表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/52

親友の館で、白馬の騎士の胸の中で眠りました

戦いの終わった後、私は移動すると言うルヴィに抱えてもらってシロに乗せてもらった。

そして、走っている間、ルヴィにしがみついて何とか耐えたのだ。

今回はルヴィもゆっくりと走ってくれた。

そして、それも、1時間位で降ろしてもらって休憩したのだ。


もう私はへとへとだった。


なんかルヴィも顔を少し赤くしていたが、何故か判らなかった。

熱でもあるんだろうか?

でも、私は到底人の事を構っていられる余裕はなかった。


「悪かったな、エリ。馬に乗るのがこんな大変だと知っていたら馬車を持ってきたんだが」

ルヴィが謝ってくれた。


「いえ、乗れない私が悪いのよ」

「うーん、しかしこのペースでいくとブレーメンまで4日はかかる。その間に必ず、今度はエンゲル軍が襲いかかってくる可能性があると思うんだが」

ルヴィは困った顔をした。


「ルヴィ、何とか我慢するから飛ばしてくれていいわよ」

私は覚悟を決めて言った。


「うーん、しかしな」

ルヴィは腕を抱えて考え込んでしまった。

これも乗馬の練習をサボった私が全て悪いのだ。

どうしよう?

私も少しは考えたのだ。


「そうだ。この近くのクレンツェ伯爵家のツェツィーリエとは、学園時代の親友なの。彼女は用ができたとかで早めに領地に帰ったけれど、そこに行けば馬車を貸してくれるかもしれないわ」

私は思いついて言った。


「クレンツェ伯爵の令嬢と友達なのか。あそこは海に面していて船も寄港できたな。船を借りられたら、ブレーメンまですぐに行けるかもしれない」

ルヴィが乗ってきた。


「船なんて貸してくれるかな?」

「クレンツェ伯爵家とは確か帝国も取引があったはずだ。なんとかなるだろう」

ルヴィの言葉に私達はクレンツェ伯爵家に行くことにしたのだ。


私達はその後、休み休み移動した。疲れた私はルヴィの胸の中で寝たりしていた。


そして、夕方にようやくクレンツェ伯爵家に着いたのだ。私がいたからだと思う。私はとてもルヴィに悪いと思ったのだ。ルヴィは気にするなと言ってくれたけど。



「アデリナ、無事だったの?」

応接に案内された私を、やってきたツェツィは抱きしめて聞いてくれた。


「えっ、なんで私が襲われたって知っているの?」

私は慌てて聞いた。まだ情報が伝わるにしては早すぎる。


「えっ、いえ、何かクラーラ様達が企んでいるような噂を聞いたから」

しどろもどろになってツェツィが答えてくれた。


「そうなの。いろいろあったんだけど、ルヴィが助けてくれたの」

「ルヴィ?」

「私の幼馴染なの」

私がルヴィを紹介した。


「ルヴィです。帝国の騎士をしておりまして、アデリナ様の身を帝国のディール伯爵家まで護衛するように伯爵家から依頼がありまして」

ルヴィはもっともらしく言ってくれた。


「そうなの。アデリナは帝国に行くの?」

ツェツィの目が光ったような気がした。


「おそらく、そうなると思うわ」

「そうなんだ」

私の答えにツェツィは普通に答えてくれたが、何か少し変だった。


「ツェツィ、出来たらあなたのところの船でブレーメンまで送ってもらえたら嬉しいんだけど」

「判ったわ。お父様に聞いてみるわ」

出ていったツェツィは少し経って、父親と思しきガッチリした体格の人間を連れてきた。


「これはこれはアデリナ様。災難でしたな」

伯爵は挨拶した後私の事を案じてくれた。


「それでブレーメンに行かれたいとか」

「伯爵、こちらで何とかなりますでしょうか」

ルヴィが金貨の袋が入った小袋を渡してくれた。


「これはこれは。これだけあれば十分でしょう。船は明日には出せます」

伯爵は現金なものでルヴィから金貨を受けとると急に機嫌が良くなった。


私達を歓待してくれようとした伯爵を、疲れているからという名目で私達はさっさと用意された部屋に入ったのだ。

部屋はルヴィと隣り合わせだった。


ルヴィは心配だからと私がお風呂に入る間、寝室にいてくれたのだ。

まあ、小さい頃は一緒にオフロに入ったこともあったので、問題ないと思ったのだが、流石に一緒に入るのには抵抗があったし、隣りの部屋にいられるのも少し恥ずかしかった。


けれど、私は久々の湯船に浸かってホッとした。


ルヴィはツェツィが少し怪しいと言ってくれたが、私はそうは見えなかった。

ツェツィとはお互いに外国人だったから仲良くなれたのだ。

私がハウゼン王国に帰る時に一緒に遊びに来たりもしていた。

だから、父も母も知り合いだった。両親がなくなったと聞いた時は一緒に泣いてくれたのだ。


ハウゼンが滅ぼされた後もツェツィだけは私と仲良くしてくれた。

1ヶ月前にどうしても先に帰らなければいけなくなってとのことだったが、今見た感じは私を裏切ったりはしないと思った。



風呂から上がって、寝ようとした時だ。

ルヴィが一緒の部屋で休むと言い出したのだ。

「えっ、でも、ルヴィに悪いわ」

私が言うと、

「気にしなくて言い。俺は騎士だから床に寝るのもなれている」

ルヴィが言ってくれたんだけど、

「それは悪いわよ。ベッドが広いから一緒に寝れるわ」

私はそう提案したのだ。


まあ、ルヴィとは昔はよく一緒に寝ていたし、

「でも良いのか?」

「何言っているのよ。今更じゃない。昨夜も一緒に寝たし」

そうだ。先日はくっついたツインベッドで一緒に寝たのだ。

私は問題ないと思おうしとした。



でも、ツインベッドとダブルでは感じが違った。

布団が完全にくっついている。

私の心臓がドキドキ言っているのが聞こえるのではないかと思えるほど気になった。

ルヴィは昔からイケメンだったけれど、改めて、横目で見ると、更にイケメンになっていたし、騎士になったからか体つきもがっしりしていてとても逞しかった。そのルヴィが横にいると思うとなんかドキドキが止まらないのだ。


「何だ、やっぱり、寝れないのか。なら俺が床で寝ようか」

「ううん、傍にいて」

私は思わず口にしてしまった。

何を言っているんだ。そうじゃなくて……


「じゃあ、昔やったように抱いてやろうか」

「えっ、いえ、そんな」

私は赤くなった。


「いろいろあったから興奮してねれないんだろう」

そう言うとルヴィは私を抱きしめてくれたのだ。子供の頃たまにしてくれたように。雷を怖がる私は、雷雨の時などよく、ルヴィの布団に潜り込んでいたのだ。


でも、今されたら、さすがに変だ。私は真っ赤になった。そんな、イケメンに抱かれるのなんて、なれていない。

最も昨夜はルヴィの胸で思いっきり泣いてしまったけれど……


ルヴィの体はとても暖かかった。

その暖かさは久しぶりに私が感じるものだった。

ドキマギしていたけれど、疲れていたのか、ルヴィの暖かさに癒やされたのか、私はいつの間にか寝てしまったのだった。


ここまで読んでいただいてありがとうございます。

果たしてツェツィは味方なのか?

続きは明朝です。


続きが気になる方はブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

私の最新作はこちら

『傭兵バスターズ』元剣聖と悪役令嬢率いる傭兵団の冒険活劇https://ncode.syosetu.com/n3697jc/



アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


この話の

前の作品で二番人気の作品はこちら

『【電子書籍化決定】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/

私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