合う。

それは、混沌に満ちた、破滅への道のりーーではなく、全てが、モモンの想像通りで。


「反論するぐらい、元気が出てきましたね!!」

「んなわけねえだろうが!!」

「最っ低!!」

「こんの野郎!!」

「ママー!!あの女の人嫌い!!」

「ダメよ、あれは見ちゃダメな類の・・・」


ーーーそして、その奴隷全員の声は、少しずつ、モモンへの恨みや憎悪が籠った声へと、変わってきた。

当然である。

いきなり、よくわからない少女に、お前のせいでお前が奴隷に落ちたと、お前のせいでお前が不幸になったんだと、そう、真実を突きつけられたのだから。


「ほーら、どうしましたぁ!?その程度ですかぁ!?」

「この野郎!!そう言ったこと、後悔させてやるぞ!?」

「どうぞどうぞ、来やがれください!!言っときますけど、このマント勇者様のですからね!?かったいですよ!?」

「知ったことかよ!!」

「あんた、いい加減ふざけんじゃないわよ!!」

「ママ、あの人ムカつく!!」


ーーー更なるモモンの暴言と罵声が浴びさせられるとーーそこらへんの檻から、モモンに一発でも入れるために、檻を壊さんとする人が、何人か出てきた。

そして、その人たちに釣られてか、他の奴隷たちも、少しずつ少しずつ、檻を壊さんとするものが増えていきーーその数は、次第に全員となった。


「はい、そこで終了っ!!」

「は!?」


ーーーそして、その奴隷たちの反乱により、檻の全てーーおそらく、かなり前からつけられていたので、すごく脆くなっていたと思われるーーが壊れ、いざモモンに襲いかからんとしたとき、モモンは終了と、そう叫んだ。

その、いきなりの意味のわからない宣言ーーそれにより、奴隷全員が、困惑したような、苛立ちを含む声をあげる。


「それ、向ける相手違くないですか?」

「は、なに言って・・・」

「あなたたちが不幸になったのは、それをやった原因がいるから、でしょう?なら、それにその怒りをぶつけるべきです!ね!?そうでしょう!?」

「ーーー。」


ーーーこれが、モモンの作戦だ。

奴隷全員の怒りを最大限に溜め、そしてそれが、いざ襲いかからんとなったときに、それを向ける矛先を変える。

だが、たったこれだけの言葉で変わるとは思わないため、モモンは、更に言葉を発するため、口を開こうとーーー


「よし、ええと、みなさ」

「ぷっ、ちょ、はは、あはは!!」

「ん・・・って、え?」


ーーーしたら、突如、目の前まで来ていた男が、笑い出した。

ーーーそれに釣られてか、他の、モモン以外の奴隷たちも、急に笑い出して。


「ぷっ、はは!!」

「え、いや、あの」

「なに、急に、降参!?はは、ははは!!」

「おいおい、それはねえぜ!」

「わー、情っけない!」

「ふ、ふふふ・・・ちょ、いや、あんなに、カッコつけておいて、降参とか!!ははは!!」

「な、なんで!?」


ーーーどうやら、モモンの作戦を、本当に奴隷全員がは襲いかかってきたから、突如として態度を変えた、情けない弱虫か何かと、勘違いをしたらしい。

その勘違いの、一体何が面白いのかーーその笑い声は、どんどんと周りに感染していき、その規模はいつしか、全員となった。


「あははは!!」

「ぷっ、はは、はは!!」

「ふはは・・・あ、ははは!!」

「・・・なんでこうなった。」


ーーーそして、死臭漂う、闇夜のように暗く、誰もいないかのような静寂に包まれ、生きとし生けるものがいてはならないような、地獄と言わんばかりの空間ーーそんな場所に、場違いのような笑い声が、たくさん響いていた。


              △▼△▼△▼△▼△


<side ルーディナ>


ーーーいろいろと、様々な場所を探索し、冒険し、モモンはどうなったか、取り巻きは誰にしようかとなどと、不安や心配を込めながらも、ルーディナが奴隷監禁所に返ってきた結果。


「ルーディナさん!全員、あなたにつきます!」

「どうか、我ら全員を、配下に!!」


ーーーモモンを筆頭に、子供も老人も、男も女も関係なく、全員が、ルーディナに向かって跪いていた。

それを見て、ルーディナはーーー


「なにがあった!?」


ーーー突っ込まずには、いられなかった。





ということで今回、レイヴィン・バークアディスに続き、二人目の名前回です。

えーと、名前回はとりあえずそのキャラの過去なにがあったんだーを書く予定。

ただ、全員は書きません。

書くキャラと書かないキャラまとめときますねー。


書くキャラ

ルーディナ・デウエクス

メリア・ユウニコーン

ディウ・ゴウメンション

フェウザ・ロトフゥイ

アークゼウス・ヴェルゼウ

エレサロン・ラーティキュス

ペアレッツォ・モンティーヌ

イ・エヴェン

クローディナ・バークアディス

アンガスト・ブルガルダス


書かないキャラ

今代国王

モモンの家族たち

魔界王陣営関係者全員


書かないキャラについてですけど、今代国王は大した面白みもないただの幸せな人生だし。

モモンの家族はモモンと被るし。

魔界王陣営関係者全員も、国王と同じくただの幸せな人生で面白みないし。

てわけで、以上、今回も読んでくれてありがとうございました!

また読んでね〜。

・・・読んでよね?


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