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ひきこもり森の魔女は、世間知らずでごめんなさい  作者: 緖篠 みよ


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……なんだ? 2人してアンディって……勝手に取り入れられようとしてたんだろう?


「僕は頼まれてしているだけだよ。カミールもイーゴルも彼女と親しくなったのなら、君達で動けばいいだろう? 僕の許可は要らないよ」

と、ルディーは答えた。


「俺達は、話はしたけど何も頼まれてはいません。アンディのことを聞いても何も話してくれないし、プーが近くに寄るのを邪魔をしてくる」

と、カミールは答える。


……アンディさんは、自分の記憶が無い事を言わないんだ。

それにプーは邪魔をするけどランディは邪魔をしないということは、ランディは2人がアンディさんと親しくなっても良いと判断していることになる。


「僕と君達とでは、時間は合わせられないだろう? 今日はたまたまみたいだけど」

と、ルディーは今までも別々に小屋に行っている事実を言う。


「俺たちはアンディの力になりたいと思っています」

と、イーゴルは言ってきた。


……えっと、イーゴル? もしかして本当に知らないのか?

モネさんの態度や状況からしても、僕の考えは間違って無いと思っていたが、出来てなかったのか?


「うぅーーん…………うぉーーん……うーーん」


「先生? そんなに俺たちの行動が可笑しいのか?」

と、不安がりお互いの顔を見合わせてルディーに聞いてくる。


……別に可笑しくはないよな。気になる女性に気に入って貰うために一生懸命になること……医師としてより大人の男としてなら健全だと思う。

2人は強引でもなく時間を掛けて、アンディさんに近付こうとしているだけだ。

無い知恵を働かせて、歩み寄ろうとしているのは分かる。

分かるが……スージィーさんの秘密にアンディさんの秘密をどう転ぶか分からないのに、言える訳無いぞ……


「2人に提案なんだけどな、僕はアンディさんと言うよりランディやプーに信用されたみたいなんだが、2人はどうなんだ?」

と、振ってみた。


「…………ルディー先生が、信用されて小屋に入っていったのが驚いたよ」

と、イーゴルは言ってきた。


「どういう事だ? 君達も一緒に泊まらして貰ったし、アンディさんの手伝いにも小屋に入っていたじゃないか?」


「俺はあれから一度も、小屋に入れて貰ってない」

と、カミールが言えば、イーゴルも頷き同じだと言っている。


……2人は何回もアンディさんに会いに行っているが、話せても直に会えて無いのか?


「2人の事は分からないけど、僕は酷く驚かれたけどな……2人の内どちらかだと思って扉を開けたと思ったが……違うのかなぁ?」


「「えっ?」」


「それより、イーゴル! 僕は君の知っている女性に罵られたんだが、理由は分かっているのか?」

と、本題に入った。


「先生の言っているのは? モネ?」

と、イーゴルはちゃんと答えてきた。


「そう、僕がイーゴルを脅して用事をさせていると思っていたようだが、そんな事実が無いことを説明して納得して貰ったけど聞いてないかい?」

と、ルディーは問う。


「いつも俺より歳が上だから姉ぶって、色々聞いてくるから前は答えていたけど、この前から酷くて家に帰っても話してない」


「家に居るのかい?」


「いえ、家が隣なんで幼馴染みです。小さい時から構って来るんで姉弟みたいなものです」

と、イーゴルは言う。


……うーーん? これは僕が言って良いことじゃぁ無いよな。モネさんは幼馴染みのイーゴルを心配しての事だったのか?

