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ディフェレンター  作者: 論です
2章 キマイラ編
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69話 二人のお出掛け 2

俺とミアがまず向かったのは雑貨店。

特に何か用はないが雑貨店だ。何か死徒との戦闘で使える便利なものでもあれば程度の感覚でやってきた。


(はぁ、こんな時にも死徒の事を考えてしまう自分が悲しくなるな......)


そんなことを思いながら歩いていると、あるものに目が留まる。

球体の透明な容器のようだ。中に小さな建物や人形がある。


「なぁミア、これなんだ?」

「これは、スノードーム。振ってみて」

「おぉ、すげぇ......」


言われた通り球体を軽く振ると、容器の中で白い粉のようなものがゆっくりと舞い雪が降っているようになった。


「買うの?」

「一個買ってもいいかな。綺麗だし......どうした?」

「アルト......ううん、なんでもない......」

「そっか? じゃあ買ってくるな」


ミアが不思議そうにしてるのが気になったが俺は構わず会計を済ませた。


次に向かったのは本屋。

ミアが買いたい本があると言ってやってきた。

特に見たい本のない俺は、ミアの買い物が終わるまで適当に目に付いた本を取って見ていた。


「異能力の歴史。異能力とは人間が元から持っていたものではなく、何者か人々にが与えた異物だろう。か、何者かってなんだよ。神ってか?」


大人気と帯に書かれていたので手に取ってみたが、いかにも難しいものだったので俺はあまり中身を見ずに本を閉じる。


「何が大人気だ。嘘つけ。だいたいこういうのを読むのは頭のいい哲学者くらいだろう? 俺には無理だ。よく分からん。というか調べるなら異能力より死徒に関して調べてくれよ」


この場に居もしない作者に愚痴を吐きながら俺は隣の棚にあった漫画を読むことにした。


「こっちの方が全然読みやすくて面白いわ」


漫画を読み始めて少しすると、買い物を終えたミアが帰ってきた。


「アルト、ただいま」

「お帰り。次どこ行く? 俺はどこでもいいけど」

「じゃあ、少し......服みたい......」

「了解。じゃあ行くか」

「うん」


次の目的地が決まったのでそちらへ向けて歩き出す。


(異能力は何者かが与えた異物か......)


「アルト?」

「なんでもないよ」


さっきの本の言葉が少し気になったが、今はどうでもいいと頭の隅に追いやった。


------------------------


服屋にはそろそろ時期も夏ということでそれに合わせた夏服が多く並んでいる。


「夏と言ってもどうせ学園で過ごすだろうしなぁ......」

「夏になると二ヶ月くらい夏休みがあるよ」

「へぇ、でもどうせその休みのも、ちゃっかり遠征とかあるんだろ?」

「ううん。遠征も依頼もない。普通に休み」

「まじか。なんか意外」


普段から生徒達が自由に休めているのだから長期休暇はないと思っていたが、そこは学校としてちゃんとしているらしく、少し見直した。

二ヶ月も遠征や依頼なしで大丈夫なのか? と思うが学園が休みと決めてるのならそれでいいだろうと結論付ける。


「いやでも夏休みとは言え暑い中、理由なしに外出たくないな」

「アルトは、休みの間どうするの?」

「どうするも何も用事ないし......部屋でゴロゴロしてるよ。あと体、鈍らないようにちょっと特訓したり」


さすがに学園や食堂は開いてるだろうが、休みの日まで学校で勉強したいとも思わない。宿題は一応やるが。


「アルトは、夏、暇なんだね?」

「多分暇してるよ」

「そうなんだ......」

「そうだよ」

「......そう」


話していくうちに段々ミアの声が小さくなっていくのに気がついた。どうしたのかと見てみるとミアが顔を赤らめてうつ伏せている。

すると、いきなり顔を上げ途切れ途切れ話し出した。


「その、アキハが、暇なら、みんなで海......行こうって......言ってて......それで、その......」


最後の方はしどろもどろになり聞こえなかったが、要はみんなで海に行こうというお誘いだ。


「......海」

「うん......ダメかな......?」

「いや、ダメじゃないけど......」


なかなか答えを出せず渋っているとミアが上目遣いで見つめてくる。それはずるい。

断る理由もないし、夏休みも恐らく暇だろうから別にいいのだが。それよりも根本的な問題がある。


「あのさ、ミア」

「うん」

「海って......何?」


海が一体なんなのかを、俺は知らない。

アルト君、海知らないんですよね。だって彼、田舎者ですもん!

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