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26話

 参考までに、好感度看破(ラブラブ・ジャッジ)の数値指標を示しておこう。


 まずはプラスマイナス0、つい最近の高木から曽根山への好感度と同じ数値だな。これは好きでも嫌いでもなく、無関心だったりそもそも存在を認識していない状態だ。最もフラットな状態である。


 次は-1~-10と、+1~+10。この辺は0と誤差の範囲といえる。肩がぶつかったとか、物を拾ってもらったくらいの出来事で変動する程度の好感度であるため、気にしなくて良い。


 -11~-30、+11~+30。この範囲は好感度が安定しない数値になっている。+30くらいまでなら、ちょっとした事で簡単に好感度がマイナスまで落ちるし、-30でもそれなりに助けになることをすれば好感度をプラスまで回復させることが出来る。安定はしないが、代わりにリカバリーも効くのがこの範囲だ。


 ここからが問題で、-31~-70と+31~+70の範囲だ。男は馬鹿でチョロいから問題ないが、この範囲のマイナス感情を抱いている女はかなり厳しい⋯⋯というか、無理だ。プラスに転じることは無い。女の方の好感度が-31以上の場合は、基本的に男の方に諦めを勧めている。

 もしここまで行くとリカバリー出来ないため、曽根山が下手に高木と話した結果、あいつの駄目な部分が顕になってこの好感度にならないよう会話を禁止しているのだ。

 逆に+31以上なら脈アリと言っていいだろう。


 そして-71~-100、+71~+100。-65より悪い好感度を見たことがない(つまり、水瀬先輩の諸田くんへの好感度が今まで見た中で最も低い好感度だ)が、たぶん親の仇とかトラウマ対象とかが-71以上になるのではないだろうか。+71以上は、恋愛感情を抱いていることになる。

 諸田くんから水瀬先輩への好感度+95というのは、普通なら出来たてカップルのパートナーへ向けるレベルの好感度だ。少なくとも、好感度-65の相手へ向けるのはどこかおかしい。


 チラりと木崎の方を見ると、木崎もとても嫌そうな顔で諸田くんを見ていた。どんだけ嫌われてんの、諸田くん⋯⋯。はぁ⋯⋯。


好感度看破(ラブラブ・ジャッジ)!』


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 木崎姫華 → 諸田平二

 好感度:-57


 諸田平二 → 木崎姫華

 好感度:+72

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 いや、だからなんでこうなんだよ!諸田くん節操無いな!

 ちなみに、諸田くんは普通のデブスである。服装も清潔感のカケラもない。肩についてる白いの、多分フケなんだよなぁ⋯⋯おえ。


 とにかく、一緒に来ている二人にとても嫌われているのに、二人共に恋愛感情を抱いている異常なデブスと鉢合わせたようだ。どないなっとんねん(エセ)。


「わぁ、姫華ちゃんも来てたのぉ?う、嬉しいなぁ、すごい偶然だよね!」


「そ、そうですね⋯⋯」


 早速木崎にも絡みに行く諸田。どう見ても嫌そうな顔をしているのに、鼻息荒いなぁ⋯⋯。諸田の視線は、木崎の首から下を舐めまわすように動いている。木崎はスタイルが良いので、同じ男としては気持ちが分からんでもないのだが、その視線に気づいたらしい木崎は、より険しい顔つきになった。


 続いて、諸田は水瀬先輩の首元を覗き見る。今日の水瀬先輩はふんわりコーディネートなので、あまり体のラインは出ない。なのでちょっとでも肌が出ている首元、という事なのだろうか⋯⋯。筋金入りだな。


 そして最後に、その二人に挟まれて幸せな時間を過ごしていそうな俺に視線が移った。諸田と目が合うと、先程までとは打って変わって、怯えたような表情を浮かべる。なんだこいつ?


「み、水瀬さん⋯⋯か、彼は誰なの?」


「初めまして、諸田先輩。俺は2年1組の天城裕貴です。水瀬先輩、木崎さんと同じ漫研のメンバーで、今日は懇親会を兼ねてアニメリーゴーランドに誘ってもらいました」


「なっ⋯⋯!?」


 水瀬先輩が答えにくそうにしていたので、すかさず俺から自己紹介をする。すると、諸田は驚愕の表情を浮かべた。そんな驚くところあったっけ?


