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誤算

なんなんだ!この子達は!


トリヴィスは、焦っていた。

最初、旦那様より撹乱したあと裏から回って子供を連れてきてほしいと頼まれていた。

今までこんな力技を行使したことは無く、正直全く乗り気じゃなかったけど、この子供を連れて来れば旦那様が孤児院から子供を集めるのを止めるかとも思った。


だから声をかけてみたが…。

やたら旦那様が固執する理由も解ってしまった。


顔の似ている愛らしい相貌の男女の双子、まるで二体で一対の人形だ。男の方はとても年下に見えないくらい頭が回りいい性格している。

それに恩恵について知ってるということは、彼は恩恵を持っている可能性が高い。


そしてあの変わった毛色の少女。

最近旦那様が欲しいと言い出すあの少女は、大変旦那様好みだと思って思わず溜め息を吐いてしまう。


可愛らしい顔だち、青い銀色のまるで流れる水のような硬質な色をしていながら肩で緩く波打つ珍しい色の髪。

そして夕焼けが混じった夜の色。


これは欲しいと言うはずだ。

こんな誘拐してまでとは驚いたが、跡取りになりそうな賢い恩恵持ちの少年と顔がそっくりの少女。そして同じくらい顔が良い珍しい色彩の少女。なんで孤児院にこんな子が固まってるんだか…。


計画は途中まで上手くいっていた。

表の教会を恩恵の特殊な炎で燃やし、簡単には消えない炎を放つ。


予想通り辺りの人が集まり消火に向かう時に騒ぎに乗じて数人が表から入り孤児院を襲った。

そして裏から戦闘が得意な雇った組織で足止めしつつ攫う。と言うものだ。


そう、うまいこといかなかったのは襲った時に目的の子供が居なかった事が始まりのような気がする。


普段中に監禁のような生活を強いられ表には出てこないと聞いていたから襲撃が悟られ隠されたと判断した。だから中の捜索から別れて裏の林に来たがビンゴだったのまでは良かった。

でも…旦那様が言うような不遇を強いられてるような気はしなくなっていた。


こんな聡い子がそれに気付かない訳は無い。

もし不遇な扱いを受けていたら今は絶好のチャンスのはずだろう。

俺達を踏み台にすることも、逃げることも。


だけどそれをしないと言う。満足な生活だとその口で自慢気に言う。

旦那様は説得の為、俺だけ入れたみたいだけど完全に当てが外れたみたいだ。



だけど、話していて俺も気が変わった。この子は旦那様の、いや…俺の後継にも相応しい。

跡取りになってもなれなくても、きっと彼は嫌々ならも逃げるチャンスを伺いながらも自分を殺して仕えてくれるに違いない。


俺はもうすぐ成人する年齢に届くから。

もう二年もすれば、俺は用無しになるだろう。

その前に、何としても旦那様の側に話が解る後継が欲しかった。

誰の人生を犠牲にしたとしても。

それが俺の最後の忠誠になる。


それなのにまさか、ここまで苦戦するとは思わなかった。

相手は、一桁の子供三人。

それに対し俺は稽古を積んだ上に火の恩恵を持ってる年上。


最初は少年を殴って気絶させれば少女達を拘束しておとなしくついてこさせれば良いと思っていた。

まさか、あの少女が氷の恩恵をもって応戦してくるとは…、勢いが殺せず思わず本気で恩恵を使ってしまったのに氷を貫けなかった。


しかもその後に、少年が植物を操ってきた。

なんとか消し炭に出来たけど驚きを隠せない。


何なんだ!このこいつら?!

俺はいくつもの孤児院を知っているが、恩恵の素質に金をかける孤児院を見たことない。


恩恵の素質を見る為の儀式が一般でギリギリ手に届く範囲の金額で中々手を出せるものではないものなのだ。


親が居れば知ることも出来るだろうが両親が居ない俺達に知る術は無いに等しい。

俺も旦那様が調べてくださらなかったら、俺に火の恩恵が眠ってる事など一生知らなかったかも知れない。


確かに中には自分で恩恵に気付く人もいるし恩恵を持っているなら教える事も出来るだろうが、こんな年端もいかない子供が恩恵を使いこなすのがそもそもおかしいんだ!


此処は、何かがおかしい!



次回からしばらくファインのターン

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