19.
なんか文章書き方が迷子になってきました。
「もー、頭がパンクしそう!!」
珍しく、冷静なメリオラの叫び声が響き渡った。
「姫様。留学するのであれば、こちらの国の言葉を覚えてもらわねばならないのです。長期休みももうすぐ終わり。それまでにすべて出来るようになってもらわねば、困るのは姫様なのですよ」
メリオラに注意するのは、侍女兼専属講師のレイダ。ウェルニア語も話せるからという理由で選ばれた。
「ふふっ」
その光景を笑う者がいた。
私に与えられた部屋で優雅に座ってお茶を飲んでいるのはマリアである。
「マリアは?!どうしてマリアはこんな言葉話せるの?!!」
「私の転生する前にいた国で習った英語と全く一緒なんですよ〜。前世で頑張って英語覚えてて何のために使うんだー!って思ってたけどきっとこのためだったのね。あと少しですよリオラ、頑張れ!」
つらい。涙出そう。
「マリアァァァ…。」
「ふふふっ」
嘆くメリオラを見て再び笑う。
「なんか今まで見てきたリオラとは違いすぎて面白いです。こっちが素なんですか?」
その問いにメリオラは笑みを零した。
思い出されるのは2ヶ月前、初めてカインに会った時の言葉。
「リオラ?」
「そう、だね。どっちも素だけど、こっちの方が気楽なんだ。本当は『僕以外には見せるな』って言われてたんだけど…カインの奴が悪いのよ、突き放すようなこと言うから…」
「カイン様が理由だったんですね」
マリアはクスクスと笑い続ける。
「でもいいの!もう自由にするから。」
「リオラ、本当はカイン様が連れ戻しに来てくれるの待ってたりして…」
グキッ
そんな音が響いたように2人は錯覚した。
メリオラは無言で俯く。
「リオラ…本当、なの、、、?」
メリオラは無言である。
「あははっ、あはははっはっ、あー涙出そう。」
「マリア様、笑い方がはしたないですよ。」
レイダは笑いを堪えながらマリアに注意した。
「だって、だってさ、あははっ、リオラ意外と乙女なんだね。王子様のお迎えをお姫様。あははっ。うん。良いと思う!」
揶揄うマリアにメリオラは顔を膨らませる。
マリアのバカ!そう叫ぼうとした時である。
「へぇ、姫は私を選んでくれた訳ではなかったんだ。」
「ヒッ、」
冷たく響く低い声。
背後に感じる冷気に思わず息を飲む。
「セラ…?」
振り向くと、にっこりと微笑む美人すぎる男。
「姫が嫌がると思って閉じ込めないでいたんだけど…あいつが来るなら閉じ込めた方がいい?」
「あ、あのね、セラ。私は、セラの事を見ようとしてるよ?だから残ったんだよ?」
メリオラ声が震える。
まるで浮気現場を目撃された旦那のようである。
いつの間にかマリアとレイダはいなくなっている。
「ねぇ、姫。私ではダメですか?姫が会ったのは向こうが先かもしれない。だけど、私だって負けないくらい姫が好きなんですよ」
「セラ…」
メリオラは俯く。その顔を持ち上げ、前髪を親指で流すと、セラはその額に唇を落とした。
「私は無理に奪いません。姫に振り向いてもらってからしたいですから。」
そう言うとセラは部屋を立ち去った。
「無理に奪いません。か…」
残されたメリオラは、誰に告げる訳でもなくぽつりと呟いた。
体操座りをして顔を埋める。
「私にはわからないよ。こんなこと今までなかったんだ。」
メリオラは思いを告げられる事に慣れていない。
だからこそ、自分の中にある感情が何なのかわからずにいた。
カリオンにある学園の高等部へ通うまで2週間。
その間にメリオラは、なんとか言葉を習得し、ダンスや礼儀作法を学んだ。
ダンスや礼儀作法は、貴族として習ってはいたので、メリオラにとっては苦痛ではなかった。
どちらかと言えば、平民出身のマリアが悲鳴を上げた。
そして登校前日の夜。
「あ"ーーーーーー!!」
マリアの叫び声が響き渡った。
「リオラァァァ!カリオン王国も乙女ゲームの舞台だって事、すっかり忘れていましたァァァ(泣)」
おとめげーむは何処までも繋がるようである。
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