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アルビス 自由なる魔法使い  作者: ぼん@ぼおやっじ


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01-22 再臨のハム神様~双子の選択~ベアトリスの歓喜

第22話 再臨のハム神様~双子の選択~ベアトリスの歓喜



 そしてやってきましたハム神様。

 今アルビスと双子は子供部屋と呼ばれる部屋で寝ている。


 アルビスも6歳になったし双子も3歳だ。

 このぐらいの年になると親と一緒だと困ることがあるのだ。親がね。うん。


 そしてその子供部屋に窓からおしりが…じゃなかった。ハム神様がやって来たのだった。

 そのハム神様がシャランラと何かすると双子は元気に起きだし、そして周囲を確認してハム神様を見つけると歓声を上げてそのおなかに抱き付いた。

 良い調教具合である。


『いやー、ここに来るといつも大歓迎で某、照れるでござるよ~』


 しばし堪能。

 みんな大好きモフモフの巻。

 もちろんハム神様の目的は双子に精霊の卵の発生を告げること。


『いやー、惜しくも最年少記録更新にはならなかったでござるな』


 今日、ついにというか揃って双子に精霊の卵が発生したのだ。

 つまり双子にも魔法使いの才能があり、わずか三歳でその才能が開花したということになる。

 卵が孵って精霊が誕生すれば二人も晴れて魔法士の仲間入りである。


 この魔法士の才能。なにが基準になるのかというと、実は魔力回路だったりする。

 魔力回路というのは離れた位置にある魔力に指示を出すための機関なのだ。これがあるから人は魔法を司れる。

 魔力に指示を出し、制御する才能。それが魔力回路。あるいは魔術回路でもいいかもしれない。


 生活魔法は消費魔力の少なさと、指呼の距離であるという二つの環境がそろうから誰にでも使える魔法なのだ。

 なのでそこから逸脱した魔法が使えるということは魔法使いの片りんを見せたということになるのだろう。


 ただここらもまた長い道なのだが…


 さて、最年少記録はアルビスのものなのだが、二人もかなり年少なのでサポートのためにハム神様はやって来た。


 双子の才能の開花がなぜこんなに早くなったのか、それは興味が尽きない。

 なので前述の条件などを開示しての話し合いの場、検証の場が持たれた。その結果。


『やっぱりアル君の魔力訓練に巻き込まれたからでござるよ』


 という結論を得た。


 そもそも魔法はイメージだ。なので土の下位魔法を双子が使ったことは不思議ではない。

 土というのはおもちゃとして便利なのでアルビスは教わった【築城】を使って車の模型や動物の模型を作って双子を遊ばせていたのだ。

 目の前で繰り広げられる楽しい魔法ショー。大パノラマ劇。楽しければ子供は夢中になる。心に深く刻み込まれる。それはしっかりとしたイメージになるのだ。


 そして魔力訓練。自身に制御できる魔力は自分の魔力ではあるのだが、魔力同士は共鳴することが知られている。

 アルビスの膝に抱かれて魔力の揺らぎの中に身を浸していた双子は、自然と自身の魔力が活性化して、それは自然に体内で流れを形作る。

 その結果魔力回路が形成され、育ち、今回の覚醒に至った。と推測される。


 これは別に不思議なことではない。

 現在魔法使いが流派に別れて技術の継承を行っているのはこの魔力の共鳴。つまりある種の活性化した魔力の濃い場所で生活すると覚醒に至る確率が高い。という経験則があるからでもある。


『二人の精霊も直に誕生するでござるよ。

 それがどんな属性を持つかはまだわからないでござる。

 だが魔力の使い方はそろそろちゃんと教えた方がいいでござるよ。正しいイメージで魔力を育てないとあとで苦労するでござる。

 ・・・にしても若い魔法使いの誕生でござるな。楽しみな世の中になったでござるよ』


 ハム神様はそう言うとうんうんと頷いた。


 双子に一応意見を聞こうとしたらハム神様の毛並みに埋もれて二人とも夢の中だった。

 ならばこちらで予定を組んでも問題あるまいとアルビスは話をすすめる。


『当面は魔力訓練をそのまま続けるといいでござる。

 そのうえで双子ちゃんにも魔力が動くイメージを持てるように教えるでござる。

 それで魔力回路の成長は促進されるでござる。

 魔力は近しい魔力と共鳴し、壮大な〝しんふぉにー〟を奏でるのでござるよ』


 ハム神様、なんかいいこと言った。


「交響曲ってあるんですか?」


 そこ?


『まあ、慌てずおいおいでいいということでござるよ。子供は遊びの中で物事を覚えていくでござる』


 さすが神様?


