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幻代群像 -MystArk-  作者: 水沫ゆらぎ
Lost Memory
43/46

第十話(上)

 ふわふわとした感触の、夕暮れのような暖かな色に包まれながら。

 コウは母から告げられた『愛』という言葉を幾度も反芻していた。

 愛をこの星に循環させるのだと、そう告げて母は接続を閉ざした。大いなる意識から切り離され、再び単体としてぬるま湯のような思念の海を揺蕩いながら――コウは重苦しい不安に苛まれていた。

 薔薇を手渡して消えた少女の言葉を思い出す。これが記憶の引き継ぎというものだろうか? 彼女は何の心配もないようなことを言っていたが、無数の情報を受け取ってなお、やはりコウはちんぷんかんぷんなままだった。

 しかし、それでもなんとなく理解したことがある。

 母はさらなる母体から託された使命とやらの遂行を第一と考えていて、しかしその使命とやらは、おそらくは他ならぬ自分のせいで達成されないだろうということだ。

 愛。その響きに絶望的なまでの距離を感じる。生来、歌を介して他者と繋がる星の子としての特質に目覚めていたコウは、言葉や物事の本質を、その意味ではなく響きから識る術を自然に身に着けていた。そんな人に非ざる直感がコウに告げている。足りないと。『愛』というその言葉は、コウの内側にまったく存在しないわけではなかったが、しかし圧倒的なまでに不足している。ほとんど餓死寸前と言っていい困窮ぶりだ。

 そしてこれが、コウが絶望を覚える理由なのだが――自らが飢え渇いているそれを、どうして他者に分け与えることができよう?

 その懸念を伝えようと口を開きかけたそのとき、コウの意識に誰かの呼ぶ声が届いた。


「コウ」

 懐かしい人の声だった。

 刀剣のように真っ直ぐで、力強く、深みのある……コウが密かに、この世で最も美しいと思っている声だった。夢だと悟った瞬間破れてしまう夢境のように、その声によってコウの意識は母との邂逅から引き剥がされ、在るべき場所へと引き戻された。

「コウ……起きろ」

 目を開くと――そこには父親が、セツナ・クルスその人がいた。

 コウは、それまで自分が目を瞑っていたことにも気づかなかった。宙に浮いたまま眠っていたのだ。抱いていたはずの薔薇も、いつの間にか手のひらから消えていた。

「とうさん……」

 そこから先の言葉を継げずに、コウは父と沈黙をもって見つめ合う。

 随分と長い間、会っていなかった気がする。そう思って、ふとそれが事実だということに気がついた。本当に、こうして顔を合わせたのは何ヶ月ぶりだろう?

 怖い――言葉が出てこないのとは裏腹に、胸中は父への怖れが暴風雨じみた荒れ模様を見せていた。親子だというのに気後れする。ずっと会いたいと、そう思っていたくせに。いまは緩衝材になってくれるアルもカエデもいない。その事実がコウの怖れに拍車をかけて――そしてそんなことを考える自分に気づいて悲しくなった。なんで、こんな酷いことを、ぼくは。

 父の顔を見れなくなってコウが俯いたそのとき、不思議なことが起こった。


「綺麗な翼だな」

 一瞬、何を言われたのかわからなかった。コウは顔をあげ、ぱちぱちと目を瞬いた。

 この姿を――初め、コウ自身が言葉を失った、この人に非ざる姿を目の当たりにして。父は特に驚いた様子も見せずにそんな言葉を口にした。コウの目に映るのはいつもの父の無表情。だが、さっきの言葉の響きには、どこか――

「うん……なんか、目が覚めたら背中に生えててびっくりした」

「そうか」

「……とうさん、お仕事はどうしたの?」

「ああ、やっと一区切りついてな。だから迎えに来た」

 会話。意味などない、他愛のないやりとり。

 けれど――コウの知る父親は、そういったモノから最も縁遠い人だったはずなのだ。

 なんだろう。何かがおかしい。

 その疑念は、次の父親の言葉を受けて決定的なものとなった。

「……ずっと構ってやれなくて、すまなかったな。これからは、少しは遊んでやれるぞ」

 コウはあんぐりと口を開き、金魚のようにぱくぱくした。

「嫌か?」

「ち、ちがう、そんなことないっ」

 父は微かにだが笑った。いつになく穏やかな様子で。


 何がおかしいのかわかった。……壁がなくなっているのだ。

 父の声は、常ならば冷たく分厚い鋼の壁に覆われていて、そこに秘められた感情の色を見通すことはできなかった。それが、いまはない。いまなら歌いかけようと思えば、かつて自縄自縛に陥っていた姉の心を解いたように、容易く父の心に触れることができるだろう。

