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アーンの刑

一週間近く遅くなってすみません。なかなか一人になることが出来ない&パソコン使えないで投稿遅くなりました。来週はいればまた2、3日で投稿できるようになります。


夢を見ていた。前世の夢だ。

私はゲームの画面の前でラフな格好してニタニタ笑っている。

やっているゲームは『ナイト・ガーデン』だ。


私が最初に攻略しようとしたキャラはファインだった。そのせいでトラウマエンドを迎えて発売日の二日後にクリアしたものだから意味解らなかった。サイトには情報ないわSNSで拡散したらコメントで友人に『え?もうクリアしたの?早くない?』と言われる始末。


クリアデーターでもう一度ファインにトライしたら近衛兵エンドに無事にクリア出来てホッとしたと当時に…ファインって二週目のキャラだったんかい!と脱力したのを覚えてる。

言い訳を言うと、ヒロインを甘やかし、ヒロインにガンガンと甘い言葉を吐き、色々残念な兄ファインの信頼度が最初から高くて狙ったら選択肢に出てきて『あ、選べるんだ』ポチッてならない?まさかそのままバッドかノーマル逝く罠だと思わないでしょ⁉


しかも信頼イベントスチルも普通にあるんだもん、親愛イベントのスチルが少ないことは二週目をプレイしてから気付いた、因みに死ぬシーンのスチルは存在する。初回限定バク質悪い!


そういえばファインが命を投げ出す程にシスコンになった理由…確かヒロインが誘拐された事があるからだった。

ゲームでは『昔お前が小さい頃』としか回想がなかったから時期は解らないけど、気をつけなきゃな…。


意識が浮上してごろっと転がる。

柔らかい布団は前世の羽毛布団のようで気持ちいい。

そう言えば転生してからシーツみたいな薄い布しか見てないな…。


パチっと目が覚めると、さらっとした肌触りの羽毛布団、体が少し沈むふかふかのマット、そして孤児院ではない高級そうな調度品がある部屋に私はいた。


バッと厚く柔らかい布団を剥いでベッドから飛び降りる。

え?何処ここ?私どうしたっけ?


ふと下を見ると光沢のある肌触りいい真っ白いワンピースみたいなのを着ていた。こんな服知らない。ていうかいつ着替えた!


混乱しているとカチャリと扉が開く音がして警戒すると、銀のトレイを持ったファインが入ってきて力が抜ける。


「お兄ちゃん!」ここ何処!リンダは?シスターは?教会は?あの人達は?気になったらキリが無い。


「メルディ!良かった…、目が覚めたんだな。

立ち上がって大丈夫か?気分はどうだ?もう一度ベッドに戻れ。

あっ、ちょうどいい腹減ってないか?」


質問にキリがないのはファインも同じだったらしい。器用にトレイを片手に持ちながらこっち早足で来たかと思うと有無を言わずひょいと片手で持ち上げられてベッドの上に戻された。


「う、うん、心配かけてごめんなさい。ところでここ何処?リンダ達は?」


ファインはベッドの近くにあった椅子を持ってきて座ると、自分の膝にトレイを起きそこに乗っていたパン粥にスプーンで掬って私の前に出す。


「まずは食べないとだろ。」


え、えーと…。

ちょっとファインが怖い。


いつも柔らかく笑うファインが今は真剣な目で私にスプーンを突き出している。

私は恐る恐るスプーンを受け取ろうと手を伸ばすと躱されて、また私の前にスプーンが構えられる。


え?このまま食べろと?

ファインが何考えてるか解らない。


「お、お兄ちゃん…怒ってる?」

「怒ってない、早く食べないと冷めてしまうぞ?」

「怒ってるよね?声がいつもより低いよ!」

「大丈夫だ、ほら口を開けて」


スプーンをずずいと口に近づけながら顔に笑顔が戻るが眉根はキリっと上がってる!

なんて器用な!


そしていい匂い…久々にコンソメのような匂いに刺激されてグウゥゥと腹が鳴る。

思わず両腕で腹を圧迫したけど治まらない。


チラッとファインを見るとさっきの眉が上がった状態で口元の筋肉が痙攣して笑いを堪えていた。


これは恥ずかしい、笑うんなら大声で笑ってくれた方がまだマシだクソぉおお!

私はヤケになって目の前の震えるスプーンにパクついて、そのままファインの手から奪おうと引っ張るがビクともしない…だと!むしろ私の歯が抜ける!


私はもう堪忍して力を抜くと新しく掬われた粥が口元に運ばれて来て、それを口を開けて大人しく迎える。

むぐむぐと食べていると、さっきまで眉間に皺が寄っていたファインは「よしよし」と満足そうに笑っていた。


優しい、嬉しそうな…ズルいな、その顔。


そう思いながらお粥を食べさせてもらっているとノックが響いてカチャっと扉が開かれる。

中に入ってきたのはシスターと、あと…鎧着た人二人と50くらいのオジさんだった。誰?


「あら、起きていたのね。」

「シスター…すみません、ここは?」

そしてその人達は?


チラッと見た視線に気付いたのかオジさんは目尻を下げて微笑むように笑う。

白髪混じりだが歳の割に豊かな焦茶の髪を後ろに撫で付け燕尾服をノリの効いたスーツの様にピシッとした身なりをしている。

なんか…既視感を感じる。知ってるっけ?


そのオジサンが綺麗な所作で私に向かって腰を折った。

「お久しぶりですお嬢さん、安心してください、ここは私の屋敷です。

紹介が遅れました、私はマルコ・ジーブと申します。どうぞ気軽にマルコと呼び捨てしてください。」


マルコ…ジーブ?マルコ…マルコ…マルコ!!


思い出した!!コイツゲームのある意味黒幕やんけ!!私を、女王に仕立て上げる黒幕!

えぇ!?今ここで出てくんの?

間に男爵とトリヴィスを挟もうと思っていたけど回想とかで別の機会にします。

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