『それはそれとして、それがし、盟約を果たさねばならないでござる。

 某が持つ知識の中でほしいものをいうでござるよ。

 それを伝授するでござる。

 それが神との盟約でござる』


「は?」


 いきなりだがそう言うのがあるのだ。


 ハム神様は『大精霊』と呼ばれる段階にまで至った精霊だ。

 彼らは『小神様』として信仰の対象になっている。本当にいろいろな小神様がいるのだ。

 中にははた迷惑なのもいたりするのだけどね。


 それはさておき小神様たちは『自分たちに出会った者になにがしかの力を一つ授ける』というルールを持っている。

 これは大神と呼ばれる本当の神様が決めたルールだったりする。なんでそんなルールがあるのかは知らない。


 本来、精霊の卵のサポートに来た時のことは〝出会う〟にカウントされないのだが、今回は双子のサポートに来たのであってアルビスに会いに来たのではないのだ。

 それでも、『偶然でも小神に出会ったものは祝福を与えられる』というのがルール。


 つまりアルビスとの今回の出会いはカウントされるのだ。


「いいのそれで?」


『細かいことはいいでござるよ。このルールだってなんとなくでござるよきっと』


『がーんであります』←クロノ


 アルビスは結構真剣に、はむ神様が何ができるのか聞き取り調査をした。

 その結果はむ神様は〝料理〟に造詣の深い小神様であることが判明したりした。

 ハムスターなのに。


「うーん、ならば料理に関する知識がいいかな…」


『バッチコイでござるよ』


「じゃあ、ソースとか、ケチャップとか?」


 あると食生活が豊かになりそうな気がした。

 実は過去になんどか食したことがあった。この辺りは西洋に近い食文化の場所らしく、実はソースだのコンソメだのケチャップだのは存在しているのだ。

 ただこの辺りはど田舎なのでなかなか手に入れにくいというのがある。

 なのでこれを自分で作れれば…と考えたのだが…


『それはお勧めしないでござる。つまりウィキで調べられるということでござる』


 精霊ウィキというのは精霊たちが構成する情報の雲である。精霊たちがいる知識はそこに蓄えられている。

 一般的な知識はそこで調べられるのだ。まあ、精霊の独断と偏見が混じるけど。


 つまりソースやケチャップなどは現在も、他の場所ではあるが普通に作られているのでクロノに調べてもらえば簡単にわかったりするのだ。


 なのでおすすめは一般的でない知識。

 使用頻度の少ない知識ほどあいまいになるし、極端に少なければ出てこなかったりする。

 しかしハム神様が個人で所有している知識は、直接聞く分には全く問題なく収集できる。


「じゃあ醤油とか、味噌とかはどうですか?」


『おーっ、ある君はきわどいところを攻めてくるでござるな。あれは昔は作られていたものでござる。ただ一時期自然災害で大豆が大ダメージを受けて、失伝したでござるよ。

 今でもごく一部で細々と作られているようでござるが、精霊たちはよく知らないでござる。

 分かったでござる。ある君に味噌と醤油とポン酒の作り方を教えるでござる。

 アルくんの魔法なら麹を見つけることもできるでござるよ。それを使う方法も。

 あと発酵は死属性魔法でござるから、アル殿なら手抜きでそこら辺を吹っ飛ばすこともできるでござる』


 話し方からしてはむ神様というのは昔日本的な文化があったころの大精霊なのかもしれないね。


「これぞ天の配剤」


 はい、その通りですね。

 大豆があれば魔法で発酵をコントロールして醤油も味噌も作り放題。ハム神様から伝授された知識は魔法で発酵させるプロセスまで、まるでアプリのようにインストールされていた。これなら麹がなくても自分で使う分ぐらいは作れるだろう。


 こうしてハム神様はアルビス達に素晴らしいものを残して帰っていきましたとさ。


◇・◇・◇・◇


「はい、というわけで、今日からはディアーネとエドワードも魔法の練習をしましょう」


「わーいわーい」

「まほーまほー」


 二人ともやる気満々でぴょんぴょん飛び跳ねている。

 まず確認すべきはどんな属性にしたいか。

 アルビスも重力魔法を目指して頑張った結果、クロノが時空属性になったのだ。


「「ママと同じのー」」


 うん。まあ、チビだしね。そういう感覚は分かりやすい。

 美味しい水が飲めるのも、体がきれいになるのもママのおかげだ。

 アルビスがよく使う【清潔化クリーン】という魔法ももとはと言えばベアトリスの水魔法にあった魔法。それを見よう見まねで再現したものだ。

 名前もちゃんと【クリーン】になっているので間違ってはいないと思われる。ただ微妙に魔改造されている可能性は否定できない。


「となると…母様から魔法を教わらないと…」


『しかし、3歳児では大騒ぎになるでござるよ』


「うーんそうだよなあ…」


 しばし黙考。


「よし、僕が魔法を使えるようになったということで水魔法を見せて、かあさまから教わるか」


 アルビスはもう6歳だ。早いものなら魔法を使えるようになったりすることもあったりなかったりする年である。三歳児が魔法教えてというよりも信ぴょう性はある。

 話題性も少しぐらいは低いだろう。


 どのみち双子が理屈をきいて勉強とかは無理だし、第一この二人に氷に抱き付けとか、雪に突っ込めとかいう修行法をやらせるわけにはいかない。

 これから寒い時期なのだ。ベアトリスなら、というかこの世界の魔法師匠なら絶対やる。

 あんなものが役に立つとは思われないアルビス。そんなものをかわいい弟妹にやらせるわけにはいかないと考えた。(いや、一応基本なんだよ)


 というわけで。


「きゃーーーーっ、アルビスすごいわ、その年で魔法が使えるようになるなんて♡」


 アルビスはタイミングを見計らってクリーンの魔法をなんとなくできちゃったふうに使って見せた。

 双子がウゴウゴしてます。

 真似したい模様。


『ダメであります。それでは兄上殿の苦労が水の泡であります』


 クロノ、ナイスフォロー。

 まあ、ベアトリスは舞い上がっていてそんなことに気づきもしないが。


「アルビス、明日から毎日魔法の練習をしましょう。双子ちゃんがお昼寝している時間にね」


(げげっ、そう来るか)


 まあ、仕方がない所である。


(どうしよっかなー、抜け出すの夜にしようかなー)


 不穏なことを考えつつ、しかし楽しそうにベアトリスとお手て繋いでちーぱっばなアルビスだった。


□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □


現在11月、アルビス6歳2か月。双子3歳10か月


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