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ひきこもり森の魔女は、世間知らずでごめんなさい  作者: 緖篠 みよ


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スージィーさんの小屋から帰ってきた来て、少し間があいているが、思っていたより手紙の内容が手強い。


スージィーさん宛に届いた教会預かりの古い手紙から開いて読み解けば、王都の教会本部からの報告と確認明細書になっている。


スージィーさんはポルカ地区の魔女ではなくて王都の教会本部の魔女だったのだ。


スージィー · ボンヴェールが彼女の本名であるのなら、ボンヴェール国の王族の一員になるが、何故か?国の西側のポルカ地区にいるのか分からない。

王族であっても魔女として生まれたのなら、教会に属して魔女として国に尽くす。


ルディー医師は、闇と水属性であるスージィーさんのことは知っているが、闇と風、光と火のような違う力を持つ魔女の事は、何も関わりが無く無知でしかない。


ルディー医師は、魔女の定義を知っていても、身内や友人にも魔女として生まれた者をしらないのだ。


魔女にも地位という種類が有ることを初めて知った。


生まれつき光属性か闇属性を主に持ち、水 · 風 · 土 · 火の属性の二属性を持つのが、男であれ女であれ正魔女。


生まれつき光属性か闇属性を持ち、後に水 · 風 · 土 · 火の属性が覚醒したのが従魔女。


稀に、水 · 風 · 土 · 火属性を主に持ち、後に光か闇の属性が現れる擬魔女との、二つの地位と一つの擬き魔女の三種類ある。


スージィーさんは、手紙の内容で正魔女で、教会本部の所属であることがわかった。


光と闇の属性を持つ者は魔女でなくても正規の手続きで教会に登録されているが、擬魔女を従魔女として登録偽装する犯罪もある。

薬や非人道的な方法で魔女に仕立て上げる実例が、手紙で報告されておりスージィーさんへの報告と相談内容が一年前の手紙だった。


……一般人の僕が知って良いことでもないし、知られてはいけないことだよな……

僕が知っている光属性と闇属性を持っているのは、看護婦のナミと商店街で雑貨屋の娘アルルに、薬剤師のロットの妹 エルが光属性だと聞いている。


他にも要るだろうが、ポルカ地区の全員の属性を知っているのは教会の職員位だろうか。


生まれてから一年後に教会で祝福を受ける。その時に自分の属性を知るのだが、街で産院をしている産婆のナガミさんは、識別測定器を使わなくても取り上げた赤ん坊は、属性が分かるらしく教会での知らせよりナガミさんに聞く方が早いと噂を聞いた。


ルディー医師がスージィーさんの件だけで、ここまで魔女の事を詳しく調べることになったのではない。

薬剤師のロットの話が、妹エルの相談だったからだ。




「ルディー先生、先生は魔女の事に詳しい?」

と、ロットから僕に話が有ると言われてから、3日後にカルテを整理するつもりで倉庫に入っている時に、ロットから声をかけられた。


「えっ? ん~~とね、今ね、正直知らなすぎて勉強しているところ」

と、ルディー医師は正にスージィーさんの事で、魔女の事を知らない事に気が付き、教会に出向き図書室で魔女の勉強を始めたところなのだ。


「そうか…………勉強って?」


「勉強は勉強だよ。教会の図書室に行って、この国の魔女の定義や規律に役目なんかを調べているよ。

ロットの話はスージィーさんの事かい?」

と、ルディー医師は広げたカルテを纏めながら、側に立っているロットに視線を向けた。


「それはそうなんだが、エルの事……だけど……」

と、ロットは言いにくそうに言葉を濁す。


「エル? ロットの妹の?」


「この頃……何か変なんだ……」


「何かって? 兄のロットに分からないことなら、他人の僕では分からないよ。具体的な事が無いのか? 兄妹であっても男と女だし、病気とかだと僕も相談にのって上げれるけど」