 けれど、それをコウは怖れた。他者に触れ、融和するというそれはコウの本質であったが、しかし目の前の父その人に、長年に渡りその本質を否定され続けてきたという背景があった。別離の時間は長く、トラウマを払拭するのは生半なことではなく――

 ゆえにコウは、歌ではなく言葉で父親と向き合い始めた。

「ここ……おんなの子が……いたんだ」

 暗闇のなか、手探りで明かりを捜し求めるような――そんな按配。

「その子の背中にも、ぼくのみたいな翼が生えてて。ぼくとともだちになりたいって言ってくれた。……でも、大怪我してて、話すのも苦しそうで……最後には消えちゃった」

 慣れない通信手段は歌よりもずっと曖昧でまどろっこしく、それが堪らなくコウを不安にさせたが、父は黙って耳を傾けている。

「ぼく、その子に何の言葉もかけてあげられなかった……」

 ただ、父に聞いて欲しかった。

 消えた少女を父は知らないけれど、それでもコウは、自分の感じた悲しみを父に理解して欲しかった。初めての友達を喪った痛み、溺れてしまいそうな悲嘆、嘘偽りのない気持ちを、少しでも分かち合ってもらいたかった。


 父は無言で考え込んでいたが、ややあってぽつりと呟いた。

「忘れないことだ」

「…………?」

「いま、おまえにできるのは、その子を忘れないことだけだ。父さんも、仕事でたくさんの死と立ち合ってきたが、そうやって折り合いをつけてきた。その子の死に際を上手く看取ってやれなかったことを悔やむなら、せめてその分、長く忘れずに覚えていてあげなさい。そうすれば、その子のいた証は、確かにおまえのなかに残り続けるから」

「忘れずに……」

 もはや響きから推し量るまでもない。父もまた、コウと真摯に向き合おうとしているのが、言葉の端々から感じ取れる。

 コウは少女のいた証を――あの子に託された薔薇を思い浮かべた。

 薔薇はいまも、胸の奥でハミングを発している。歌詞を求め続けている。

 わたしの代わりに歌ってと、訴えるあの子の囁きが聴こえた気がした。

 勇気を出してと、いまはもういないあの子に背中を押された気がした。

「ぼく、とうさんに訊かなきゃいけないことがあるんだ」

「なんだ?」

「昔……花火、見に行ったこと、あったでしょ」

 コウは拳を握り締め、父の顔を真っ直ぐに見つめた。

「ぼくが歌うと、とうさん、すごく怒ったこと、覚えてる?」

「……ああ」


 腕が、脚が、震える。いますぐ目を逸らしたい。……でも、逃げない。おねえちゃんが、ぼくの歌は綺麗だって言ってくれた。アルだって、ぜったい大丈夫って請け合ってくれた。何より、他の誰でもない、ぼくが歌いたい。歌いたいんだ! もうこれ以上、この気持ちを抑えるなんてできるわけがない……!!

「とうさんは……ぼくの歌、嫌い?」

 それは、コウの魂のすべてを賭けた問いかけだった。

 対峙するは運命。求めるものは真実。嘘も誤魔化しも許されない、魂の審判。

 この賭けに負ければ二度と立ち上がれない確信がコウにはあった。だからずっと逃げてきた。逃げて、逃げて、己の殻に籠り続けて……だが、それでもついにコウはBETした。

 運命は――。


        *       *       *


『立場上、僕としてはあなたを結界内に案内するわけにはいかないんですが』

『選択の余地を与えるつもりはない』

『……ですよね。いや、見ればわかりますって。どうかその物騒な得物をしまってください。力の限り白旗あげますので。無理やり入られて台無しにされちゃうぐらいなら、素直にご案内しますよ。……はぁ、この分だと僕、遠からず始末書に埋もれて死んじゃいそうだな……』

『すまんが埋もれて死んでくれ』

『……カエデちゃんもだいぶ辛口だと思いましたけど、セツナさんはお師匠さんだけあってその上を行きますね』

『甘党だが』

『……さいですか。ええと、せめて最後にひとつ質問に答えてもらってもいいです? 始末書出す上で、諸々の証拠ぐらいは用意しとかないとなので。あと、カエデちゃんのためにも』

『なんだ』

『理由です。二度と戻って来れないことを承知で、お子さんのもとへ行く理由』

『……それがこいつの望みだったからな。勝者の願いは叶えられて然るべきだ』

『よく言いますよ。お子さんの羽化の兆候、ただひとり押し留めようと足掻き続けてたくせに。カエデちゃんから聞いたんですけどね、バレバレの嘘でその場逃れしようとするのは、サムライとしての恥ずべき何とやらってやつじゃないんです?』

