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焼き魚

ブクマ有り難うございます!

「メルディィィィイイイ!!」



メルディがミミットベアに攫われてしまった。

しかも気持ち悪いとか言われたショックにファインは膝をつく。


あの顔は本当に引いたような驚いた顔だった。

探したのが迷惑?でもその前は嬉しそうな顔をしていたし…まさか兄に挨拶?ミミットベアと駆け落ち?

いや、まだ若い!嫁行きは早い!魔物は認めないぞ!というかそんな問題じゃあなぁぁあい!!


膝をついて唸りながら四つん這いになりながら震え始めるファインにリュートは本当に冷めた目で見ていた。

さっきたまたま会った猟師だと言う男もどこか引いている。


「あのさ、打ちひしがれてる暇なんてないでしょ。行くよ、まったく。」


「あ、あの〜、貴方方はいったい…。」

ファインのシャツを引っ張って立たせていたところ猟師の男が怯えるように聞いてくる。


「俺達は――」

ファインが口を開いたところでリュートが前に出て目配せをして来たから任せた。

「僕達は近くの屋敷で働いてる小間使いのリュート。こっちはファイン。さっきの女の子はファインの妹。

貴方は猟師なんですよね?ミミットベアが何処に向かったか解る?」


「そうなんですか…。ミミットベアの縄張りの範囲は判りませんが、確か巣を中心に動いてます。

今は子育て中みたいなんでそんな離れてないと思いますよ。

…ただ、子育て中のミミットベアは特に危険です。人里近い場所にいるなら退治しないといけない。

ファインさん、どうかお力添えをいただけないでしょうか…?」


真剣な表情で頭を下げる男性にファインはリュートを見たあと何も言ってこないのを確認する。

「良いぞ、妹も連れて行かれたし。助けないと…。ミミットベアについて聞きたいんだけど良いか?」


「はい!何なりと!」

男は嬉しそうな顔で頭を上げて揉み手までする。

ファインはそんな(へりくだ)る言い方をする男に疑問を感じたがそれ以上は考えなかった。


「子育てって言ったな、アレはメスか?」

「え?はい、そうです。」

「ミミットベアって人間食べる?」

「襲われる話は聞きますが食べられた話は聞いたこと無いですね。でも雑食だと聞きます。子煩悩が強く、子供の近くに行って襲われる事が多いですがそれだけです。

ただ、重傷負ったあとにウルフに狙われるとかで無事では無い者が多いですが。」


ファインは考えたあと、もう一つの疑問を聞いた。

「でも、妹はミミットベアの腕に乗ってたぞ。

子供も近くにいたようだけど懐いてるようだった。」

あんまり慌ててない理由は無事な姿を見れた事が大きい。ちょっと取り乱したけど…。

しかしリュートの質問には肝が冷えたが保存食として連れて行かれた訳でない事が解って良かった。


「恐らくですが妹さんが攫われたのは子育ての延長だと思います。」

「え?」

「は?」

二人同時に声をあげる。男は言い辛そうに言葉を続けた。

「多分ですが自分の子供と認識したんじゃないかと…。その場合連れ帰るのは困難で親を殺さないといけないです。ミミットベアは子供を決して手放さないので。」


ファインは唖然とした顔で猟師の男を見る。

猟師の男は更に最悪な予想を口にした。

「もしくは、交配相手に選ばれたか…ですね。

ミミットベアがそうだとは判りませんが、魔物の中に人間を攫って交配相手にする種もいます。

まぁその場合人型をとれる種が多いですがね。ミミットベアの生態は数が少なく、ミミットを狩りはするけど生態までは確認してないんです。」


「メ、メルディィィィイイイ!!」




…………

………


パチっと火が弾けて焼けた魚のいい匂いが立つ。


お〜良い感じ良い感じ〜


魚を感電させて捕えた後、試行錯誤したが現在焼き魚にすることに成功させつつある。

魔法も使いようだね、超便利!


雷の魔法が大活躍だ。覚えれて良かった!


