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うさぎ(仮)

沢山の方、ブックマークしてくれて有難うございます!

完走目指しますのでどうぞ長い目で付き合ってくださるととても嬉しいです。


ファインとシスターが何か話をしてた後にシスターから周りの森を走ってこいと指示をしたから返事をして従う。


つまり外周走れば良いのねと森に向かった。

始めて屋敷の外に出たから、どのくらい広いのか解らないが屋敷を見える範囲で森の中を走れば道に迷う事はないだろう。





そう思っていた時が私にありました!!

現在私はなんの動物か解らないけど追われてます!

二足歩行のウサギの頭をした何かに!!


何あれ何アレ!ナニアレェェェエ!!?



アレに出会ったのは数分前だった。



………


森に踏み込んで屋敷を見る。

まだまだ全体が見えないくらい大きいが離れる距離はこんなものだろうと駆け出した。


どのくらい広いか解らないからスタミナ配分考えなきゃな。

ゲーム上の移動はアイコンで行動だから走ってるか解らないけど、他のゲームとかの主人公はフィールドの移動する時ずっと走ってるの今思えば凄いな、と思う。


そんなしょうもない事考えながら、枯れ草を踏み走った。

結構大木もあり太い根や細い根がまるだ罠のように地面から出ている。

何度も転けそうになりながら慎重に走ろうとするがスピードも出ないのに疲れだけ増していった。


というかそもそも森で走る方がどうかしてるのでは?という考えも過ぎるが修行だしねとも思うので文句はない。

何とか効率が良くならないかと頭を巡らせたが思いつくものは何も無かった。

チラッと屋敷を見るとまだ建物の角が見えるだけだった。裏口から出てスタートだから屋敷の半分を進んだ事になる。


全然進んでないと思うべきか、屋敷が広すぎると思っていいのか謎だ。


幸いな事にまだそんなに疲れてない。

子供の体力、若いって素晴らしい!あと元々体力があったのかもしれない。

これなら一周は耐えられるかもしれないぞ!


これは森に慣れて軽々走れるようになるのをまず目標にしよう。ミッションだ!

一人で遊ぶように木の根を踏みジャンプする。


あ〜、爺ちゃんの山を思い出すんじゃ〜。


爺ちゃんの家から車で一時間ほどした場所に山があって、開拓された麓の場所は開けており、そこに畑があったのを思い出す。


母方の父親だった爺ちゃんはとても元気でラジオと拳ほどある鈴を腰につけて山に入っては恵みを山の貰っていた。

そうやって音を出していると熊が避けてくれて遭遇率が減るらしい。

私と弟も一緒に山に入りたかったけど、危ないからと母親に禁じられた。

その代わり爺ちゃんの畑を見せてもらったわけだけど、めっちゃアマガエルが跳ねていて畑よりカエルを捕まえる方に熱中した。

弟と捕まえる数を競ったものだ。


その後爺ちゃんが作った蜂が住む巣箱から巣とか幼虫とか蜂蜜の分離の仕方とか教えてもらい食べたら凄く美味しかったのを覚えている。

因みに弟は幼虫は無理だったようで「女終わってる」とか言われたのも思い出した。


さっきまで足元だけを見ていたけど、周囲の興味が湧いて辺りを見る。

陽の光がすけた広葉樹の葉が綺麗で明るい。

ふと足を止め屋敷の反対側に視線を向けると茶色い動物がこっちを見ていた。


ウサギのような長い耳が警戒するようにピーンとこっちに向き立っている。


か、かわいい!


森の土に同化するような保護色だけど、明るい場所で見るなら難なく見える。

しゃがんでウサギ(仮)と目が合うようにじーっとニマニマしながら見つめていると、ふいっと視線を外され離れていく。


「あ…」

何となくウサギ(仮)の後を追い足が進む。

ウサギ(仮)は、まだそこまで警戒していないのか離れて動くけどニンゲンの歩く速度と変わらなかった。


脅かさないようにそっと付いていく。

何となく観察していたかったから好奇心のまま付いていった。


マイペースに動くウサギ(仮)は足を止めて二本足で立つと鼻をふすふすと動かす。

顔はウサギだけど、何だかミーアキャットみたいだ。かわいい〜。


方向を変えウサギ(仮)はスピードを上げて駆け出した、急いで付いて行くと紫や赤い実が成る木が沢山生えている場所にでた。


木は自分より高くウサギ(仮)は下の方に落ちている紫の実を食べ始める。

私も距離を保って実が成る木に近づく。

木は大人ほど高く緑に繁っており、子供()の親指程ある紫や赤の実が沢山実っていた。

背伸びして届く範囲の紫の実を手にとってパクっと一粒食べる。

桑の実かな?爺ちゃんの家にもあったな。


数個プチプチともいで口に運ぶ、唾液が溢れる酸っぱさの中に甘さがあって美味しい。

片手いっぱいに持ちウサギ(仮)に一歩、また一歩しゃがみながら近づく。片耳がこっちを向いてるが見ていない。まだイケる!