 長い、長い、沈黙――。

『……俺は紛い物だが。それでも、これが父親の果たさねばならん責務だと思う』

『結構です。それじゃこちらへ――』




 夢を見ていた。

 夢のなかで、カエデは小さな女の子だった。目的地も知らず、傍らの背の高い影法師と手を繋いで、野原に敷かれた舗装路を歩いていた。

 彼女たちの周囲は常に白い霧に包まれていて、数歩先もろくに見通せない有様だった。だから迷子にならないように、カエデは影法師の大きな手のひらをぎゅっと握り締める。影法師は影で、口がないから何も喋らないけれど、でもしっかりカエデの手を握り返してくれて、それで彼女は何の憂いもなくなった。

 やがて、舗装路を往くカエデの耳に、彼女たちの足音以外の音が届き始めた。

 もしも冬に花火をするなら、きっとこんなだろうなと思わせる音色だった。

 空から舞い落ちる粉雪のようなその響きは、カエデを新鮮な驚きで満たしてくれたが、同時に無性に寂しい、やるせない気持ちにも誘った。伸ばした手のひらに零れてくる雪は繊細で、宝石みたいに美しい。けれど、雪はどんなに綺麗でも、いつかははかなく、溶けて消えてしまう宿命から逃れられない……。

 道を往けば往くほどに、その切ない旋律の出どころが近づいてくるのがわかった。だからカエデは、本当はそれ以上進みたくなかったのだけれど、影法師は歩みを止めなかった。

 どれほど歩いただろう? いつしか、どこまでも続くと思われた舗装路の先に、種々の原生林の生い茂る開拓地が見え始めた。入口には閂戸代わりか、頭から爪先まで厳めしい鎧で身を包んだふたりの門番が、両脇に立って儀仗を交差させている。道は閂戸の前で終わっていて、カエデは「目的地に着いたんだ」とぼんやり思った。


 門番たちは影法師の姿を一瞥すると、重ね合わせていた儀仗をそれぞれ手元に引き寄せた。

 通っていいのかな? カエデが確認するように影法師を見上げると、思いがけない反応が返ってきた。何を思ったのか、相手が屈み込んできたのだ。

 影法師の表情は、もちろん影だから全然窺えない。けれどなんとなく、カエデには彼が微笑んだのだとわかった。それから、彼はカエデのおでこに自分のおでこをくっつけてきた。まさかそんなことをしてくるとは思わなかったから、カエデは繋いでいた手を離してパッと飛び退いた。そして胸のドキドキが収まるまでおでこを両手で押さえていると、急に何もかもがくすぐったくなって、照れ笑いを浮かべた。

 影法師は、そんな彼女を名残惜しそうに見つめていたが、やおら視線を外して立ち上がって、門番の間を通って開拓地へと足を踏み入れた。

 あ、わたしも行く! と、カエデが影法師の後を追おうとした瞬間、事態は急変した。門番たちが鋭く儀仗を降ろして、カエデは通せんぼされてしまったのだ。

 彼女は唖然として、それから猛烈な怒りに駆られた。なんで? なんであんたたち、わたしは通してくれないの? カエデは目尻を吊り上げて抗議するけれど、鋼の全身鎧に身を包んだ門番たちは一言も喋らない。背筋がぞわぞわする。まるで命のない石像みたいだ。そして、そうしている間にも、影法師はどんどん開拓地の奥へと進んでいってしまう。

 そのときになって、初めてカエデは置いていかれようとしていることに気がついた。

 ……あれは、別れの挨拶だったのだ!

 置いていかないでと、カエデは叫んだ。嫌だ、こんなところにひとりで置き去りにされるのは耐えられない。待って、わたしも行く、連れていってと、声を嗄らして絶叫した。門番たちに押し留められながらも、必死に手を伸ばして、伸ばして、けれど影法師は振り返ることなく、白い霧と音楽とに閉ざされた、遥か開拓地の彼方へと――




 そこで、カエデは夢から目覚めた。

 意識が現実に帰還すると、入れ替わるように夢の痕跡が急速に失われていく。夢を見ていた。それだけは覚えている。けれど、記憶にはかろうじて夢の輪郭が残ったのみで、その内容まではまったく思い出せない。

 ただ、涙に濡れた目元が、それが哀しい夢だったと彼女に伝えていた。

 気がつくと同時、彼女は軽い混乱に襲われた。わたしは師父と戦っていたはず……?

