20-③.
今回も短めです。
すみません…
次に来たのは食堂だった。
この学園は寮制でないため、ほとんどの生徒がここで食事を摂る。
一部の生徒は昼食を持参して来ていたり、下町に食べに行ったりするのだそうだ。
メニューの中から適当に選び注文すると、それを受け取りルクの姿を探す。
ルクは先に受け取ったらしく、既に窓際の席に着いていた。向こうもこちらを見つけたらしく、手を挙げた。
「御一緒してもよろしいでしょうか」
「ああ。かまわないよ。」
一緒に行動していたのだからこの会話は必要無いと思うだろうが、実は重要だったりする。
少々周りの目が気になったので、当たり障りのない会話をしつつ食事を摂ると、私達はすぐに食堂を後にした。
「すまないな。うちはあまり留学生を受け入れていないから、留学生を珍しがっているんだよ。」
「大丈夫です。まぁ、早く慣れてくれるといいなとは思いますけど。」
私が言うと、ルクは吹き出した。
「普通思ってても言わないでしょ。君は少し変わっているね。」
失敬な。
「ルク殿下も、御令嬢の前で吹き出すのはどうかと。」
お互い様です。と、付け加える。
教室へ戻ると、まだ午後の授業まで時間があるらしく、戻っている生徒は少なかった。
次は魔法基礎の授業なので、そこまで気にする事はない。基礎はすべて分かっているからついていける。実技も同様だ。
問題なのはその次。
この学園には社交ダンスの授業がある。
何が問題なのかと言うと、マリアがまだダンスをマスター出来ていない事だ。酷い訳ではないが、相手がサポートできる人でないと踊れないのだ。
問題なく魔法基礎の授業を終えると、マリアがこちらへ来る。
「リオラ。ホールまで一緒に行きませんか?」
「もちろん。私達ホールの授業がわからないから先生の所へ行った方が良さそうね。」
そう言って席を立ち上がると、ルクが声を掛けて来た。
「メリオラ嬢、マリア嬢。よろしければ移動を御一緒しても構わないだろうか」
どうやら案内をしてくれるようだ。
「ええ。私達、ホールの場所がわからなかったのでありがたいですわ。」
「よろしくお願いします。ベルダ殿下。」
そして、私とマリア、ルクの3人で移動を開始した。
内心は動揺しかしてないけどね!
マリアはこの人が皇子だって知ってたのに、私は知らなかったんだもん。動揺するよね?
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