表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/35

土魔法②

 第31章


 ブレイク文官の説明が終了しても嵐は去らない。


 普通ならこれで解決すべて良し!と、なるはずだがモモホラチームは帰らない。粘って粉砕魔石をよこせと駄々をこねている。

 

 「国王陛下とは契約魔法を結ばなかったのですか?」

 「結んだよ」

 「え!!それではわたくしとは二重契約を結ぶおつもりですか?」

 「まさか、国王陛下と結んだ契約は、戦争になった場合は同行すると言うキナグリ公爵家がいつも結んでいる契約だ!」


 「その契約は、キナグリ公爵家にとってはとても名誉な事で、宮殿で、両親も参加して次期公爵の契約を結んだ。のらりくらりかわして逃げていた契約を、国王陛下と結ぶと両親に告げたから、このように色々公園事業にも参加する事になった」


 「キナグリ公爵家は公園事業に参加したかったのですか?」

 「それはそうさ、公園の警備事業は絶対に欲しかったと思う。兄弟や親戚が多いし、既に、ポリアンナ公爵家は道路事業をもぎ取っているからね」


 「まだ始まっていない公園事業に、参加を望んでいる貴族の方がいる事に驚きました」


 「それは、あんなプレゼンテーションを見せられたら、どの貴族でも参加したいよ」


 改めて、映像の恐ろしさを知ったパールだった。


 「では、わたくしと契約魔法を結んでください。モモホラ様、それとモモホラ様のつくる門(研究所)と平行に地下作業もお願いします」


 契約魔法を5人と結び終えると、モンスールに合図をして部屋を暗くしてもらった。白いテーブルに映し出された測量済みの公園が描かれていた。


 「これも、映像なの?」

 「紙で残すと不都合がありますので・・・映像と頭の中に書き込んでます」


 初めて見るからだろう、5人は動作を忘れたようにテーブルを見入っている。

 「この湖から水を引きます。そうしないとモモホラ研究所には水が届きませんから・・、モモホラ様には地下に水道管を引いてもらいたいのです」


 「水道管?何、それ?」


 「今、王都では地下から魔石で水を救い取ってますよね?貧しい平民は井戸を使っていますが・・」

 「そうなの?知らない」

 「・・・、そうなのです。しかし、遺跡の地下に水は存在していましたか?」

 「いや、無かった」

 「では、飲み水はどうなさるつもりですか?」


 「・・・・・・」5人は押し黙る。


 「そこで、こちらの湖から水を引きたいのです。運動すると喉が渇きます。貴族はお茶などを時間しますが、平民はどうでしょう?」


 「ですから公園内に、水飲み場を設置したいと思います。当然、わたくしの離宮にもレストランやカフェにも必要です」


 「どうやって?」

 

 「モンスール、次の映像に変えて」


 次の映像は土地魔法と粉砕魔石を混ぜてモモホラが地下に水道管を設置していくイメージになっている。


 「すごいね!これ、こんな事ができるのか?所であの湖の水は飲めるの?」

 「水質検査はこれからですが、この水道管には仕掛けたあり水を浄化させる力を魔石にブレンドします」


 「そうすると、僕の研究所も浄化されて空気がきれいな研究所になるのか?」

 「水道管の粉砕魔石は秘匿とさせて頂きますので、モモホラ様の建物はご自分かキナグリ公爵家の方で研究なさって下さい。公爵家でも魔術師を多く雇用なさっていますよね?そちらでお願いします」


 「粉砕魔石は?」

 「勿論、差し上げますよ。研究所にございますので取りに来てください」


 水道管に使う魔石はフラグメール国産の魔鉱石で、公園予定地から出土したクズ魔石ではない。魔鉱石もフラグメール国では同等にグズ魔石と認識されているので、ナナミリ達は、今、クズ魔鉱石を集めている。今の彼らの仕事は採掘場からのゴミ処理業者。


 (ナナミリ達に会いたくなったわ~)


 その日から、モモホラチームも研究所に出入りするようになり、メイド3人がとっても役立ち、モンスールにも教育を施してくれた。


◇◇◇◇◇◇


 パール研究室


 パール研究室では公園事業の為、粉砕魔石の分類、分析、効果実験等、多くの研究が山のようにある。


 その中でも一番待遇がいい、モモホラの研究を手伝いたい学生は大勢いた。

 

