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オタク落とし作戦!


カレーのお食事ついでに書きました。どうぞ。



私のお兄ちゃんは世にいう"オタク"という存在だ。



オタクといってもTVに良くでる太った様な人ではなく、痩せてて、イケメンで、学校では真面目なお兄ちゃんです。


学校から帰ってくると、冬なのに扇子でパタパタと扇いでいます。その扇子には可愛い女の子の絵(?)みたいなのがビッシリと書かれています。


私とお兄ちゃんは、一つの部屋をカーテンで2つに分けて区切っています。私が机で勉強していると、カーテンの向こうでいやらしい声が聞こえてくるのが最近の悩みです。


私とお兄ちゃんの間には、別段『壁』の様なものはありません。ですが、会話は発生しなく、私が声をかけても反応が薄いです。


そして、あることを決心した私は"オタクを落とす方法"という、事前に調べた事を思い出しながら作戦を考えます。





お兄ちゃんが学校にでかけました。今日、私は学校が休日なのでpcからオタク落とし方法をコピーし、数枚の紙束をかかえ、私は作戦を実行に移しました。




え~とまずは。

作戦内容1【標的の部屋へ侵入せよ!】。



「作戦実行します!」



意を決してカーテンの向こうの世界へ向かいました。そこは―――。



「...///」



現状は最悪です。言葉に表すのもおぞましいです。お兄ちゃんのベットの下からはみ出ている物は無視することにしました。



作戦内容2【部屋を見渡して、ポスターやフィギアの格好を覚えろ!】

部屋を見渡したそこには大量のポスターが壁に貼られ、フィギアなどはおぞましい格好で飾ってありました。

作戦内容2での注意事項。それは決してフィギアやポスターは触ってはいけない。という決まりごと。



作戦内容3【標的のベットの上探索!】



「―――申し訳ないです!作戦を実行に移せませんッ!」


「なんの作戦だ?」


「ッ?!」



私の後ろから聞こえた声が狭い部屋に怒りを表すかのように響き渡りました。すぐに、謝らなければいけない。と、分かっていても、私は振り返る事ができずその場に立ち尽くしていました。



声主はこの部屋の主。つまりはお兄ちゃんです。それを理解すると同時に、私から涙が零れました。ものすごい威圧が背後からしてとても怖かったからです。



「その紙は何だ?」



お兄ちゃんはついに、私が手に持っている【作戦レポート】と書かれたものに気が付きました。お兄ちゃんの指摘と同時に私は振り返り、走り出しました。部屋から一刻も早くでるためです。



ですが、ここはお兄ちゃんのテリトリー。当然、私は逃げることもできずに腕を掴まれ引き寄せられました。そして、【作戦レポート】を私から取り上げ、私の手が届かないくらいの高さまでレポートを持ち上げ、私の前で読み上げました。



「作戦レポートpc版―――」



私は腕を離される事なく、お兄ちゃんが作戦を全て読み上げるまで、その場で聞かされました。












「―――以下の作戦はオタクを落とすものであるっと」


「......ぅぇ...ひぐっ」



情けない事に、作戦89まであり、その一つ一つがとても恥ずかしいものでした。私も確認せずに色々と印刷していたので内容は良くしりませんでした。


作戦内容20あたりからオタク落としから外れていたと思います。



「くっくく、妹よ。貴様は変態だったのか?」


「~~ッ!」



言われても仕方がありません。私が覚えている中では、作戦内容45くらいに『露出の高いコスプレで標的に接近!その後誘惑】というのがあり、作戦内容詳細はおぞましいものでした。



お兄ちゃんの言動に、顔を真赤にしているであろう私をみて、ニヤニヤと笑みを浮かべているお兄ちゃん。

そして次の発言に私は耳を疑いました。



「――そうか、我が妹はオタクになりたいのか!」


「......ふぇ?」












それから、私はお兄ちゃんに説教という名のオタク話に付き合わされる事になりました。正直、何を言っているのか分かりません。ですが、アニメの女の子の話や愛用扇子の話をしているお兄ちゃんは、なんだか生き生きしていてとても輝いていました。


もうちょっと他の事で輝いて欲しいと思ったのは秘密です。




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