67話 ミアの相談
今小説以外にモチベないから結構スラスラ書けます。
アルトが帰った後も食事を続けていると、また珍しい客がやってきたわ。
「アキハ、カザミ...今いい...?」
「あらミアどうしたの?」
「ミアどうしたんですか?」
「実は...」
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「よし殺そう」
「待ってアキハ、気持ちはわかるけど待って」
何故アキハが殺意を抱いているのか、それはミアの相談を聞いたからで、ミアの相談は私達が思っていた以上のものだったわ。
「ミアもう一度話してください。私の聞き間違いですよね?何かの間違いですよね?」
「もう一回...少し恥ずかしいけど...わかった...」
アキハの無茶振りを聞いたミアは少し顔を赤らめながら先程話したことをもう一度口にしたわ。
「その...最近、アルトといると...その胸が高鳴るっていうか...なんか他の誰かといる時よりも、心臓の鼓動がうるさく聞こえて...よくわからないけど、今もアルトの話をしてるとドキドキして...」
そう、これは聞いての通りミアの恋愛相談なのだわ。
「わかりました。もういいです。大丈夫です。アルト殺してきます。これで一件落着です」
「アキハ、あなたは少し静かにしてなさい」
一度騒がしいアキハを黙らせて私は落ち着いて、冷静にミアの相談に乗る。
「えーっとそうね。ミア?それがどういう感情かはわかってるのかしら?」
「ううん...誰かにこういう感情抱くの初めてだから...相談した」
「そうね。そうよね」
どうやら冷静になってるようで私も焦っているようだわ。一回落ち着いて、エルモアにコーヒーを入れる時のように落ち着いて...はい、落ち着いたわ。
落ち着いた私はもう一度ミアに質問する。
「じゃあミア?その感情を抱いたのはいつからかしら?」
とりあえず私はミアがその感情を持ち始めた時期を聞くことにしたわ。
するとミアは少し恥ずかしそうに指をいじりながら答えたわ。
「その...この前の依頼以来...」
「ぶっ...依頼...以来...」
「アキハ、変なところに突っ込まなくれるかしら?話が進まないのよ」
余計なところに口を出すアキハをもう一度黙らせ、私はミアに話を続けるよう促す。
「それからアルトと一緒にいると...あまり目が合わせられなくて...でもその理由が自分じゃわからなくて...誰かに言うの恥ずかしいから...」
「だから相談にね...この前の依頼と言うとロレイと遭遇した時かしら?」
「知ってるの...?」
「ミアが来る前にアルトが来て少し話しましたわ。アルトの方もミアのことを気にかけていたよう...で?どうしたのかしら?」
アルトの名前を出した瞬間、ミアが顔を真っ赤にしてうつ伏せてしまった...これは重症ね。
私はやれやれと思いながら話を続ける。
「ミア、結論から言うと貴方の抱いてるその感情はこ...むぐっ!ちょっとアキハ何をするの!?」
私がミアに言おうとした時、アキハが私の口を塞ぐように抑えてきた。
「あはは、ミア、少し待っててくださいね。ちょっと作戦会議してきます」
アキハは事情も伝えず私を連れ食堂を出た。
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食堂を出て少ししたところでアキハが私を解放する。
「はぁ...いきなり何するのよ!何?静かにしてなさいって言われた恨み?」
「その程度で恨み持つわけないじゃないですか。アルト相手じゃあるまいし」
「アルト相手ならするのね...」
アキハの相変わらずぶりに思わず溜息を着く。
「それで?作戦会議とは何かしら?」
「あーそれですけど...カザミ、ミアの抱いてる感情のこと教えようとしましたよね?」
「?もちろんよ。相談されてるのだから答えるのは当然の義理だわ。それに友達ですし...」
友達と言う言葉を口にした時顔が熱くなったのは気のせいであって欲しい。
「カザミちゃんは妙なところで貴族出しますね」
「妙とは何よ妙とは!私は立派な貴族育ちですわ!そこまで有名じゃないですけど...」
貴族と言ってもそこまで地位の高くないのであまり大口は叩けないわ。
アキハが私の様子を見て呆れたように、そして、
「カザミちゃん、今のミアどう思います?」
「どうって?何よ?」
「今のミア、可愛くないですか?いえ、いつも可愛いですけど、あの照れ恥じらってるミア可愛くないですか?」
「まあ、確かにそうね。恋する乙女って感じよね」
「あの初な可愛さ、見守りたくないですか?」
「どういうことかしら?」
「今ミアは自分がアルトに恋してることを気づいてません。だからあんなに初で可愛いんです。ですのでここは敢えてミアにその感情のことを教えずに自分で気づくのを待ってみませんか?」
悪魔のような笑顔で言った。
先程まで殺そう殺そう言ってた人物と同じとは思えないほど変わりっぷりだった。
そしてこれは言わいる悪魔の取引というものだわ。
「アキハ貴方...」
くだらないことを言うアキハに私は頭を抱える。
私はミアの友達で仮にも貴族。そんな悪魔の取引なんて...
