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12話

「ふふ、やっぱり高城さんはちょっと詰めが甘いですね」


 軽やかな乙女の声が空に響く。

 どこか嬉しそうな響きも持っている。

 手には新芽の生えている木槍。


「な!? “不死殺し”まさか!?」


「たとえ宰相――いえ、奸臣ゼニゲバ!! そこまで弱っているなら私の槍があなたの命に届く」


 裁定の女神のごとき決意を込めた表情で木槍を構える。

 編まれた紐がほどけるように穂先が開く。

 命をはぐくむ陽光にも、日照りを与える酷光にも見える光がある。


「魂宿る木の精として真名を解放する!! 我が名はミスティルテイン(不死を欺く者)


 真名を口にすると緑の髪が伸び、そして風に溶けていく。

 来ている衣服もまた煌めく光を宿す。


「やめろぉぉ!!」


 光が放たれた。

 それは月へ、死者の世界へ届く橋だ。


「その命、世界へと返しなさい!! 盲目の穂先ユースティティアスピア


「ぐぁぁぁ!! ああ、なんと、なんと熱く、そしてどこまでもやさしい――」


 どこか満足げな顔で不死者は世界へと溶けていく。

 それをやさしい表情でミスティは見届ける。

 そこで地面に向かって落下していく。

 それを追いかけるようにサンタも降りていく。


「と、ところで高城さん?」


「ん? なにミスティ?」


 疑問を浮かべた表情でサンタはミスティを見る。


「く、来るときはこの槍の力で樹木を空中に出せてきたんですが……そ、そのですね、不死者を滅するのに力をたくさんたくさん使っちゃてですね」


「まって、つまり?」


 サンタ――いや、高城は努めて優しく語り掛ける。

 それに対して半分涙目になりながらミスティは答える。


「た、助けて」

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