魚を獲る為に川に入って全身ずぶ濡れになった後、開けた場所で円を描いて石を積み上げL字に囲って簡易カマドを作った。


近くに落ちた乾いた枝を選んで雷の魔法で火を起こし火をおおきくしていく。勿論夾竹桃(きょうちくとう)があるか確認してから拾った。死にたくないからね!

そしてカマドの石を選んでいた時に発見した平たい石をカマドの火の上に設置して簡易的な鉄板の完成だ。


一応川で洗ったけど、この際衛生面なんて二の次だ!知るか!焼けば大丈夫でしょ!今はご飯が大事!


火が安定してきたら鉄板代わりの石が焼けるまで放置。その間に魚を洗う。

せめて内臓は取り出したい。

寄生虫いたらやだし、水っぽくなるし、苦味出ちゃうし……。そこで氷の魔法でナイフを創ってみたら成功した。片面だけ包丁みたいな形にして持ち手は適当に棒にしただけの簡易的な物だ。

適当にフンフン鼻歌歌いながら腹を捌いて川で内臓取り出し洗う。そして焼いてる石の上に置くとジュワーっと良い感じの音がした。

うっひょーい


何となくミミットベアの方をチラッと見る。


さっき木の枝を集めてる時は後ろに居て追ってきてたけど、今は近くで火を起こしているからか巣の近くで木の実?を食べていた。

でもミミットは私の近くで興味深そうにチョロチョロしてる。だから近くに来たら頭を撫でてる。


猫はずっと洞窟の入口で見張るようにコッチを尻込みしながら見ている。何処かに行く気配は無い。

どうも知能がありそうなんだよねー。この世界の動物って皆頭良いのかな?

魚焼けたらまずはあの猫にあげよう。


パチパチと魚の脂が水分と一緒に石を伝って下に落ちると火が弾ける。

一応皿の代わりに大き目の葉っぱを見つけて数枚持ってきているから準備万端だ。

葉っぱの包み焼きも捨て難いが固定するものが無いから断念したがいつかチャレンジしたいと思う。


長さは揃ってなくて使い難いけど箸代わりの枝で魚をひっくり返す。石に皮が張り付いて捲れてしまったけど、魚の焼ける匂いと綺麗な白身が美味しそうだ。塩ほしい。


ミミットも隣で鼻をひくひくと嗅いでいる。

ミミットって魚を大丈夫かな?兎っぽいけど魔物らしいから生態違うだろうし。まぁ食べたがったらあげよ。


魚の身を枝でほぐして中を確認する。

頭の方も水分飛んでパリッとしてるし大丈夫でしょ。

枝を二本掴んで頭と尾を持ち上げて、そっと葉っぱの上に上げる。


かーんせーい!

ほぐした場所を広げて息を吹き掛けて冷ます。

一口くらいの身を隔離して食べるとあっさりとした淡白な味がした。塩欲しい。でも美味いわ。

木の枝でほぐしていき、骨と身を分けるように移動させる。途中ミミットが腕に乗ってきて催促して来たんで一口あげたらもっと欲しがってきた。気に入ったみたいだ。でも後でな。


まず猫だ。一応魚をあげる時は骨を食べないようにしないと駄目だからね。ほぐしてっと。


良い感じに骨を退けて猫の元にまで行く。

猫が逃げようと足を出す場所まで近くに行き、葉に乗せた魚を置く。

「これ、良かったら食べてね。ちゃんと味見したから…じゃあね。」


カマドまで戻って新しい魚を焼きながら様子を見ていると目があった気がした。その後匂いを嗅んで確認した後、ゆっくり食べ始めた。良かった!



念の為の豆知識

夾竹桃は調べると解りますがアウトドアで死因によくある植物です。

葉っぱが沢山生えてますが枝は細く真っ直ぐなので箸に使って死んだとか有名な話があります。

葉っぱも燃やすと有害な毒が出てめっちゃ危険です。因みに街路樹でよく見ます。枝を折っても危険なので花が綺麗なので摘まないように気をつけましょう

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