「いいわ。そうしましょ」
乗るに決まってるじゃない!
ごめんなさいミア。でも、私も可愛いミアを見てたいのよ。
そう心の中で謝りながら食堂に戻ることにした。
「カザミ今、悪魔みたいな笑顔してますよ」
誰が悪魔よ。
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食堂へ戻るとミアが律儀に水を飲んで待っていたわ。
「待たせてごめんなさい」
「大丈夫...」
「それでさっきの話の続きだけど...」
私はアキハに相槌をうち食堂前で話したことを口にする。
「ミア、貴方のアルトに抱いてる感情については私達からは何も言えないわ」
「どうして...?」
ミアが不安そうな顔で聞いてくるわ。そんな表情も可愛いわね。
私はニヤケが顔に出ないよう努力し答える。
「確かに私達ならその感情が何かはわかるわ。けど、それを今教えたところでミアのためにならないの」
本当はそんなことないけど、
「人に聞くんじゃなく、自分でその感情を理解するのが大事なのよ。だからごめんなさい」
「そう...わかった。アキハ、カザミ、相談乗ってくれてありがとう...」
ミアが純粋な笑顔で私達に感謝を述べる。
ちょっと純粋過ぎて騙してる自分の心が痛むわ。
アキハも隣で喚きながら悶えてるし。
「ミア、ちょっと待って」
私はせめてもの償いとしてミアにあることを提案する。
「その...明日、アルトと外出でもしてきたらどうかしら?」
「それはいいですね!是非行ってきてください!アルトと!二人きりで!」
さっきまで静かだった(断末魔はうるさかったけど)アキハが食いつくように口を挟んだ。
「急に言われても...アルトが迷惑なんじゃ...」
ミアの不安は真っ当なものね。
「そんなことないですよ!むしろアルトの方が歓迎するかもですよ!」
「そう...かな...?」
「大丈夫です!ミアは可愛いんですから何も心配する必要はありません!アルトには私から伝えておきますので!ミアは予定空けといてくださいね!ちゃんとオシャレして行くんですよ?」
まるで母親かと言わんばかりの勢い。
最初に言ってた時とは真逆ね。素晴らしい手のひら返しだわ。
ゲスどころか一周回って優しいわね。
「まあ、そういうことよミア。たまには二人で楽しんできなさい」
私も後押しするように言う。
そのままアキハの勢いに負けたミアは食堂を後にした。
「カザミちゃん、さっきのあれはナイスでしたよ」
「うんまあ...ちょっと良心が傷んだものだからつい...」
「そうですね...今度からミアを騙すのは極力やめます」
「私もそうするわ」
げっそりとした沈黙がアキハとの間に流れる。
なんか妙に疲れたわ。騙すなんて柄にもないことしたからかしら?
喉が渇いたので水を飲もうとした時、アキハが何かを思い出したかのように呟いた。
「この際、カザミちゃんもエルモアと一緒にデートしてきたらどうですか?」
「はぁ!?なんで私がエルモアと?」
急なものだったから思わず下品な喋り方になってしまったわ。
「だってカザミちゃんも今のミアと同じようなものじゃないですか。あとお嬢様キャラじゃなくなってますよ」
「ごっほん...どうして私がエルモアとデートしなきゃならないのかしら?どこがミアと一緒なの?」
アキハに指摘された私は冷静を装うように咳払いをしいつもの口調を取り戻す。
「今何か失礼なこと考えてませんでした?」
「なんのことかしら?」
妙に鋭いアキハを軽く受け流す。
「とにかく、私は別にエルモアのことをどうとも思っていませんわ!少しカッコイイと思うところはありますけど...恋愛感情なんてありませんわ」
「ミアというよりアルト側でしたか...」
「アキハ!!」
最後までおちょくってくるアキハを掴みかかろうとした所でその場に居合わせた生徒長に追い出されてしまったわ。
「全く、誰かさんのせいで!」
私は怒ったふうに見せるも、久しぶりに三人で話せたことに頬を緩ませながら部屋に戻った。
今回カザミ視点で書いたのですが...
すげぇ難しかったです。
アキハの方は敬語を多く入れればそれっぽくはなったのですが、カザミはそうは行きませんね。
お嬢様キャラの一人称視点の地の文はほんとどうすればいいのかわからず、かなり悩んでしまいました。
結局、お嬢様口調+いつもの口調で書きました。
いくつか文章的におかしい部分あると思いますがそこは指摘していただけらば助かります。
お嬢様キャラの一人称視点、あまり何度も書きたくないですね...
さて次回は...アレです。一応二回目となる...アレです。
最後までご愛読ありがとうございます。次回も是非見て下さい。




