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【プロットタイプ】不幸月刊

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。

これは読者様の問題ではなく、私の問題。


詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。


注意事項2

『お前、絶対来んなよ!!』

『お前、絶対行くなよ?』

という圧を感じます。


何故今週なのか( '-' )

どうやら今週、台風が来るらしい。職場でも、家でも何度も天気予報を確認したけれど、結果が覆る事はない。寧ろ降水確率は右肩上がりだった。

「…………」

今週は予定がある。一ヶ月前から立てている予定だ。其れを覆す事は、天変地異でも起きなければ出来ない。大損する事になる。

全く持ってツイてない。週初めに体調を崩し、晴雨兼用の日傘を購入したら雨になる。このまま行けば、買ったばかりの日傘が壊れる事なるかも知れない。

そう不貞腐れていると、腰周りに重さを感じた。どうやら我が家の飼い猫が乗ってきたらしい。

「瑠衣たん。今週の休日、台風なんだって」

返事をする様に髪を掻き回す。『はいはい。聞いてますよ』、『元気を出しなさい』という事であろう。瑠衣は話さない代わりに行動で示す。

別に慰めが欲しい訳ではない。ただ気分が上がらないだけ。自分ではどうにもならないだけ。

「瑠衣たん、退いて」

また髪を撫でる。

「ハグさせて欲しいんだ」

撫でていた手が止まる。

「お願いだから」

腰にあった重みが無くなる。のっそりと体を起こすと、床に臀を着いて、面倒臭そうに首を掻く瑠衣がいた。このまま勢い良く抱き着いても、恐らく叩き落とされる事はないだろう。だが。

ぽすりと肩に顔を埋める。そのままグリグリと擦りつける。

瑠衣の匂いがする。汗と混じった、制汗剤の匂い。シャンプーやボディソープの香りだとすぐに分かる。

「どうにもならない事はある」

「うん」

「肩を貸してやったんだ」

「分かってるよ」

触られるのあんまり好きじゃない。それでもこうして肩を貸して貰えているだけ、瑠衣なりに励ましてくれているのだろう。

だからこれ以上は縋る事の無い様に。一人で立ち直れる様に。私はむっくりと顔を上げると、ただ何時も通りの口調でこう言った。

「傘、ちょっと高かったけど、もう一本買えば良かったかな」

「……良いと思った物を複数買いする癖あるな」

「壊れると嫌だからさ」

そう思うと、私は拠り所を欲しているのだと感じた。今考えていた予定が丸潰れになるのが怖いのは、替えが利かないから。どうしてもその場所に訪れないもいけないから。逃げられないのだ。

「掛け替えがあった方が、メンタル的には良いんだよ」

「?」

だから縋るのはお終い。

海沿いの方々は津波が心配だし、その上台風まで来たら、何処へ逃げれば良いんだろう。

高台に逃げても、台風で物は絶対飛んでくるし。

何処で身を守れば良いんだろう。

平気でトタン屋根とか、デカイ枝とか飛んでくるので。


そんな身の心配の比ではありませんし、比べる事さえ失礼ですが、今週予定があります。

一か月前から組んでいた予定です。キャンセルした途端、大損が確定します。


だから台風来ないで欲しい。

人々の身の安全と、私の予定の為に。

流石に台風に耐えられる傘ではないと思うよ。


でもどうにもならないよね。

昔の好きな漫画で『天候』モチーフのジョブがあるんですよ。『ただそれだけで全てを支配する』って。

その言葉を噛み締めてます。


『替えがきかない』という言葉が、どうにも好きになれなくて。

其れがないと生きていけない、つまり依存状態が好きでなくて。

其れを、掛け替えのない物を破壊しに来るものが、本当に大嫌いで。


そんな嫌なものの話。

今週の予定も、瑠衣は掛け替えのない物だからさ。

縋りそうだな。嫌だな。

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