日常
マイリス有難うございます!
あのエルビンス男爵が来てから早一週間経過した。
孤児院から出ることなく、教会に顔を出すこともしなくリュートとリンダと何故かファインもあんまり外出することなく一緒に過ごしている。
エルビンス男爵が、来て2日目からファインが魔法の練習だけじゃなくて筋トレもしよう!とか言い出してファインが起きる時間に起こされ、起きて腹筋背筋腕立て10回ずつ、リュートとリンダと一緒に畑の手入れしてから魔法の練習、シスターの手が空いたら文字の勉強。
でも紙は高価だから、私はまずは読み方からだけど双子はノートみたいにまとめた紙束で算術の勉強も教えてもらってた。
そしてお昼食べてからファインと一緒になら裏の森にでても良いと許可をもらった。
リンダとリュートと私と保護者のファインで森に入り食べれる山菜を探す。
そしてローテンションで夕飯の準備をして食べて湯を浴びて筋トレして寝る。
もうファインとは一緒のベットに入って寝るのが通常になってる。
それが大体の一日のスケジュールだ。
もう恩恵魔法も使うくらいならすぐに使えるようになってきた。…氷だけ…。
そう『闇の恩恵』は色んな恩恵が組み合わさった色だから他にも使えるはずなんだけど氷しか使えない。
氷が出来るなら水も出来るだろって思うかも知れないけど、どうしても固まる。凝固する。
ぶっちゃけ日常を楽に出来るような魔法が使いたいのに何にも役に立てない。出来るとしたら夏場にしか役に立たない。
ファインは氷の恩恵は滅多にいない!凄い!といってくれるけど私は納得できない。
恩恵を探す切っ掛けになったヤツをやろうとしても紺色の恩恵の割合が多くて違和感があっても、色の判別が出来ない上に引き出そうとしても、すぐに紺色が侵食してしまう。
他の属性無理なんじゃ?
いやいやいやいやゲーム上出来てたじゃん!大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫…何だっけー、何ができたっけ〜。
そもそも一週間しか経ってないし、出来ないのが当然!って開き直らないとメンタル保たない。
っていうかヒロイン始め15歳でレベル1じゃん修行してたんじゃないんかよ。
駄目だ、脳内で現実逃避はじめた。現実に戻ろ。
箸みたいな枝で大人の人差し指くらいの芋虫を摘みバケツに放りこむ。いやぁ〜立派ですね〜アゲハ蝶かなぁ?あとで着火ファイヤーですねウフ
まぁ、空を飛んでても無慈悲な天使に捕まるから成長しても無駄だからここで生きるの諦めて欲しい。
て言うかこの世界の生き物全体的にデカイよね、自然豊かだから?それとも今の私が子供で身長低いかデカく感じるだけ?
ハニービーの時に思ったけどモンスターの区分ってなんだろ。
ゲーム上の世界観の説明で街には魔物が入らないように結界が張ってある説明だけど、ハニービー普通に入ってきてるじゃん。
今度お兄ちゃんかシスターに聞いてみよ。
よっこらしょっと粗方の駆除出来たかなと立ち上がる。
「リンダー、そっちどお?」
「こっちもいいよー、やっぱり暖かくなると居るね。」
丹精込めて育ててるからリンダの白い餅みたいなほっぺがぷくーっと膨らむ。
あぁ〜かわいい~突きて〜
邪な考えをしながら指を彷徨わせていると後ろから「ちょっと!」と牽制された。
チッ!
後ろを振り向くとシスコンのリュート。
「姉さんに何しようとしてるのさ、まったく。目を離すとすぐに余計なことをしようとするんだから!」
「い〜じゃーん、リンダのほっぺでムチムチぽいんぽいんしたいんだよぉ〜」
だらしない笑いを浮かべながら、手でジェスチャーするように空中をこねくり頬を挟む動作をする。そのジェスチャーを見て眉間に皺を寄せ目を細める。言わばドン引きの顔をした。
「何処でそんな変態みたいなこと覚えてくるの?!後でファインに問い詰めてやる。」
すみません前世から覚えてきました。
というかリュートとは一週間の間にだいぶ仲良くなったけど比例してお小言が増えた気がする。
あの大人しそうな印象は何処にいったんだ?
