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こんばんは、緒篠です。


虚弱体質巫女ですが~は続けますが、新しい話にもお付き合い出来ましたら、お願いします。

ボンヴェール国の西側にあるポルカ地区には、ひきこもりの魔女が居ると言う。魔女は対して珍しくないが、ひきこもりが珍しいのだ。


魔女は一般的の人より魔力も多く知識も豊富で、尊敬されてる対象であるから都市にも街にも高い地位で扱われている。


魔女の特性として光の属性か闇の属性のどちらかを持ち、一般の人達が1つしか持たない他の属性を持ち合わせているのが魔女の定義になる。


大抵の人であるなら水 · 土 · 風 · 火 · 光 · 闇の属性を1つ持って生まれてくる。生まれ持つ魔力量は成長と共に止まってしまうが、体格に関係なく魔力量は個人差がある。


ポルカ地区の魔女は闇属性と水属性を持つ極普通の魔女だ。薬学に優れポルカ地区の病院にも籍を置いている。



ある時を境に森にひきこもりってしまった。





「ルディー先生……ルディー先生…………ルディー!! スージィーさんのお薬が無くなりそうだと言っているでしょう!!」

と、看護婦長で母親のサミーノさんは息子で医師のルディーに先程から声を掛けていたが、大きな声を掛けられるまで気が付かなかった。


「ビックリ! するだろう! 職場では先生を付けて欲しいな~~」

と、表情的には起きている様に見えるが、完全に意識は飛んでいたことを誤魔化して、看護婦長に文句を言う。


「あら、申し訳ございません、ルディー先生。

この前からお願いしていたことが全く改善されなくて、医院の薬剤師が私に泣きついて来たのですが……何故でしょう……ね!」


「改善? 何の事? ロットが僕に頼むことがある?」

と、ルディー医師は本気で考えたフリをする。


「ございますよ。今では貴重なスージィーさんのお薬を頻繁にルディー先生が、処方薬に指示するから代替薬にして欲しいと頼まれているでしょう」

と、ポルカ医院の3人の薬剤師と調剤師が揃って院長と主に指示するルディー医師に、書面で依頼しているのだ。


院長は看護婦長 サミーノの夫であったが、趣味の山歩きの時に事故にあい亡くなった。

夫の兄が王都で教師をしているが、名前だけのポルカ医院長である。

経営は昔から事務をしているカカシナ事務長と看護婦長で、医院内を纏めている。


「そっ! それはね……分かっていますよ」


「ロットだって自分の仕事に誇りを持って、ルディー先生の指示を受けてしているのです。ルディー先生が薬の性能や性質に興味が無くても分かりやすく提示している筈です。

どうなんですか!!」

と、看護婦長が医師に詰め寄る。


「ロットには悪いと思っている。本当に……でも……な、同じ効果になる筈なのに違うから……な」


「それはスージィーさんは魔女ですから、ロットだって分かっていますよ」

と、看護婦長は医師の胸ぐらから手を離す。


「スージィーさんのお薬は後どれぐらいで無くなるの? 誰かに取りに行ってもらえば」

と、ルディー医師が言う。


「だったらルディー先生が、取りに行くなり説得するなりすればいいでしょう。

スージィーさんが森に引きこもって6年ですよ。最後の薬の納品は一年前です、心配ですよね先生は?」

と、看護婦長はニッコリと笑顔で言ってくる。


「無理でしょ! 僕一人で行ける訳ないよ!」

と、即座にルディー医師は断わった。


「では、緊急の時の為にスージィーさんの薬は私が管理しますね。ルディー先生は代替薬の勉強をなさって下さい」

と、薬品庫の鍵をチラリと見せて隠しにしまった。


「え~~~~っ! 母さん。スージィーさんの森は私有地だよ。散歩で行ける森じゃないんだよ」


「知ってるわよ。騎士団に頼んで一緒に行ってもらいなさい。騎士団もスージィーさんの薬が無くなると言えば団長さんも誰か付けてくれるわよ。

それに、職場では看護婦長ですので、甘えないで下さいね。先生!」

と、看護婦長は医局室から出ていった。




「なぁ、誰か騎士団で親しくしている団員を紹介してくれないか?」

と、お昼休憩をしている医院内の看護婦や職員と、何故か入院中の患者も声を揃えて、


「「「「いますよ!」」」」

と、声を掛けたルディー医師に答えた。


「えっ? そんなにいるの!」

と、驚きに返事を返せば、


「一番医院に来るのは騎士団ですよ。次に小さい子供にお年寄りですから、知り合いも増えますもん」

と、看護婦のイダールが、お茶請けに出されたお菓子を摘まみながら答えた。


「そうか、僕と一緒にスージィーさんの森に行ってくれる団員を紹介して欲しいだけどな」

と、紹介依頼の内容を説明すれば、


「ホシエダル団長さんなら、頼んだら手配してくれますよ。皆さん気の良い団員さん達ばかりですから」

と、看護婦のヤミーナはさりげなくルディー医師に椅子とお茶を用意して、隣に座る。


「あぁ、ヤミーナありがとう。団長さんにお願いすれば行ってくれるのか…………

ところで最近スージィーさんを見かけたかい?」

と、ヤミーナにお礼を言いながら用意された椅子に腰を掛けて、周りに問う。


「最近はお見かけしませんね。アルルのお店になら買い物に来られているかも知れませんが……」

と、看護婦のナミが、食べたお弁当箱を片付けながら答えた。


「そうか、かぁ……看護婦長が言うには、薬の納品が一年前から止まっているらしくてな。

僕はアカデミーに行っていたから、10年位は会ってないし、薬の納品はロットだから……」

と、正直誰かに代わりに行って欲しくて事情を言ってみる。


「それじゃ……先生が行くべきね。スージィーさんに何か合っても対処出来るのは先生だし」

と、イダールさんはお茶を飲みながら、ルディー先生の肩をバシバシと叩く。

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