45話
カレーを食べた後の予定は、レクリエーションである。まあ、適当にボールとか使って遊ぶだけだ。学習とは。
俺は林間学校で使っている施設から、サッカーボールを取り出す。男士はサッカー、女子はドッジボールをするようだ。発想が中学生から変わってなくない?
「はぁ⋯⋯めんどくせぇ⋯⋯」
そうボヤくと、俺の背中に強めの衝撃が。何事かと思い振り返ると、そこにはドッジボール用の柔らかいボールを持った白澤が立っていた。
「ほら、元気出そ!今からサッカーなんでしょ?」
白澤は肩まで伸びている綺麗な黒髪を一つに結び、小さなポニーテールを作っている。目も爛々と輝いており、楽しそうなのが伺える。
こういう女の子のちょっとしたヘアアレンジって、なんかこう⋯⋯グッとくるんだよなぁ。さすが学校一の美少女。何やっても可愛いの流石だわ。
しかし、俺にモチベーションを持ってサッカーをしろと?無理だろ⋯⋯。
「サッカーのどこに元気が出る要素あんだよ⋯⋯。てか何、白澤はドッジボール楽しみなわけ?」
「ドッジボールが楽しみっていうより、クラスのみんなと遊べるのが楽しみなんだよ!天城くんもクラスに溶け込むチャンスじゃない?」
「集団競技は苦手なんだよなぁ⋯⋯」
俺はどちらかと言えば、テニスや卓球などの個人競技の方が得意だ。サッカーやバスケで良い思いをした記憶が無い。
「へぇ、そうなんだ。いつも自分のこと成績優秀!運動神経抜群!才色兼備!みたいに言ってるのに、サッカーとかは苦手なんだね」
「なんか知らんが、パスとかがこっちに回らねえんだよ。だからつまんねえ」
そう。別にサッカーもバスケもゲーム自体が苦手な訳では無いのだ。ただチームワークというか、そういう事において俺はとんでもないデバフが掛かるんだよな。ワンマンプレイでもある程度は勝てるんだが、ある所からチームから除け者みたいになる。
その事を白澤に伝えると、白澤は口をひくひくさせながら苦笑いしてた。なんで?
「天城くんはまずチームプレイってものを意識しようか⋯⋯」
「まぁ流石に本格的に部活やってるやつだと、俺と同じくらいまでは出来るからな。ワンマンじゃ限界あるし、チームプレイって意見には賛同するんだが⋯⋯。なんで俺だけ仲間外れにされるんだ?」
「普段の行いなのかなぁ⋯⋯?あ、そうだ!応援するついでに、なんで仲間外れにされるか見ておいてあげるよ!」
「別にそんな事しなくても良いんだけど⋯⋯?⋯⋯はぁ、分かったよ。なるべくチームプレイを心がけてみますよ」
なんだか面倒なことになってきたな。
ただ今回の相手クラスは、例のカスサッカー部員がいたクラスだ。折角白澤も見ていてくれるみたいだし、ここは格好よく勝ってみるとするか。
はは、俺も案外ちょろいな。白澤が応援してくれるって聞いただけで、こんなにやる気になるんだからさ。