てっきりイーゴルを好きで付き合っていると思ったんだけど……


「モネさんに、付き合っている人は?」


「さぁ?…………俺の事は聞いて来るけど自分の事は言わないんで知らないです」


「………………どっちだろう?」


「何がですか?」


……結構自信たっぷりにナガミさんの所へ紹介状を書いたけど、疑いにしといて良かった。トッポ先生には後で謝らないと……恥ずかしいぞ……モネさんは否定も肯定もしなくて紹介状を持ち帰っていたけど、心当たりがあるのかなぁ。それがイーゴルなのか、違う相手なのか。


悩んで唸っているルディーを見て、2人がどう思ったのか、


「ルディー先生は、モネみたいなのが良いのか?」


「…………はぁあぁ!!」


「だって、モネの話を振って来て、彼氏が居るのか聞いてきて……悩んでいるから……先生はモネに気が有るのかと……思った」

と、イーゴルが言ってくる。


「違うよ! ただ紹介状を書いた責任を感じているんだよ」


「紹介状?」


「そう、モネさんが医院に来た時に顔色が悪かった。

僕が診察をしようかと聞いたんだが、断られたから違う所を紹介したんだよ。

紹介状を受け取ったから、診察して貰ったのか心配なだけ。

イーゴルに関係有るのかと思っていたんだけどな。

どうやら違ったみたいだな。勘繰って悪かったな」

と、ルディー医師は伝え謝る。


「…………」

「それじゃぁ、先生の手伝いを……」

「待って! 僕の手伝いとかはアンディさんにと言うより、ランディとプーに許可を貰ってくれ、僕は手伝いが居ても居なくてもどちらでも良いんだから」

と、カミールとイーゴルの反応よりも、ルディーは被せて言葉を潰した。



カミールとイーゴルはルディーの条件を呑んだ。各々時間の有る時に許可を貰いに行くと言ってきた。


2人の本気さに複雑な思いもするが、アンディさんに同世代の人間関係も必要だと、思い当たる。


……今日のアンディさんと再会して思ったのは、16歳と本人は信じているようだが凄く落ち着いている。

他人との接触に慣れていないが、物怖じせずに対応している。

聞かれていないことは、口にしない。

僕の回りの女性は聞かれていないことでも率先して話して来る人ばかりだからか、聞き方に此方が迷いが生じる。 悪く言えば、患者を相手に話している感覚に似ている。探りながらの問いに自分の職業病を実感して少し落ち込む。

アンディさんと話をするためには、ランディとプーの協力がなければ成立しないことが、カミールとイーゴルの話で分かった。

何かと謎と問題は有るが、アンディさんのこの先の事を思えば、僕だけで囲んで良いわけでは無い。

ランディとプーを誑し込めば、世間を知らないアンディさんが嫌な思いをする事に成りかねないし……今の状態で言うなら僕がその一員に成りそうなのか?…………


グダグダと自問自答しながら家に付けば、教会で良くしてくれる職員が玄関前に立っていた。


「マチルダさん?」


「あっ! ルディーさん、こんにちは」


「どうしました? 僕に用事でもあります?」


「いえ、街の方に出たついでにルディーさんに会いたくて、ポルカ医院に寄ったのですが、今日はお休みだと看護師の方に伺いました。

その方が、お休みなら教会にいらっしゃると教えて頂きましたが、今日は教会の図書室にいらっしゃらないのは存じておりましたので、街の人に聞いて此方まで足を延ばしたのです」

と、いつもの教会の会服の姿で、事情を言って来た。


……その姿で会いに来るって? 公な事で私事ではないと?


「マチルダさんも街に出ることがあるんですね。往診で街の中をよく回りますが、教会の人に会ったことが無かったので驚きました」

と、ルディーは教会でしか出会わない筈の職員に少し探りを入れる。


「あら? 私はこの街の人間ですよ。他の職員は、王都からの派遣ですが、だから私は小さい時からポルカ医院にもお世話になっております」

と、マチルダさんは説明をする。


「そうだったのですか? 僕はマチルダさんとは教会が初対面でしたので、知りませんでした」

と、ルディーが答える。


「教会で体調を崩しても医院に行くことは有りませんから、御存知無くても仕方有りませんね」

と、マチルダさんは笑顔で答える






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