PastFile鳩岡 東洋ガンマンを仲間にせよ
俺は桐田怜介。九鬼泰照に殺された半グレのドンだ。
いきなりだが、皆はチーム絵札の幹部がどうやって仲間になったのかは知っているだろうか?それは暴露屋本編のFile29.5黒畑編前編後編を見てもらうとして…
俺がもう一つリーダーをやってるラストジョーカーにも、四人の幹部がいた。
『ガンマンの鳩岡』こと鳩岡明彦。『侍の大安』こと大安琢馬。『スペードマスター水戸部』こと水戸部凌二。そして、『ハンマー使いの黒畑』こと黒畑純紀。
この四人の出会いを語った事はないだろう。
今宵、この俺が、この四人の出会いを語ってやろうではないか。
まず、鳩岡と出会ったのは、幹部の一人、早乙女孝男とチーム絵札を結成し、何人かのチンピラを部下にしていた時であった。
当時、千葉北部でとあるゴロツキ集団、『シャムス』が頭角を表していた。
リーダーは鳩岡。どうやら学生時代につるんでいた不良達と共に立ち上げたという。
鳩岡の得物は2丁拳銃。2丁拳銃のメリットというのはまず一丁の拳銃の二倍という事。一発を牽制用、もう一発を本命にするというトリッキーな戦い方も出来る。
俺はそんな奴らを傘下、もとい部下にするため、千葉北部にやってきた。
奴らがヤサにしているのは廃ビル。俺は部下の三好と四条を連れ、ヤサに入った。
「失礼するぞ」
「なんじゃあ!?」
「勝手に入ってきてんじゃねぇ!ぶっ殺すぞ!」
入口付近にいたチンピラ二人がナイフを持ち突っ込んでくる。しかし、目的は傘下にするため。殺すという訳ではない。
俺はまず、赤シャツの方の腕を掴み、関節を逆の方向に曲げる。
「うぎゃっ!」
「テメェ、死にやがれぇ!」
青シャツの方がナイフを振り上げる。
「遅いなぁ」
俺はそいつの腕を掴み、左手で目潰しをした。
「ぎゃぁ!」
二人が悶えてるうちに、俺達は鳩岡の元へ向かう。
「おーい、鳩岡ぁ。どこだぁ?」
「ボスを呼んでんのかぁ?」
俺の目の前に現れたのは屈強そうなスキンヘッドの男。
「誰だ貴様」
「俺は瀬上源。ここの組織のボスに雇われた傭兵よ」
そう言うと瀬上はダガーナイフを取り出す。
「さぁて、死ぬがいい!」
瀬上がダガーナイフを振り上げる。
「軌道が見える」
俺はすぐさま横に避ける。しかし、それは奴の罠であった。
「見えたぁ!」
瀬上が斜めから薙いできたのだ。
「おっと」
俺は軽く胸元を切られる。
「桐田さぁん!」
「喚くな。これぐらいどうってこともない」
「へぇ。面白いねぇ…」
瀬上がナイフを舐める。
「気持ち悪ぃな…」
「へっ、戦場でこれをやるのが癖なんでね」
「そうかい。なら、コイツも舐めてくれよ」
俺は懐からある黒い球体の物を取り出し、瀬上の顔に投げつける。
「ぼふぁっ!」
それが虚をついたのか、瀬上は避けること無く球体は顔に当たり、煙幕がはられる。
「殺しはしない」
俺は奴の後ろに周る。
「だが、しばらく傭兵活動を出来なくする」
そして、瀬上の腕を掴み、関節を逆方向に曲げた。
「がばっ!」
「もう一回」
そして、もう片方も曲げた。
「いぎゃぁぁ!」
「さて、鳩岡を探すぞ」
「は、はい!」
そして、俺達は何名かがたむろしている所に着いた。
「失礼する」
「あぁん!だれじゃあ!」
「殺してやろうか!」
「待て、落ち着けお前ら」
奥からやって来たのはシャムスのリーダー、鳩岡。
「誰だいアンタ?」
「俺はチーム絵札の桐田という」
「チーム絵札ぁ?何だそれ、知らねぇな」
「まぁ、最近新しく出来た組織だ。知らないのも当然だろう」
「それで、何の用で来た?まさか、傘下に入りますとでも言うのか?」
「いや、その逆だ」
「逆ぅ?」
「金も出そう」
俺が手を叩くと、三好が手に持っていたジュラルミンケースを開ける。
そこには、大量の札束が入っていた。
「ほう…」
「入ってくれないか?うちの組織に」
「そうかい」
すると、鳩岡が右手の拳銃を構え、速射した。
「はっ!」
「ふん」
それは俺のコメカミを掠った。
「なっ、貴様ぁ!」
「落ち着け四条」
「へぇ、傷が出来ても無反応か」
「こんな怪我、もう慣れた」
「そうイキがるのも最初の内だ!」
鳩岡が左手の拳銃を構える。
それに応えるかのように、俺は懐からナイフを取り出す。
「死ねぇ!」
「遅い」
俺は鳩岡が発砲する前に、ナイフを奴の手首に刺す。無論、急所は外して。
「がぁぁ!」
「ついでにそっちも破壊してやろう」
今度は右手を手に取り、手首を破壊した。
「ぐがぁぁ!」
「これで拳銃は使えないだろう」
「くっ、くそぉぉ…」
「なっ、ボスが負けただと…」
「嘘だ、ありえねぇ」
「さて、どうする?死ぬか傘下になるか」
鳩岡は数秒の沈黙の後、口を開いた。
「わかったよ。入ってやろうじゃねぇか」
「そうか。なら、貴様は幹部スタートだ」
「なっ、ボスぅ!」
「いいんだよ。俺はこの人に着いていくと決めたんだ。俺より強いからな」
「わ、わかりました…」
「じゃあ、闇医者に行こう」
「そうだな。手首が痛い」
これにより、『ガンマン鳩岡』は、俺の部下となった。