そして直ぐにファインも用事が終わって帰った来たらリュートに詰め寄られるはめになってた。
「え?は?いや俺はそんなことメルディにやってなっ―…!」
「だったらなんであの子がそんなこと覚えてくるの!絶対原因あるでしょ!」
「誤解!誤解だ!確かにメルディの頭なでくり回してるけど!ほっぺはまだやってない!」
「まだ?!」
完全なやぶ蛇…そしてファインが「なでくり回し」の時点で手の動きが動いてた事で更に勘違いを加速させていたのを本人は気付いてない。
いつのも畑のお世話が終わり、今日もファインを交えて森の中に入る。
今日は山菜他に肉を調達するってことで、とても楽しみだ。
でも森に入るときに注意事項を誓うこと!と念押された。
一、肉を調達するのはとても危険だから子供だけで決してしないこと!
二、絶対にはぐれないように皆で行動すること。
三、慌てない騒がない、危ないと判断したら逃げること。
今日は、森は森でも王都からは一番近いが離れた森に来た。肉は基本的にモンスターらしい。動物もいるけどモンスターの方が美味しいらしいから、あと物によっては皮とか爪や牙がお金になる。(重要)
「お兄ちゃん、外でちゃ駄目じゃなかったっけ?いいの?」
街道の定期的に運行してる馬車に揺られファインに聞く。メンバーはいつも通りのリンダ、リュート、私と保護者のファインだ。
ファインが強いとはいえリンダとリュートはまだ9歳なのに危ないことして良いんだろうか?
「一応シスターの了解得てるし大丈夫だ。俺もいるし、それにリンダとリュートは冬で10歳になるしな。肉の調達覚えないとだから丁度良いんだよ。
まぁ今回見てるだけな。あと練習で小さい獲物狩ってもらうから二人はそのつもりでな。」
リンダは不安そうに、リュートは静かに頷いた。
「私は?」
私は何故同行してるの?
「メルディは手伝い。一人で留守番も嫌だろ?
それに一人にするのも危ないし、気になるし、俺の気が気じゃなくなる。」
最初は私の為なのに段々自分の為になってるよ、お兄ちゃん。
森の手前に着いた。
ファインは私達に何か魔法を一人ひとりにかけていく。とくに変わった事はなく体を調べても何か解らなかった。
「ファイン、何かけたの?」
リュートも解らないようで聞いた。
「念の為、森だから虫が多いんだよ。だから強化をかけて虫に刺されないようにしておいた。」
マジか!防御効果にそんな作用が!!便利!
前世の世界で欲しかったわ!
「でも軽くだから小さい虫にしか聞かないから目視できる虫は倒せよ?破られるから」
そっか、もう結界の外だからモンスターが湧くのか。実感無いな。
そうこう考えてる間にファインは迷いなく露払いをしながら森に入っていく。
入って行く順番はファイン、私、リンダ、リュートで縦一列に並んで歩いた。
あまり下草は生えていなく、木の根に気をつけながら歩けばまだ歩きやすい。
そしてファインが近い大木に近づいていく。
先頭のファインが行くから自然と皆も近づく。
「この木にナイフが刻んであるの解るか?」
ファインが大木の一部を示すと〆に似た傷がついている。自然でつくもので無いから誰かが付けたのだろう。
「これは狩場への道標だ。迷ったらこの真ん中の線の通りに行くと森の外に出られる。
他にも別のマークがあってヤバイモンスターが出た場所のマークもある。
これは俺達他の人間が後任の為に付けていくヤツでこれを覚えておけば迷うこともないから、そして自分も傷を付けておけば誰かが助かることを覚えといてな。」
私達は真剣な顔で頷く。
「よーし次行くぞー夜までに帰るからな。」
木の〆の逆にを辿れば森の少し拓けた場所に出た。今の所モンスターに会ってない。
というかずっとファインの背中追ってたから回り見てないから解らないな!でもファインも何も言ってなかったし大丈夫!たぶん…
正直リアルモンスターとか怖いし不安がある。
冒険者目指す!とか魔法剣士フゥー!とか思ったけど実際森に入るとここまで歩いただけで疲れたしファインがいるとはいえ不安だ。
にしてもファイン見てるとハイキングのノリなんだよねー、慣れてると思えば良いのか頼りになると思っていいのか…お兄ちゃんクオリティー。




