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退役兵士と砂糖人形  作者: 凪雨タクヤ
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忌々しい贅沢品

「それならこれはどうかな?」


今度は磁器の皿を出す。

金や紅で装飾が施されたなんの変哲もない皿である。しかし不思議とこの洋風を取り入れた屋敷

にはピッタリと合う。この忌々しい贅沢品には妙な魅力がある。


「で?」

「で?とは?」

「私はあなたの持ち寄った話や本が楽しみでここに座っているのだけれど。」

「あ。」


人は歴史や過ちを繰り返すものとかなんとか言うが、ここまで早いフラグ回収はなかっただろう。

「コホン。ではまずはこの皿の話からしようじゃあないか。」


これは僕が体験した話ではないが、信頼のある人から聴いた話だよ。

その友人は銀行家として成功を得て、かなり裕福な生活を送っていた。

彼は富を誇示するために、贅沢で豪勢な宴会を開いては著名な人を招いていたそうだ。


なんと彼は新しい料理が出てくるたびに召使に命じて家沿いの川に前の料理を盛り付けていた白や黄金の皿を投げ込んでいたそうな。


しかし彼の友人は口を揃えてこういうのだ。「彼は倹約家だと。」磁器の皿、特に装飾や名が入った皿はとても高価で盗みの被害によく合うものだった。ルイ14世やルイ15世も、戦争による出費で国庫が圧迫されたときは皿を売っていたほどに高価なものだ。そんな皿も川に放り込むなんて見世物をされちゃあ盗人もやる気を失うだろうね。なんと彼は川に網を仕込んでおり、客が帰ったあとにその皿を全て回収していたんだ。財力を誇示するだけではなくて、盗みの予防策まで練っていたとはね。

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