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爆乳グラビアアイドル転校生来たる

皆様、お久しぶりです。

はじめましての方ははじめまして、島北 悠凪と申します。

前作の「伝説の神と勇者の冒険」シリーズ完結から1年3ヶ月が経過しました。

ついに、最新作ができました。

以前はRPG風冒険譚物語でしたが、今回の「善宗は失われた記憶を求めて」は、ラブコメです。

新しい島北ワールドを(今作が初めての閲読の方は初めての島北ワールドを)楽しんでいただければと思います。

「うおおおおおおおおおおおっ、でっけええええええええええええええっ!!」


「これが俺たちと同じ高校1年生なのか!?」


「なあ、善宗(よしむね)、すっげえよなこれ!?」



俺の眼前に現れた、一冊の本。学生が使う教科書や参考書の類でもなく、小説とかでもない。




―――グラビアアイドルの写真集だ。




今、世間を騒がせている超ダイナマイトボディの女子高校生グラビアアイドル、富士凛華(ふじりんか)。妹にしたくなるような、可愛らしい童顔を持ちながら、なんと、Kカップというとんでもない爆乳をお持ちの人気急上昇中のグラビアアイドルだ。



「ぐっ……!」



だが、何故だろうか。この富士凛華の顔を見ていると、俺の頭に一瞬、強烈な痛みが襲う。



「おいおい、なに露骨に興奮してるんだよ善宗」


「そ、そういうわけじゃないさ」


「興奮で、お前の昔の記憶がよみがえるんじゃねーか?なんつってな!ワハハ!!」



―――俺は、小学6年のときから以前の記憶を多く失っている。両親曰く、交通事故にあったショックで記憶を失ってしまったらしい。



家族や家の近隣の地形などの大事な記憶以外は大幅に欠如した俺の記憶だが、一つだけ、鮮明に覚えていることがある。有名な大病院がある東京に越す前、かつて山梨県に住んでいた時にとても仲の良かった男友達―――。




その名は、「(りん)くん」―――――。




苗字は分からない。いや、もしかしたら記憶にないだけかもしれない。だが、小学生の頃、いつも俺と一緒に遊んでいた、勝気で、活発で、いつも帽子をかぶって短い髪を収めて遊び回っていた「凛くん」。



俺には「凛くん」にこそ、俺の失った記憶を取り戻す何かトリガーがある……。確信に近い感覚が俺にはあった。



「あっ、ていうか、今日、転校生が来るらしいぜ」



富士凛華の写真集を右手に持ってぶらぶら振っている俺の友達、日下部継定(くさかべつぐさだ)が、突然思い出したように俺に話す。



「へえ」


「なんだよ、無関心か?」


「いや、そういうわけじゃないけどさ」


「はあ……凛華ちゃんみたいな女の子が転校してこないかなあ」



継定は富士凛華の写真集を胸に抱きしめてくねくね体を曲げている。身長も高く、すらっとしている体型、顔も整っておりスポーツ万能のハイスペック野郎なのに、こういう姿を見ていると残念でならない。



だが、今は6月。こんな中途半端な時期に転入生とは珍しい。いったいどんな人なんだろうか。少なからず興味は沸いた。



「ほら、お前ら、席につけ~、ホームルームを始めるぞ~」



クラスの担任の国語教師、蒲田(かまた)先生がチャイムと共に教室に入ってきた。



クラスのみんなは各々自分の席に座り始める。俺の前で富士凛華の写真集を見ていた継定含めた男子たちも席に戻る。



「今日は転校生がこのクラスに編入してくる。早速だが、教室に入ってもらおうか~。それじゃ、入ってきてくれ~」



頭をポリポリしながら年齢の割に低い声で呼ぶ蒲田先生。蒲田先生の声に呼応するように可愛らしい声で「はい」というのが小さく聞こえた。



そして、教室の扉が開いた―――――。



「なっ!?……ぐぅっ……!?」


「う、嘘だろ……!?」


「お、おい、まさか……?」



男子たちが一斉に騒々しくなり始める。俺は、転入生の姿を見て、まるで、鈍器で殴られたような頭の痛みが襲い掛かった。俺は、激しい痛みをこらえて視線を前に向ける。そこにいたのは―――。



「富士凛華です。先日、東京に越してきました。今日から宜しくお願いします!」



―――さっきまで写真で見ていた爆乳グラビアアイドル、富士凛華―――!!



男を魅了する甘い声、人形の如く可愛らしい容姿、そしてどう成長したらそのような体型になるというのか皆目見当もつかないダイナマイトボディ……。



「り、凛華ちゃんだーーーーーっ!!」


「ほ、本物だ……!!」


「す、すげえおっぱい……!!」



クラスの男たちは一斉に歓喜に包まれる。俺は痛みを堪えることに精いっぱいだった。周りの雄たけびにも似た歓声は、痛々しく耳に刺さり、頭を震わす。




―――――むにゅっ。




な、なんだ!?痛みを和らぐこの柔らかく、それでいて押し返すような弾力を備えたこの感覚は……。まさか、俺はついにこのまま昇天するというのか……?



「ちょっ……ど、どういうことだ!?」


古賀(こが)君……?」


「よ、善宗……?」



頭痛が緩和されて、ようやく周りの声が正確に聞こえるようになってきた。どうやら、俺の名前がたくさん聞こえる。そして、ところどころ、「羨ましい」みたいな男の声も聞こえてくる。



―――――まさか!?



俺は、柔らかい何かから顔を引いて、下に俯かせていた顔を、上に向ける……。



「久しぶりだね、善宗くんっ……私、探してたんだよ……!!」



えっ、ちょっ、まっ…………





「ど、どういう……ことだ……!?」

第1話「爆乳グラビアアイドル転校生来たる」、ご覧いただきありがとうございました!

……ということで、爆乳のグラビアアイドル、富士凛華ちゃんが篠宮高等学校に転校してきましたね。

なんて羨ましいことでしょう。

と、ここで一つ裏話を……

実は、最初は富士凛華ちゃんの名前は「富士宮凛華」だったのですが、しっくりこなかったのもあって変更した名前だったりします。

あと、「富士さん」のアクセントは「富士さん(一定=富士山と同じアクセント)」ではなく、「富士(↑)さん」です。お間違えないように!!


ということで、ここからは次回予告を。

凛華の姿を見て突然の頭痛に襲われる善宗。

凛華は善宗に語り掛けるも、彼には、凛華の記憶はなく……。

しかし、善宗は確信する。富士凛華には、記憶を取り戻すトリガーがあるのだと……。

第2話「困惑の善宗」は、GW中に投稿予定です!

なお、第1話は火曜日に投稿しましたが、第2話以降は隔週もしくは隔々週土曜日投稿になる予定です。

投稿が早くなったり、遅くなったりすることがあり得ますので、活動報告やTwitterにて随時報告させていただきますので、ご確認ください。


それでは、また次回お会いしましょう!それでは~!

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