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夜の密会(後)

ブクマありがとうございます。

それはつまり、私も子供のように思ってくれてるけど念の為私に騙されてないか…私自身が害をなさないか確認したいわけですね。はい。


まぁポッと出の大問題抱える子供を信じろと言われても信じれないよね。ファインに席を外してもらったわけだ。

シスターはとても感がいい。

正直とても怖い存在ではあるけど味方になってくれるともの物凄く頼りになる人だと思う。

まぁ、子供らしくないなかったし、大体素だったし、気付いてるみたいだし…嘘偽りなく言ったら、味方になってくれないかなぁ…。


めっちゃ希望的観測だけど。


「…確かにシスターの言うとおり、私は過去の記憶を持ってます。お兄ちゃんが本当の兄で無い事も知ってます。」


「…。」

綺麗な透明度の高いエメラルドの目で真偽を問うように見られている。

本当に心まで見透かされそうな目に、足どころか全身震える心地だけど私は続ける。


「でも…私が前世と言える記憶が甦ったのは屋敷が…家が焼けた時でした。

信じて頂けるか解らないですが、私が私になる前の記憶は他人事で、どうすればいいか解らない時にお兄ちゃんが兄と言ってくれたのです。


本当に信じて頂けるかちょっとアレなんですが、私はお兄ちゃんの未来を知ってました。

だからあの時、本当に信用できるのはお兄ちゃんであるファインだけだったんです。


いや、本当信じれない話ではあるんですけど…」


いやぁ〜…ちょっとコレ…自分で言ってて無理あるぞコレ…。

どう説明しても嘘にしか聞こえない!それか創作物!


目を泳がせながらチラリとシスターを横目で見ると、毒気の抜けた純粋な驚きの目をしている。


え?信じたの!?マジで!


「…前世、ですか…。」

「あ、えっと、はい。」


「あらあら、まぁまぁ…。王族の血は不思議なこともあると知ってますが…まさか前世の記憶とは…。驚きました。

精霊の導きはなんとも不思議なこと…。」


は?

信じた事も驚きだけどなんだって?

今聞き捨てならない単語聞こえた気がしないでもない気がするんだけど


「…えは?え、あの…どう言う―…っていうか今王族とか…ふぁ?」


「…」

「…」


二人して目を見開きながら無言で見つめあい時が止まる。


「メルディ?どうして前世でファインを知ったのですか?」


え?あ、それ聞いちゃいますか?

ゲーム、この世界ゲームあんの?

どう説明しよ…。


「…えっと…そう言う物語があったのです。

私はその話が好きで、知ってるならと前世で亡くなった時に神様が私をここに送ったのです。」仕えたとも違うし強制だし不本意だけどね!

て言うか神て!自分言ってて嘘くさ!

頭のヤベー子だと思われない?!


「証明出来ますか?」

「証明?!」あ、一応当たり前だけど信じてなかったんですね!

「証明、証明ですか…ファインルートじゃなくって、ファインのお話で彼が26歳より1、2年経ったくらいに物語から一端姿を消して覚悟を決めてくるシーンがあるのです。

戻ってきた時に持ってる剣の柄が薔薇と蔓のモチーフのレイピアっぽい剣でした!」


これは賭けだけど、ファインあの時師匠であるシスターの元に行って勝ったんじゃないだろうか…多分。

因みにその剣はファインルート攻略したアイテムで攻撃力は最強の剣より低いが追加効果があった特殊な剣だった気がする。


「…色は?」

「え?色?」

「薔薇の色です。」

「あー、確か青、ですね。」


「ふふ…ふふふふ…うふふはははあははは」

「シ、シスター?」


シスターは掛けていたストールで顔を隠して笑いを我慢するように笑っていたが堪えられなくなったように声に出して笑った。

そんなふうに笑ったのを見たのは初めてで、思わず呆然と見てしまう。


「くふふ―…ふふ―んっんん。

えぇ、ふふ…ええ信じます。メルディのこと信じますわ。

あらあら、ふふふ。まさか私が宝剣をファインに授けるとは…一体何があったのでしょうね。

とても興味深い話でもありますね。」


笑いが収まってきて目尻に浮かんだ涙を拭う。

「シ、シスター。シスターあの王族って何故ですか?シスターは何者なのですか?」


ここまで話したんだ、こっちだって斬り込んで良いだろう。

目に力を入れてシスターを睨めあげる。

シスターは今までに無いくらいニッコリと笑った。


「あらあらおかしい事…メルディは私の事を知っているのではないのですか?