 「お嬢様、モモホラ様の研究ばかりでいいのですか?」

 「いいのよ、その内、落ち着くでしょ、いいカモフラージュになってるのだからね。それに、あの、豪華な軽食の山・・、食べた事がない物ばかりよね?」


 「はい、メイドの一人は、王都中の菓子店やレストランを回っているようですよ。ですから、最近はキナグリ公爵家の評判はうなぎ登りです」


 「どうして?お菓子と関係あるの?」

 「大きな事業を手にした公爵家に、取り入りたい人がたくさんいます。しかし、その様な方から賄賂を受け取らずにこうして学生に回したり、公共事業の業者をなるべく多く採用したりしているようです」


 「そうなの?公爵様は意外に人格者でしたのね?」

 「・・・、今まで、モモホラ様の事で肩身の狭い思いをなさっていたそうです。多くの親戚たちにモモホラ様の価値を示す事が出来たので、援助は惜しまないと伺いました」


 「そうなると・・、他の公爵家が心配ですね?カメールは何て?」


 「・・文官トップのヨロピン7公爵、カチャサラ主席政務官にブレイク文官が呼ばれたようです」


 「それって、カメールにとっては上司の中の上司と言う事よね?」

 「さすがに胃が持たないと言ってました……」


 「主席政務官が出てくるとなると、主席監査官もセットでついて来るわよね?」

 「カメールはそのように言ってました」


 「あそこで食べているだけのモモホラ様に、少し急いでもらう必要がありますね」


 モモホラチームとパールチーム8人は、毎日、せっせと水道管を伸ばしている。起点はこの研究所で、研究所が閉まると同時に始まる。だから、軽食とお菓子が必要になる。


 モモホラの穴を掘る能力は、抜群で、本人も驚いているようだ。モモホラが穴を掘るのと同時に、パールは、マジック収納から魔鉱石と砂と水をミキサーしたものでトンネルを作っていく。


 初めて見た時の驚きはすごかったが、パールの体力が持たずにあまり進まなかった。そこでイチトスは考えて台車にモモホラとパールを乗せて提案をしてくれた。


 「それいい案だわ。モモホラ様、この先は、ただの丸いトンネルではなくこのように水路と舗道を形にすることは出来ますか?」


 「できる!簡単さ、君のそのミキサー袋も、台車に固定すればもっと楽に進めるのでは?」


 「そうですね。工夫しましょう。台車も魔石で動かすのはどうですか?」

 「いいね。そうしよう!!」


 ミキサー袋ではないけど、意外に重くて大変だったマジック収納も、設置されればもっと早く水道工事が終わりそうだ。魔鉱石を取りにフラグメール国に行かなくては・・。


 イチトスは、研究者なのか魔術師なのかわからないが、数日もあれば動く台車を用意できると言った。


 「では、休日を楽しみましょう。また、来週ですね」とその日は解散した。


 「モンスール、明日はフラグメール国に行って来るので、お留守番をお願いね」

 「はい、大丈夫です。カメールと二人で上手くやります」


◇◇◇◇◇◇


 パールは、ナナミリ達がいるゴミ処理現場に姿をあらわると、ナナミリが飛び上がって驚く!!


 「パール様、お帰りなさい・・」

 「ただいま、どう?集まった?」

 「はい、ふるいにかける装置が出来てからは仕事も楽になって生産量も増えました」

 「やはり、いつの時代も、設備投資は必要ね…」


 「着替えて、マルマンとガンターも呼んで来て、美味しい食べ物を用意したから」

 「はい、わかりました」


 事務所は、小さな小屋で、パールが滞在する為に、中は清潔が保たれている。それをまずチェックする。


 3人はパールに会う時は清潔な服装でなくてはならない、孤児だと言っても平民以上の生活に慣れる事も大切な教育だ。読み書きや計算の課題は何年も前に終えている。今回は、帳簿のチェックとこのゴミ処理場の経営内容と同業社とのやり取りなどを確認する予定だ。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