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15話

 最高級の金細工のような美しいドラゴン、ダシガラはトリガラに向かい悠々と歩く。

 トリガラの手下のドラゴン達は後ずさるように道をあける。


「なぜだ!? ダシガラよ!! お前は彼岸の檻に収めたはず」


「ええ、そうです、わたしでもどうしようもない状況でした」


 天を裂くような叫びをあげる。


「ならばなぜだ!? なぜここに戻ってこれた」


「それは私がいたからです」


 緑の髪をポニーテールにまとめた乙女がその場に舞い下りる。

 頭には赤い小さな帽子がちょこんと乗っておりとてもかわいらしい。


「なっ!? “不死殺し”――そうか、貴様、命を謀りおったな」


「命のみを殺して冥府に収めた人に言われたくないです」


「この!! 下等種がぁ!!」


 トリガラは激高し襲い掛かる。

 かすりすらしなくとも、それこそ殺意を向けられただけで死ぬ。

 それくらいの存在としての格の違いがある。

 が、殺意――呪詛の念を槍を突きこむことで打ち払う。


「なにぃ!? たかがドライアドが殺意を払うだと!?――まさかダシガラァ!!」


「ええ、そうですとも」


 優しく金のドラゴンはうなずく。

 その手足はゆっくりと空気に消えていく。

 それは幽霊のごとき光景だ。


「私の命――魂は既にヤドリギの鏃に収められています、彼岸より戻るためにはこれしかなかった」


「誇りあるエンシェントドラゴンがその程度のモノに」


 ゆっくりと金は首を振る、そして慈しむように語り掛ける。


「我々は永く、とても永く生きすぎた、もうおしまいです」


「認めん!! 認めんぞぉ!!」


 赤いドラゴンが命を懸けたブレスを放つ。


「ヤドリギの子よ、鏃を――いえ生命の樹を開くのです」


「は、はい!! (生/逝)きます」


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