21話
「とはいっても面倒ですね」
言いながら聖句を言いながら襲い掛かってくる住人をよけるミスティ。
長い極貧生活のせいで少し強めに叩いたら砕けてしまいそうなためかミスティは力を存分に発揮できていない。
生命の樹を開けば収めることができるが、あまり開いては混ざってしまう。
そんな懸念があるためか消極的だ。
「く!! わるい子でもないしーーなにより絶対に心が折れない」
そう、帝都の住人は神を讃えることしかできず、生活も余禄のようなもの。
わるい子であるはずがないし、心自体が存在していないのだ。
少しずつ劣勢に立たされてしまう。
「高城さん!! トナカイは!?」
「何人か巻き込むかもしれない、もうあんな苦い感情はのめない」
甘い。
そして青い言葉を少年は吐く。
それを聞いた乙女は。
「……後味わるいですよねぇ」
その言葉を聞けたこと自体がうれしいかのように表情を緩める。
甘く、青いセリフは吐くことは簡単だし、大人になるうちに捨てるべきものかもしれないだろう。
が、それを達成しようとする善性を信じて努力できるひたむきさこそが年若いものの特権になる。
「ヨク言ッタド」
野獣のごとき声がして、白い巨大なものが降ってきて、地面をたたいて凍り付かせる。
それによって襲ってきていた住人の足が止められる。
「あ、あなたは!?」
「レ、レーゾーコ!?」
魔王軍四天王の一人レーゾーコ。
手袋とマフラーをとても大切そうに着ている。
「あそこは地の果てなのにどうやって?」
「マ、魔王サマニ送ッテモラッタ」
空をレーゾーコが指差す。
するとそこには高笑いしている幼女がいる。
「ふーっははっは!! 助けに来たぞ」
そこで高城――サンタはヌルリと魔王を見据えて。
「寝ると嘘をついたとは――やはりわるい子だったか、今からでも――」
「っひ!! ちちち違うぞ、寝たけど起きたんじゃ……嘘じゃないぞ?」
慌てて否定し、疑問形でしめた。
その様子にミスティが噴き出す。
「む!! まぁ、無礼は許そう、ここが勝負の勘どころって奴じゃ、でませいテレビとセンタク!!」
(もうグダグダになった)威厳を取り戻すため努めて声を張って残りの四天王を魔王は呼び出す。
「はーい」
どことなくやる気なさそうにテレビが出てくる。
「テレビと一緒ならいいのよ」
それに吸いすくようにセンタクがいる。
若干黒いのがうかんでいるのは炭だろう。
「とりあえず足止めしとくわよー」
やる気なさそうだがぶっちゃけ一番効率よく足止めを行うテレビ。
見据えるだけで足を止められるのは強い。
「レーゾーコ、あんたと協力するのは癪だけど合わせてよ」
大量の水を呼び出しセンタク、それにあわせてレーゾーコがその水を凍らせる。
と、その騒ぎを聞きつけたのか四方八方からより大量の市民が集まる。
「ああ、そうか、アレがあった」
言いながら袋の中身をサンタが覗き込む。
そして一言呼びかける。
「ほーっほっほほ、反省は終わったかなぁ? よしよし反省は終わってるみたい」
言って袋をひっくり返すと大量の魔族が出てくる。
その目は変にキラキラしている。
そして第一声が。
「サンタ万歳!! 僕たちいい子、サンタ万歳!!」
「おおぃ!? 貴様は妾の部下に何をしおった!?」
魔王が様々な場所に魔法の縄を飛ばしながらサンタに突っ込む。
「てか生きておったんじゃな」
「サンタ万歳!! はいその通りです魔王様、サンタ万歳!!」
「きっさまぁ!! 本当に何したんじゃ!?」
まぁ、色々怪しげなところはあるがちゃんと働いてはいる。
持っていた武器がなぜかステッキのキャンディーになってたり。
オーナメントでデコられた鎧だったりするが小さな問題だろう。
押し返せるか?
そう思った時だ。
空から監視していた魔王が叫ぶ。
「おい貴様ら!! とんでもない数の軍が向かって来るぞ!? 敵が七分に大地が三つという奴じゃ」
緊張をほぐすためか妙に芝居がかった様子だが、その額には汗が浮かんでいる。
一時間後にお願いします。