 それが夢や勘違いでないことは、カエデのいる部屋が証明していた。記憶と地続きの内装。師父と戦っていたあの広間だ。ご丁寧にも、彼女は毛布をかけられて、広間の片隅に転がされていたらしい。カエデは身を起こそうとして――途端、全身を駆け巡る灼熱の痛みにくずおれて呻くことになった。

「無理しないほうがいいよ。止血はしたけど右側の肋骨が半分ぐらい折れてる。それに浸透勁打ち込んだって言ってたから、たぶん経絡系もぼろぼろになってる」

「お、まえ、か……」

 声のした方向に視線だけ向けると、呪式杖をついてこちらを見下ろしているユルギナの姿が視界に映った。あのふざけたぐるぐるメガネを見ていると、それだけでなんとなく腹が立ってくるのだが、いまは不思議と何も感じない……と、ユルギナがカエデの傍らに屈み込んだ。

「これ、お師匠さんから。渡してくれって預かってた」


 ユルギナが懐を漁って取り出したのは、師父の玄武の片割れだった。ただでさえ刀身の短い小太刀なのに、その半ばで真っ二つになってほとんど脇差と化している。手渡されたそれをぼんやり見つめているうちに、カエデの脳裏に蘇ってくるものがあった。

 そうだ。これをしたのはわたしだ。師父に朱雀を弾かれ、万策尽き果てたあのとき。振り下ろされる凶刃の軌跡をただ見るしかなかったあの刹那――わたしは玄武の『線』を見て、それを残された木刀でなぞり、斬り落としたのだ。

 周囲を探せば、朱雀も、木刀も、すぐ傍の壁際に横になって置かれていた。カエデは安堵の吐息を漏らし、また自身の記憶を遡る作業に戻った。

 勝利を確信したあの瞬間。師父は斬撃の勢いを殺さず、そのままこちらの内懐に踏み込んできた。そして流れるように反転、カエデに背を預けて、


 ――見事だカエデ。今日から、おまえが俺の第三位を継げ。

 ――そして、これがおまえに遺してやれる最後の技だ。その身に刻め。


 その直後、大瀑布のようなエネルギーの奔流が師父の背から伝わってきたのだ。

 記憶はそこで途切れている。まるで意識が頭蓋の遥か外にまで吹っ飛ばされたかのようだ。

「わたしは……負けたのか」

「いや、どうもカエデちゃんの勝ちみたいだよ? お師匠さんに訊いたら『俺の反則負けだ』って言ってたし。剣の勝負に剣でないモノを持ち込んだとか何とか。あ、それが浸透勁ってことか。なるほどねえ」

 ひとり頷き納得しているユルギナとは裏腹に、カエデの胸中は複雑だった。剣の勝負を選択したのはカエデの都合で、師父はそんなものに付き合う必要は欠片もなかった。ああも見事に気絶させられた時点で、カエデの生殺与奪の権利は握られたも同然。勝ちを譲られたような思いがあった。しかし、不意に真っ先に確認すべきだった事柄に気づいて、勝った負けたの話は頭から吹っ飛んでしまった。

「師父はどこだ!? コウは!?」

 こんなところで一息ついている場合ではなかった。周囲に視線を走らせると、師父の姿は見つからなかったが、代わりに奥の祭祀場への扉が開いていた。

「いや、だからカエデちゃん、半死半生の病み上がりなんだからちょっとは安静にしてないと……って聞いてないし」

 ユルギナの制止をガン無視して、カエデは木刀と朱雀をつっかえ棒代わりに立ち上がった。全身が悲鳴のような軋みをあげ、おまけに猛烈な吐き気まで覚えたが、それらすべてに歯を食い縛って耐え、カエデは祭祀場へと歩を進める。


 扉の外は外部回廊になっていた。森を切り拓いて築かれた敷地は残丘状に盛り上がっており、回廊がその周囲をぐるりと螺旋状に巡っている。

 吹きさらしの冷気に首を竦めながら、カエデは意識を失う前と後とで世界が姿を変えていることに気づいた。いつの間にか空が白んでいる。雨も止み、朝焼けが遠く雲の向こうを染めている。絶え間なく足元を揺らしていた振動も、いつの間にか収まっている。

 清涼感溢れる眺めだというのに、カエデの心中はどろどろの不安に支配されていた。芳しい緑の匂いもそれを掃う助けにならない。動悸がする。嫌な予感が消えない。意識ばかりが冴えて、思うとおりに進まない自分の身体がもどかしい。

 そうこうしているうちに、前方から降りてくる十名ほどの集団とすれ違った。何やら機材のようなものを運び出している。警官たちの他、ユルギナと同じ秘術師機関のローブを羽織っている者もちらほら見える。

 物珍しげにカエデに視線を送ってくる者もあったが、ほとんどは気まずそうに黙礼してそのまま通り過ぎた。もしかすると森で交戦した警官たちが混じっていたのかもしれない。だが、あいにくカエデは覚えていなかった。

 人の姿を見たのはそれが最後だった。あとは回廊の終点まで誰ともすれ違わず、ついにカエデは祭祀場に辿り着いた。開けた空き地。あたりには無数の配線やらシートやらが散らばっており、さらに黒曜石の石柱が円環状に立ち並んでいる。

 そして――その環状列石の中心に、カエデはついに探し求めていたものを見つけた。

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