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Eternal memory~永遠の記憶  作者: アンソニィ
1/2

1悲劇の事故


もしも、俺がいなかったらあいつは幸せだったはず―




五年前―



「ユーナ! 早くしないと置いてくぞー?」

「まってよユーキ君」


夏休み、俺とユーナは公園で遊んでいた。

変わらない。昨日もこの公園で遊んだ。



キキキキーーーーー……


当然だった。


一台の黒い車が俺たち目掛けて猛スピードで来た。


「ユーキ君!」


俺はユーナの手を力強く握り、精一杯走った。


ガシャーーーーン……


現実、人間の走りと車。逃げれるわけがなかった。


俺はかすかに残っていた意識でユーナを探した。


「ユー……ナ…ユーナ…」


目の前に倒れているのは血だらけのユーナ。

そしてそのユーナに一人の男性が触れた。


「まだ、意識があるぞ! 早く救急車を呼べ!」


ユーナに触るなと、言おうとしたが意識が遠野っていく。



「ごめんな……」


最後の最後で俺はそう言った。



~一週間後~


ユーキが目を覚まして三日が経った。


「……」

「三日間、ずっと彼は鏡を見つめているよ」

「自分が誰なのか、確かめているのかしら」


ユーキは横にある鏡をジッと見つめていた。

彼は交通事故で頭を強くうち、記憶が無くなってしまった。


何もしゃべらず、ただ鏡を見つめていた。


「それにしても、車の主はまだ捕まらないのかしら」

「ああ……警察も手を引いたよ」

「どうして?まだ一週間じゃない」

「何か理由があるんだよ」


看護士達は、ひそひそ声で話していた。


「……ユー……ナ」


突然、ユーキが口を開けた。

それじゃ確かに「ユーナ」と言った。


「え……」

看護士もびっくりしたように目を丸くした。


「ユー……ナ……どこ……」


一生懸命に喋ろうとするユーキに、看護士も

涙目になっていた。


ユーキが入院してきて一週間、誰も見舞いには来なかった。

両親も、友達も、誰も。


「ユーナちゃんはまだ寝てるわ」

そっとユーキの手を握り、優しく言った。


「ユー……ナに……会いたい……」



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