6.カインの部屋で
この世界の一日が終わらない件について…
早く進めたいので続きが書けたら投稿していくかも…!
昼食は学食か自室のどちらかで取る。
(学食にステラ様を誘って詳しく聞きたかったのに…)
メリオラはマリアの発言を聞いてステラと同じく違う世界から来たのだろうと考えていた。それを伝えておいた方がいいと考えたのだ。
(まぁ、ステラ様は後ほどでも大丈夫でしょう。)
男子寮の前へとたどり着いた。そして立ち止まる。
男子寮に令嬢が入るのはどうなのだろうか。
しばらく悩んでいると、後ろから声をかけられた。
「メリオラ。こんな所で立ち止まって何してんだよ。」
ジードだ。メリオラはジードが声を掛けてくれたことに少し安堵する。
「カインに呼び出されているんだが、一応私も令嬢だ。男子寮に令嬢が入るのはどうなのだろうかと悩んでいたところでな。」
「あー、そうか。それは殿下も考えてなかったんだろうな。まあいいんじゃねえか?メリオラの事を知らない奴は男と勘違いしてたし、大丈夫だろ。」
それはそれで傷ついた。メリオラだって令嬢なのだ。男と勘違いされて喜べるものではない。
しかしそれも自分の言葉遣いと服装のせいだと言い聞かせる。なにせメリオラはズボンを履いているのだから。令嬢がズボンを履くのはありえないとされている事だが、女性騎士はズボンが殆どで逆にドレスが珍しいくらいだった。
「じゃあ遠慮なく行くとするよ。」
「あ、俺もついて行く。」
私ががっくりして行こうとするとついて来てくれる。
ジードも気を使ってくれているのだろう。
カインの部屋の前へと来たのでジードは自分の部屋へ戻って行った。
ノックして声を掛けると中からカインが出てきた。
「入って。」
「失礼します。」
ひぇぇ、こっわ。
「……。」
あの、無言やめてもらっていいですか…。
座ってからずっと無言が続いてメリオラはその空気に耐えられなかったので話しかけることにした。
「あの、カイン…?何を怒っていらっしゃるのかお聞きしても宜しいですか?」
「怒ってない。」
「いやいや怒ってるでしょ!」
「怒ってない!」
「じゃあなぜそんなに機嫌が悪いのですか!」
「それは…」
カインは口篭る。
「それは?」
「許せないんだよ。私だって男だ。護るべき女性に負ける自分が許せない。」
「なんだ、そんな事か。」
「そんな事って…」
メリオラは単純な事で悔しがってるカインに拍子抜けしてしまった。
「だって経験が違いすぎますもの。カインは剣以外に勉学もやってきた中で、私は剣だけですのよ?たまに魔法もしましたが、それでもカインよりも長い時間集中的に教えこまれているのです。勝てなくて当然ですよ。逆にそれで負けてしまっては私は見せる顔がありません。」
「そうだとしても……」
それでも気にすることがあるようだ。カインにもなにかあるのだろう。
「そんなことより、先程の剣術の授業の事だ。」
「?」
「なぜあんな事したのか説明して貰おうか。」
「あんな事?とは?」
「とぼけるな。君がマリアにした行動だよ。腰に手を回したり顔も近すぎだ。」
あぁ、あれか。
「腰に手を回したのは逃げれないようにするためです。顔を近づけたのも同様に。…やりすぎたとは思っています。」
「逃げれないように…」
そう言ってカインはこちらへ近づいて来ると、私を立ち上がらせて腰に手を回してくる。
回してくる腕もぶつかる体も筋肉がしっかりしている。色々意識してしまって、不覚にもドキドキしてしまっている自分がいる。
「か、顔が近いです。」
私が顔を逸らそうとすると顎を掴まれる。
「?!」
自分でも顔が赤くなっている事が分かる。自分の心臓の音がうるさくて余計に恥ずかしくなってしまう。
「リオ…。このまましちゃダメか?我慢できなくなってきた。」
その言葉で余計に赤くなってしまう。
「ダメです。」
「ずっと我慢してたんだよ?君と婚約してから4年間。見てる事しか出来ずに、会いに行かせて貰えなかった。ようやく会えたのに君はモテるし距離もなかなか近づかない。」
メリオラ的には相当距離が近づいたと思っていたのだが、まだ離れていたのだろうか。と、考える。
メリオラは距離の感じ方の違いこそが距離が離れている理由だということに気がついていない。
カインがメリオラの頬をそっと撫でる。
「リオ。唇だけでも、ダメかな?」
「…唇だけなら。」
カインの目と自分の心臓に負けて承諾してしまう。
「目。瞑って?」
言われた通り、目を瞑る。
唇に暖かく柔らかいものが重なる。しばらくしてはむはむされ始めたので恥ずかしくなって離れようとする。も、腰に回された手に邪魔されて離れることができない。
「逃げれないように…だよ。」
悪戯っぽく微笑むカイン。
そしてもう一度唇が重なって、次は口の中に何か入ってくる。
「!!」
息ができないのに気持ちよくて力が抜けてしまいそうになる。
その時、扉を叩く音がした。
(た、助かったぁ)
唇が離され、カインが不機嫌そうに返事をする。
メリオラは慌てて離れて椅子に座ると同時にジードが入ってくる。
「殿下。そろそろ校舎に戻らないと午後からの授業に間に合いません。ってメリオラもいたのか。時間厳守じゃ無かったのか?」
「今から行く予定だったんですよ。行きますよカイン。」
メリオラは恥ずかしさを隠すようにカインの手を掴んで部屋を後にした。
カインの耳が赤くなっていることに気がついたのはジードだけだった。
実を言うと乙女ゲームの本編はまだ始まってません!
攻略とか…いろいろあるんですけどねぇ…。これからですよ。これから。
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一日複数話投稿するかもです。毎日20時に1話投稿は変えません。違う時間にも投稿されるだけだから…!
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後から読んでみて文章に違和感ありまくりだったので1話から順に変更していこうと思います。内容は変わりませんので悪しからず。
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