準備
夕方になってファインが帰ってきた。
女子で夕飯の準備をしていると食堂に入ってくる。
「ファインおかえり!」
「おかえり、お兄さま!」
「ああ、ただいま」
「おかえりなさい」
ラル、メルディと続き一拍遅れてリンダも迎える。
ファインは片手にでかい袋を抱えており、ラルは怪訝な顔して「何それ?」と指摘した。
ファインはラルのいつもの態度に気にすることなく袋を食堂の机に置く。
「まぁ、ちょうどいいしな。三人に土産だよ、貰い物だけどな。」
ファインは何処か疲れた顔で小さくため息をつく。
だけどお土産と言う言葉に惹かれてラルとリンダは気付かずメルディだけ疲れた表情のファインを見ていた。
袋は大きく160ある女子の中で一番大きいラルが持っても両手で抱えるほどの大きさだ。
ラルとリンダが袋の中を覗いてる間、メルディはじっとファインを見ていたが、ラルの驚いた声で視線を外す。
「え?ファインちょっと何⁉この量の服‼貰い物って言ったけど流石にタダじゃないでしょ!いくらしたの⁉」
「すご~い!」
袋に入っていたのはサイズが疎らな女性用と子ども用の服だ。中をラルが確認したけど女性服しかない。疲れてる原因もしかして…コレ?
「本当にタダで貰ったんだ。知人からの帰りに服屋に寄るって、うっかり言ったのが間違いだった…。おかげで夕飯ギリギリまで大量の服を選んできたよ。」
有り難いと思ってるけど後悔もしてる影がある微妙な表情だ。
「サイズは合わせたと思うけどセンスに苦情は受け付けないからな。正直後半何選んだか覚えてないし…。
俺ちょっとシスターに話があるから行くけど、仲良く分けろよ。」
まるでお菓子の分配みたいに軽く言うと食堂から出ておそらくシスターが居るであろう裏に行く。
その後ろから私達は声を揃えて返事をした。
その後夕飯を皆で食べて、今日は女子でお湯の準備をする。
湯浴みをする部屋の裏口から出ると、裏庭みたいに広い場に出る。
ここには井戸とリンダとリュートが育てる畑と薪と薪割りする場がある。
そして井戸を囲むように木の屋根があり、その一角に横広のドラム缶のような鉄の入れ物と下に竈のような火を焚く場所があった。
ラルと私で往復して井戸から水を汲みドラム缶の中に溜めていく。
リンダは火を熾し、その種火で竈の中の炭に火を移す。火が移ったら薪を焚べて風を少し送り込むと、少しずつ火が大きくなっていった。
「あとは火を調整して終わり!水を入れるのと火を熾すのが大変なんだよね。」
ラルは疲れた〜と腕を回す。ずっと井戸から水を汲み上げて、移したバケツを私がドラム缶の中に入れるバケツリレーをしていた。
「お湯って準備するの大変なんだね。でもこの器があるから、いっぱいお湯作れるけど他の家ってどうしてるの?」
来たときの道を思い出す。ボロボロの小さめの一軒家が多く、ここみたいに裏庭とか広くスペースが取れると思わない。
でも通る人は清潔感があったし体を洗ってるのは一目瞭然だ。表に出てる人だけかもだし、竈で鉄のタライでお湯を作ってるとかだったら皆同じなんだなと思うけど。何か方法無いんかな。