王族については、メルディの『闇の恩恵』と指輪を見て確信しました。


かの王が即位されてまだ20年たらず、情報を操作されてるとは言え知ってる人は知ってますよ。

実は、ファインが私に『指輪を貰った』と持って相談してきた時はどうしようかと思いました。」


いつに無く饒舌に話すシスター。

いや!しかし待て!

「相談してきたとは?!もしかしてお兄ちゃん知ってたんですか!?」

「いいえ、知らないと思います。

指輪を持って相談して来たのは高価な預かり物をしたからで、まだ渡さないままで良いと私が止めてたのです。」


なるほど、確かに宝石嵌ってるし見るからに高価だったもんな。


「そうですか…良かった。

あと返事が遅くなりましたが、私はシスターを知らないのです。

…物語には出てこなかったから。

シスターだけでは無いです。リンダもリュートもラルもダリルも…ファイン以外の皆…。


それに物語の初めは、私が15歳になってからでしたから。」


思わず目線を上に上げて明るいライトを見る。

食堂のシャンデリアと同じ素材か、電気とは違う明かるい石。


「あらあら、私も物語に入っていたかったのですが、残念です。


教えても差し支えないですが、警戒されても嫌ですし…そうですねぇ、ヒントを繋いで当ててください。

私は質問に何でも答えましょう。

二人で居る時だけ、私は嘘をつかないと約束します。」


「二人で居る時だけなんですね。」

「えぇ、だって楽しく無いでしょう?

私、可愛い子供達の素直な反応が何よりも大好きなんです。」

「シスターって、愉快犯ですよね。」

「あらあら、ふふそんな言い得て妙な言葉ですね。前世の知識ですか?」

「そうです。私は、前世の知識しか知らないのです。シスター、…色々教えてください。

シスターは私の味方になってくれますか?」


「…私はいつだって、私の可愛い子達の味方ですよ。…そう在ると、私は私に誓いました。」


「…私はそれに入ってるんですか?」


「ええ、メルディは孤児院に来た私の弟子ですからね。」


「それなら、安心しました。」


視線をお互いに交わし笑う。

例え、これから違う未来に行っても後悔だけはしたくない。




細かい話は後日と、シスターと別れて就寝につく。

別れ間際シスターがスイッチみたいなのに手を当てると明かりが消えた。これなんなんだろ。

今日は疲れたけど今度シスターに聞こう。


ふかふかのベッドに潜ると意識がベッドに吸い込まれるような感覚に陥る。

体が休みを欲しがってる時になる感覚だ。


今なら目を閉じればすぐに眠れそうだ。


…うとうととしていると、カチャっと扉が開く音が聞こえて瞬時に意識が覚醒して体が固まる。


とす、とすと絨毯を踏む足音が聞こえベッドの横で止まった。


「…寝たか…。」


静かに降ってくる声は残念そうに落ち込む声。


「…お兄ちゃん…。」

警戒して損したとばかりに起き上がるとファインの体がビクリと跳ね上がった。


「っ!悪い、起こしたか?」

わたわたと謝ってくるが頭を振ったら落ち着いた。


「ううん、大丈夫。うとうとして寝れそうなところだったけど。」

「…ごめん」


「大丈夫だって…どうしたの?」


こんな夜遅くに、前世なら乙女の寝込みを覗きやがってとか文句たれたかもしれないけどファインだからな、多分私が心配で来てくれたのは容易に想像出来る。


「いや、ちゃんと寝れるなら良いんだ。

まぁもしだったら、そこのソファ借りてこの部屋で寝させてくれと頼もうかとも思ったけど…大丈夫と言うなら、いい。」


囁くような言葉も、優しく撫でる大きい手も心地良い。

そう言えば一緒に寝るきっかけって悪夢だっけ。

最近なのに忘れていた。


一緒に寝るのは心地良いけど、ずっとファインを縛り付けるのも悪いし…今は個室だし、一緒に寝る理由もない、か。

ここで離れなければ、また甘えてしまいそう。


「大丈夫、子供じゃないからもう一人で寝れるよ!」


「まだ子供な癖に生意気言うようになって…、寂しくなったら何時でも俺の部屋に来ていいんだからな?…途中からでも来ていいぞ?―おやすみ。」


暗く顔は見えないけど、優しく頭を撫でて離れていくのに…少し、ほんの少しだけ寂しく感じる。


「おやすみ、アニキ。」

「その呼び方はまだダメだ。」


照れ隠しに言ったら間髪入れず拒否られた。

少し空気が軽くなる。


「はーい、お兄ちゃんおやすみなさい。」


「あぁ、おやすみ。メルディ。」


パタンと今度こそ静かな夜、前世よりも高級ほうな布団に一人で眠った。


次回小話挟んでから行動していきたいと思います。

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