あと3歩ほどで触れる程近付くとウサギ(仮)は食べるのを止めてコッチを向いた。


私は敵意が無いと片手いっぱいの紫の実を見せつけるように前に出し、何粒か自分で食べてから三粒軽く投げる。

ふすふすと鼻を動かし匂いを嗅ぎ、一個一個食べていく。

無くなったのに気付いてこっちを見た。

人が居ないから人に警戒心ないのかな?

また三粒投げるとあっちから一歩近づいて食べる。可愛い〜!

触らせてくれないかな?手から食べてくれないだろうか。


決して邪な気持ちは抱いてないぞ!

と思いながら桑の実を持った手を下に下げた。


ウサギ(仮)は警戒しながらも鼻をふすふす動かしながら一歩一歩近付いてくる。

自分の手に鼻がふすふすと動くきながら口元の柔らかい毛やヒゲが当たり実を食べようとした時。


ウサギの顔したカピバラ?熊?と言えばいいのか、兎に角デカイウサギの顔した何かが猪のように突進してきた。


その巨大なウサギは突進して来ながら「キィィィィイ!!」と警戒音みたいな音を鳴らしている。


え!ヤバない?


下で私の手から桑の実をもりもり食べているウサギ(仮)を愛でることも出来ず、どうしようとその場で固まった。


ウサギ(仮)は少し食べ残し後ろに振り向き突進してくる巨大ウサギに向かって行く。

親か、親なのか…。

あの可愛いのがアレになるのか!

ポ○モンの進化並みの衝撃だ!


何となく立ち上がり親ウサギと仔ウサギの動向を見守る。


親と子の鼻をつけふすふすと鼻を動かすと、親ウサギはその巨体で二足歩行に立ち上がり、こっちに走ってきた!!!!こわ!


私は動かなかった体が反射的に脱兎の如く走り出した。

怖い怖い怖い怖い怖い!

腕は熊のように太く、体はカピバラのような硬い毛の寸胴なのに足がウサギのように大きい!

しかも早い!


ナニアレ!追いかけて来たパッと見だったけどかなりデカかったし爪も鋭そうだった!ヤバ!あの子もしかしてモンスターだったのか!?


森の中を駆け出したあの巨体が通り難そうな木の根の間とか下を走って逃げる。


怖い怖い怖い怖い怖い!


始めて感じる命の恐怖に泣きそうだ。

戦えって?無理無理無理!どう戦えば判らんよ!

恩恵使えって?集中出来ないんよ!

使う練習はしてたけど落ち着いて出来る練習と全力で走りながらは無理よ!!


根に足を取られ、走る勢いのまま飛び体ごとスライディングする。泣きたい。

そうしてる間に上の木々がザザザザザと通る音と共に巨大な影が過ぎていった。



………

その頃のファイン


「うおぉぉおぉお!!」

獰猛に声を上げ殺す気で剣を薙ぎ、土の恩恵でシスターの行動を先読みし避けるであろう場所の地面を柔らかくする。


しかしシスターはその場で地面に剣の擦れ擦れに伏せ足払いをした。

咄嗟にファインは空中に逃げ剣の遠心力を利用して空中の一瞬で回りシスターに斬りかかる。

シスターは全身をバネに地で体勢を変え、両足にぐっと力を入れてバネのように跳ねると飛び蹴りの要領でファインの腹部にヒットした。


「グェっ」

ファインからカエルが潰れたような声が漏れて地面に落ち悶絶する。自分の体重と重量がのった所に腹に力の入った両足が入ったのだ。

正直骨何本かと内蔵を痛めていても不思議はない。


ひゅーひゅーとか細い呼吸をしながら腹を抑えて震える。吐き出すのを我慢しているが口からは唾液が垂れた。


「あらあら、今日はここ迄かしら?

でもさっきの動きは良かったです。良い汗かきましたね!また夜にやりますからそれまでに整えてらっしゃい。」


そうシスターが言うと自分を中心に風が舞う。

シスターの回復魔法で腹の痛さが無くなって楽になる。


…ただ無くなった体力は戻らないから汗は止まらなかった。


「ありがとう、ございました…。」


「ほら、メルディを迎えに行きなさい。」

「言われなくとも。」


シスターも汗を流れている。それだけで胸が満たされるような気持ちになった。

ふらりと立ち上がり呼吸を整えてメルディが消えた森に入って走った。


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