と、ルディー医師は答えた。


ロットなら身体の変調不調を、言いにくそうに伝えたりしないだろう。ロットの妹 エルに兄で有るロットが不安を募らせている事があるのだ。


「先生は、僕とエルが兄妹でも双子だと知っているよな?」


「…………」

ルディーが無言で有ることで、知っていると言っているようなものだが、


「僕とエルが双子であることは、別に隠す事でもないけれど、エルが光属性でなければ魔力量が平均であれば、周りからのからかいや中傷もないと思う」

と、ロットは言ってくる。


……本来のロットは、自分の事や妹の事も親しい間柄でもなければ、話題に上げないよな。

ならば、僕に言ってくることが何時もと違う行動だし、僕に弱音らしいことをロットは言わない。


「からかいや中傷って、属性の話かい?」


「そうだよ、先生だろう? 僕とエルが母さんのお腹の中で属性の取り合いで、魔女になり損ねた其々が半人前だと言ったのは!」


「!!?……???!! 誰が言ったの? そんなこと?」


「誰がって! ルディー先生だよ!」


「イヤイヤ、それ? 僕が言ったことになってるの?」


「先生が、往診の時に街の人に言っていたと聞いたぜ」


「…………全く記憶にない。でも記憶には自慢じゃないが、良い方なんだが……本当に? 僕なの?」


「……僕の前で言ったことじゃないけど、エルが聞いてきたことだよ!」


「……でもそれは可笑しいよ。確かに今の段階では魔女の勉強をしているけど、医学的な知識が有る僕がロットやエルを中傷するような事を言う訳が無いと思うのだけどなぁ」


「なんだよ、指摘されて誤魔化してんじゃないぜ!」


「確かに産科は僕の専門外では有るけれど、ロットとエルは二卵性双生児なんだよ。それを知っている僕が、ロットやエルを半人前だと言うとは思わない。ましてや往診中で仕事をしていたんだったら、噂話の聞き役をしても僕から君達の話をしたりしないよ」

と、専門用語を入れてロットに説明する。彼は職業意識が高いから、理詰めで持っていく。


「………………」


……元々、僕が噂とかに鈍いとロットは知っている。真実がどうとかでは無いのかも知れない……


「ロットとエルは双子だよね。ロットが水属性でエルが光属性だから、中傷の内容はロットがいなければエルは、光属性と水属性の魔女で魔力量も平均で国から特別な称号と手当てや待遇が受けられたのにとでも言われた?」


「なんだよ! やっぱり先生が言ったんじゃないか!!」


「だから、僕は医学的な知識があるからあり得ないよ。そのまま図星だったのなら謝るけど、ロットの態度や話を聞いて想像が当たっていたようだから謝るけど、中傷したから謝っているんじゃないからね」

と、ルディー医師は奮起して言ってくるロットに負けずに言い返す。


「悪いけど、その話をした人は医学的な知識が無い人だと思うよ。一卵性双生児と二卵性双生児を知らないなんて医者じゃないから。それに属性は親や子供が希望したものが、付く訳じゃ無いからね。

属性は遺伝ではないし、魔力量は正直な所遺伝するらしいけど、此は最近の僕の勉強の結果知り得たことだから、ロット! ロットは僕の話を聞いて判断は?」

と、ルディー医師は敢えてロットに自分の判断を言わす。


「……何となく先生では無いのは、分かっていた……けど」

と、ロットはルディー医師が自分達兄妹を拙劣めいた事を言っていないと感じていたようだ。


「誰が言ったのかは、分からないけどロットのお母さんは一回の出産で兄と妹を生んだんだよ。

凄いよね、大変だった筈だから自慢してもいい」

と、ルディー医師は、ロット兄妹の母親を称える。


「で、エルがその話を聞いて精神的に堪えているのか?」


「あぁ、母さんと僕を避けて落ち込んでいるんだ。エルは光属性だけど僕より魔力量が少ないから……」


「それは、エルが努力しなかったからだ」


「えっ? 何にを言っている? さっきは、遺伝すると言ったじゃないか!」


「遺伝は遺伝だよ。同じ父親と母親から同時に産まれたロットとエルが一年後の祝福で先ず属性を伝えてもらってから、魔力量を計るよね。魔力量は成長と環境で変わると言われた筈だよ。日々精進しなさいと決まった文句の様に教会の人は口上するからね」

と、ルディー医師は嫌味とも取れる言い方をした。


「ロットは、エルが努力して魔力量を増やす所を見ているのか? 僕はロットが努力して魔力量を増やそうとしているところを見ているから知っているけど?」


「……何か不安定なんだ」


「それは、病気か病気じゃないか分からないから、一回僕の診察に連れておいで、話をしてみよう。ロットも心配何だろう?」

と、ルディー医師はロットに告げる。

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