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天を駆ける馬の如く

皆様、お久しぶりです、島北です。

最近、非常に忙しく、定期的な投稿ができなくなっております。誠に申し訳ございません。

時間を作るって本当に大変だと痛感してます。

……と、前置きはこれくらいにしまして……。

第7話「天を駆ける馬の如く」、ご覧くださいませ!

体育祭まであと数日をきった。体育の時間は男子は体育祭の競技練習の時間となり、女子たちは体育祭で披露するチアリーディングの練習を行っている。



「今日は委員会まで時間があるな……何をしていようかな……」



体育祭では各委員会に役割が振られる。図書委員会では、何故か会場受付の担当を受け持つことになっている。今日は体育祭に関しての委員会があるのだが、開始が1時間後と遅い。


既に帰りのホームルームが終わって30分ほど経っている。教室には、俺と数人程度のクラスメイトしかいない。凛華さんも今日は仕事があるからと足早に帰宅してしまった。



「……寝てようかな……」



席に座っていた俺はそのまま、身体を机に伏せる。



「あっ!いたいた!古賀君~っ!!」



教室のドアの方向から、テンションが高い大きな声が鳴り響く。



「……なに?どうしたの……?」



分かってはいたが、天馬の声だった。だが、姿はいつもの制服姿ではなく、陸上部のユニフォーム姿だった。



「最近、チアリーディングの練習ばっかでつまんなーい!!今日は陸上部も休みで体動かしたりなーーい!!」


「……だからどうしたの……?」


「古賀君!私の徒競走の練習に付き合ってよ!!どうせ暇でしょ!?」


「え~……」



天馬は机をバン!っと叩くと、身を乗り出して俺の顔を見つめている。


そ、それよりも、超薄着のユニフォームを着ているから、ユニフォームの首元から、僅かな胸の谷間がチラチラと見えて……目のやり場に困る。



「お姉ちゃんから聞いてるよ!まだ委員会までは一時間くらいあるよね!」


「うっ……」



天馬先輩から聞いていたのか……。しょうがない……暇な時間を無駄に使うよりかは、動いているほうがマシかもな……。



「わかった、行こうか」


「やったーー!!」



天馬はその場でぴょんぴょんと跳ねて嬉しがっている。キュートな笑顔を見せて、可愛らしい子供のようだ。


俺は座っていた身体をその場に立たせ、天馬と共に教室を出る。俺たちは正面玄関に向かい、ローファーに履き替えて校庭に出た。




☆☆☆☆☆




「さて、まずは準備運動からだね!」



天馬は校舎の陰になる校庭の端で準部運動を始める。伸脚をしたり、アキレス腱を伸ばしたりすると、そのまま砂の上にお尻をつけて、柔軟を始める。



「すごいな……」


「ん~っ?何が~?」



天馬は脚を180度近くまで広げて、そのまま体を前方に倒す。まるで軟体人間のような体の柔らかさだ……毎日ストレッチとか欠かさずにしている恩恵なのだろう。


身体を左右に伸ばしたり、脚を前後に伸ばしたり。天馬の柔軟はとにかくインパクトのある内容だ。


天馬の額には既に汗が滴り落ちている。ぽたぽたと地に垂れていて、妙な色気を感じてしまう……。



「まだまだ伸びるよな~……」



天馬は一度上体を起き上がらせて、俺の顔に目を向ける。



「古賀君!私の背中押してくれない?」


「えっ……」


「押してよ~!」


「ま、まあいいけど……」


「んじゃ、よろしくね~!」



天馬は再び脚を180度近くまで広げて、上体を前方に倒す。


俺は天馬の後ろに立って、両手を天馬の背中に近づける。


天馬の身体から、いい匂いとちょっと汗の匂いが混ざった、なんとも魅惑的な匂いがする……。



「そ、それじゃあ、押すよ」


「う、うん……」



俺は天馬に了承を得ると、背中に手を当ててぎゅーーっと押す。



「んぅぁ……!」


「だ、大丈夫!?」


「ぅ、うん……続けて……」



天馬から喘ぎ声に似た声が漏れる。体中から汗が垂れ始めている。ユニフォームにも汗が染みてきたのか、俺の手に天馬の汗が付着し始めた。


いつもはお馬鹿な感じで色気なんて一切感じない天馬から、色気が漂っている……。


こ、これ以上は理性が……!