「み、水瀬さん⋯⋯!ひ、姫華ちゃんと鶫ちゃんが男子苦手だから、って僕の入会を断っていたじゃないか⋯⋯!」


 おうふ、そんな理由があったんかい。木崎が男子に免疫無さそうなのは分かるが、あの白澤が男が苦手???苦手だったら、あんな先輩でも後輩でも男でも女でも勇猛果敢に注意しに行かないだろ。こいつ、そんなに白澤と面識無いだろ?それで「鶫ちゃん」って呼んでんのヤバくない?


 恐らく、諸田は漫研に入りたかったのだろうが、水瀬先輩も木崎も諸田が嫌いなため入会を拒否したのだろう。女の子って怖い。でも傷つけない嘘をついているから、やっぱり優しいとも言える。


 水瀬先輩は、諸田の言葉を聞いて顔が険しくなった。あれは⋯⋯怒ってないか?


「悪いけど、諸田くんが放送部でやってること、たくさん耳に入ってるんだ。私はともかく、後輩の姫華を傷つけるようなことをしそうな君を、私たちの漫研に入れるわけにはいかない」


「え⋯⋯?は⋯⋯?じゃ、じゃあ何?そこの天城ってやつなら、姫華ちゃんを傷つけないから許したってこと⋯⋯?」


「そう。今まで諸田くんを傷つけないようにしてたけど、それが良くなかったんだね。本当は、怖がらないで正直に言った方がみんなの為だったんだ」


 えー、諸田放送部で何してんだよ⋯⋯。あと放送部といえば、かつて木崎が所属していた部活だったよな⋯⋯。とすると、木崎は放送部に居た時に何かしら諸田とトラブルがあったか何かで、彼のことをこんなに嫌いになったのだろう。


 俺がそんな事を考えていると、諸田の顔がみるみる赤くなる。一瞬で茹でダコのような顔になった諸田は、突然大きな声で水瀬先輩に怒鳴った。


「なんだよ!?結局顔じゃねーかよ!水瀬さんなら、見た目じゃなくて中身で見てくれるって信じてたのに⋯⋯!あんなに優しくしたのに、あんなに貢いでやったのに!結局、水瀬さんも顔で男を選ぶんだな!?」


 おいおい勘弁してくれよ⋯⋯。この狭いフロア内で、諸田の怒鳴り声はかなり目立つ。ああほら、スマホ構えて勝手に撮影しようとしてるじゃん。諸田はともかく、水瀬先輩たちの顔までネットに晒されるのは不味い。


 とりあえず俺は水瀬先輩と木崎を後ろに隠すと、人差し指を諸田の口の前に持っていく。何が悲しくて、こいつの臭い息を指で浴びなければならないのか⋯⋯とも思ったが、ひとまずこの場を収めるのが先決だろう。


「一旦、外出ましょうよ諸田先輩。あそこのアニメシャツ着た男と、そこにいる太ったメガネの女、あとあのバーコードハゲが俺たちを勝手に撮影してます。晒し者になりたくなかったら、さっさと外行きましょう。

 あと言っとくけど、お前たちの名前も顔も分かるからな。ネットにあげたが最後、田中敦也と中村花子、村田一郎⋯⋯お前らを確実に晒し返すからな。分かったら今すぐ消しやがれ」


 無断撮影野郎共に聞こえるよう大きな声で宣言すると、彼らはスマホを見えるようにして目の前で動画を削除した。まあ、いつでも復元してネットにあげられるだろうが、見つけ次第俺が一瞬で撮影したアイツらの顔写真と共に本名を世間にばら撒くまでだ。

 なお、本名の特定は好感度看破(ラブラブ・ジャッジ)を利用している。それぞれ3人同士の好感度を数値化して、好感度表示の際に現れる名前を見て判断した。これが恋の神業(ラブ・スキル)の悪用である。神様にバレたら面倒だから、黙っておこうね!


 ちなみに、好感度看破(ラブラブ・ジャッジ)は視界に入っている者同士の好感度を見る技だ。ここにいない白澤と目の前の諸田の好感度は見ることが出来ないから注意してくれよな!誰に?

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