「よ、よし!こ、これくらいでいいでしょ!!」


「えぇ~、もう終わり~?」



俺は天馬から手を離して、少し後退する。


天馬はそのまま項垂れながら立ち上がり、ぴょんぴょんと跳ねる。



「でも、いつもより体が動きやすくなったかも!ありがとう!!」



天馬はニコっと可愛らしい笑顔を見せると、そのまま校庭のコースに向かって走り出した。




☆☆☆☆☆




天馬は徒競走のコースを何度も往復している。普段は基礎練習に近い内容のトレーニングをこなしているからか、今日は実践同様に100mのコースをずっと走り続けている。


校舎近くのベンチから天馬を眺めていた俺に、天馬が突然近づいてきた。



「ねえ、最後にタイム測りたいから、計測してくれない?」



天馬は息を切らしながら話しかけてくる。さっきから妙にエロイんだよなぁ……。なんで運動している女の子ってこう魅惑的に見えるのだろう……。



「いいよ」


「ありがと!じゃ、あっち側で待ってて!」



俺はストップウォッチをカゴから取り出して、コースのゴール側に立つ。ゴール側からスタートを見ると、どうやら偶然通りかかった様子の陸上部員が天馬に呼ばれてスターターピストルを構えてスタートに立っていた。



「古賀く~ん!!ピストル鳴ったら、ストップウォッチ押してね~!!」



流石にそれくらいは分かっている。俺はストップウォッチのスタートボタンに指を添えて、ピストルが鳴るのを待つ。



スタート側から小さく「位置について」の声が聞こえる。まもなく計測が始まるようだ。天馬はクラウチングスタートの構えをとる。




パァーンッ!!



ピストルの音と同時に、スタートボタンを押す。


天馬はとんでもないスピードでゴールに向かって走っている。


天馬はゴールを駆け抜けると、俺はストップウォッチのスタートボタンをもう一度押す。


タイムを見ると、じゅっ、12.12秒!?



「古賀君!タイムはどうだった!?」


「じゅっ、12.12秒」


「惜っし~!あと少しで自己ベスト更新だったのに~!」



これで自己ベスト記録じゃないの!?ど、どんだけ早いんだ……。



「もうすぐ委員会の時間だよね。今日の練習はこれくらいで終わりにしようかな~」


「も、もうそんな時間か……」



時計を見ると、確かに天馬が練習を始めてから1時間が経とうとしていた。



「今日は練習に付き合ってくれてありがとね!」


「い、いや、それほどでも……」


「お姉ちゃんもいつも言ってるけど、古賀君って優しいね!」


「そ、そう?」



こ、こんなに天馬って可愛い女の子だったのか……。いつもはただうるさい馬鹿な子みたいなイメージだったけど、新たな一面に気づけた気がする。それに、天馬先輩が俺のことを優しいって言ってくれてるなんて……嬉しい。



「じゃ、委員会頑張ってね!それじゃ、また明日ね!」


「あ、ああ、また明日……!」



天馬は陸上部室に向かって走り去っていった。



「ほう……天馬ってあんな表情するんだな。初めて見たな」


「うおっ」



いつの間にかスタートラインにいた陸上部員と思われる人が近づいていた。



「いつも練習熱心で馬鹿な女の子って感じだが、あそこまで女の子みたいな表情を見せるのはびっくりしたな」


「そ、そうなんですか」


「っと、挨拶が遅れたな。俺は検見川。陸上部の2年生さ」


「い、1年の古賀です」


「もしかしたら天馬は……ははっ!まあ、頑張ってくれたまえ、古賀君よ」


「は、はあ……?」



検見川先輩は俺の右肩をぽんっと叩くと、そのまま僕から離れて校門に向かって歩き始めた。



「な、なんだったんだろう……ってやばい!時間が!!」



時計を見ると、委員会開始まであと5分だ!このままじゃ遅刻する!!


俺は急いで図書室に向かって走り出した!

第7話「天を駆ける馬の如く」、最後まで読んでいただきありがとうございました!

今回は優奈ちゃん回でしたね。

汗ばんだ女の子ってなんであんなに魅力的なんでしょうかね……(変態臭やばい……)。

最後に登場した検見川先輩、最初は特に考えずに適当に出演させようとしていたモブの一人にすぎないキャラのつもりでしたが、いつの間にかいろいろと設定が作られ、名前まできちんと決まったキャラだったりします。多分、この後も何回か出てくるかもしれません(笑)。


ここからは次回予告を!

第8話は「歓声の体育祭」、ついに体育祭本番です!!ヒロインたちが動いて動いて動きまくります(色々)ので、是非お楽しみにしてください!

次回の投稿は8/5(土)……を目途に致しますが、前書きで書いたように、ただいま非常に忙しいため、また遅れるかもしれません。その際にはTwitterや活動報告で報告いたしますので、その際は宜しくお願い致します。

それでは、また次回お会いいたしましょう!それでは~!

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