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ディフェレンター  作者: 論です
1章 東洋編
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57話 影陰の弱点

そろそろ一章も終わりそうです!

長かった!!いや、そうでもないか?

二人のアルト。ロレイはそう言った。

このタイミングで現れたのだから恐らく確信づいているのだろう。()()()の存在に...

俺はロレイの言葉を斬り捨てるように無言で刀を構える。

そして、不意を着くように距離を詰め、刀を振り抜く。が流石身体能力バケモノ。同じ技は通じない。


(前回の戦いの時点で見抜かれてたんだそれもそうか)


そんなことを内心思いながらも次の動きへ移る。

刀を振り切った所でアイツと入れ替わる。

それにより普通じゃありえない動き、筋肉の伸び切ったにも関わらず再び刀を、最初の一撃に劣らない速度と威力で斬り掛かる事が出来る。

しかし、俺の刀をロレイはいとも簡単に捌いた。

そして、お返しと言わんばかりのカウンターを放つ。

俺は再び入れ替わることで避けたが、体勢が悪い。追い討ちに対応出来ない。

流石にと思ったかアイツが強引に入れ替わり体勢を立て直す。

少し体が痛いがお陰でなんとかロレイの追い打ちを防ぐことが出来た。

だが、事態はあまり宜しくない。


「今の一連の動きでハッキリした。ロレイはお前の事もわかってるし、入れ替わりの()()()()とタイミングもバレてる」

『ああ、そうだろうな。あそこまで的確に攻められれば間違いないだろ』


どうやらアイツも同じように考えたらしい。


「折角だし、お前のその入れ替わりの答え合わせでもするか?」


ロレイは楽しそうに言った。


「お前のその入れ替わり。最初は単に速いお前と一撃の強いお前の入れ替わりだと思ってたよ。でも違う。お前らのその入れ替わりはありえない動きを成す為の入れ替わりだろ?」


やっぱバレてるか。


「例えばお前が刀を振った状態からもう一人のお前に入れ替わる。普通なら刀を振ればその勢いで弧を描くように腕や体は動くが、入れ替わることでその勢いを殺し、別方向へ切り替えすことが出来る。そうだろ?」

「...」

「ついでに教えてやる。お前ら入れ替わった時それぞれ特徴があるんだよ」

「...」

「速い方のお前は目が金色で、攻撃力の高い方のお前は目が紅い。わかりにくいが判断は着く」

「...」


入れ替わりのメリットを暴くどころか俺達の特徴まで当てるとは...当たりすぎて何も言い返せない。

奴は身体能力だけじゃなくて観察力もバケモノか。

一度見ただけでその技を見抜く。そして、それに対応した動きを取れる。

天賦の才能って奴なんだろう。または戦いの天才か。

どちらにせよ、


(バレたならバレた上で戦うしかない!)


俺は縮地で距離を詰め、刀を振り上げる。


「影陰乱舞...皐月...影翔流転!」


ロレイは一歩後ろに下がり避けると同時に、カウンターを放つ。


「ちっ!」

ロレイの腕が届く寸前で俺はアイツと入れ替わり、刀を振り下ろして斬り落とす。

そして、再び入れ替わり無防備な所に二撃目の影翔流転を放つ。

しかしロレイはそれすらも読んでいたのか、体を不安定にすると引き換えに俺を蹴り距離を離す。

そのせいで刀はギリギリのところでロレイには届かず空振りとなった。


『くそっ!野郎強えな。なんで今のを避けられんだよ』


アイツは愚痴を吐き捨てる。

まあ気持ちはわかる。わかるんだが...


「今の...もしかしたら()()()んじゃねぇかな?」


俺は別の可能性を考えていた。


『何言ってんだお前。届かなかったから野郎に避けられたんだろ。こんな時に馬鹿言うな』


む!馬鹿とはなんだ馬鹿とは!


「俺だって何も考えてない訳じゃないんだよ!それに!俺がしてんのはもしもの話!可能性ある話を根本から否定するな!」

『可能性ないから否定してんだろ!実際、野郎の腕に刀が届いてないから斬れてないんだろ!』


アイツは現実を突きつけるように言った。

ん?なんか食い違ってる?


「確かにロレイの腕に刀は届かなかったけど...誰が腕って言った?」

『は?お前何言って...』

「お前らさ、二人で喧嘩するのはいいよ。見てて面白いし、ただ、今この状況でそれするって何?余裕あんの?それとも俺舐められてる?」


一人会話に入れず取り残されていたロレイが痺れを切らしたのか口を挟んだ。

決して...決して忘れてた訳ではないが、ロレイの一言で戦いの緊張感が蘇ってきた。


「あー悪い悪い。ちょっと作戦会議してた。それと、俺らはお前を舐めちゃいないよ。お前強いからな」


言い終えると同時に俺は飛び出す。


「その縮地も何度も見た。もう見飽きたぜ」


ロレイが手を前に出すと、進行方向となる目の前の空間が重力によって歪まされた。

咄嗟にアイツと入れ替わる事で縮地を止め、避けることが出来たがロレイは俺の動きを予測していたらしく、避けた先で拳を構えていた。


『ちっ!クソがっ!陰の技(かげのぎ)境地(きょうち)...陰斬り(かげきり)!!』


アイツは体を拗らせながらロレイの腕を斬る。


(...いやあのさ、俺の体なんだからもう少し大事に扱ってくんね?)


俺の心配を無視してアイツはロレイに追い討ちをかけようと踏み出すが、ロレイは斬られた腕をすぐに再生させ攻撃を続けるかのように拳を放つ。


『陰の技境地...陰斬り!!」


避けられないと判断したアイツはロレイの足を斬った。

それによりロレイは体勢を崩し、拳は頬を掠れた。

危うかったがなんとか直撃を避けることが出来た。

しかし、これでは終わらない。体勢を崩したはずのロレイは何事も無かったかのように足を再生させ立ち上がり、再びこちらに向かってくる。

アイツも『早いんだよ!』と文句を言いつつ応戦する。

ロレイが下手な演技であからさまな油断を見せた。

当然、それが誘いだというのは俺もアイツもわかってる。

アイツはそれを承知した上でロレイに斬り掛かる。


「馬鹿かよお前!」


ロレイが呆れた表情でアイツに罵声を浴びせる。

恐らく、もう少し出来るやつだと思ってた。というガッカリした()()だろう。

ロレイは体を捩り、刀を躱して、真上から踵落としを放つ。


『勝手にがっかりすんなよ』


アイツは罠だとわかった上で斬り掛かった。そして、それを止めなかった俺も同じだ。

ロレイの足が当たる直前でアイツと俺は入れ替わり、体を回転させながら避け、ロレイと向き合ったところで突きを放つ。


影陰乱舞(えいいんらんぶ)如月...影突(えいとつ)!」


俺の動きにロレイは少し目を見開くが、すぐに冷静になり、首を傾けるだけ避けた。

さすが、身体能力バケモノ。この程度は焦るうちに入らないか。

俺はさらにそこから、左腕を支えに体を起き上がらせ、回転の勢いに任せたまま刀を振るう。

が、流石にここはロレイの方が一歩速く、見事に躱された。

ただ今のも...()()()()()()()()()()()()()()...

俺が()()()に頭を悩ませているとロレイがこちらを指差し言った。


「なぁ、お前の弱点もう一個教えてやろうか?」


俺の弱点?


「お前の弱点、それは技が弱過ぎる」


------------------------


「お前の技どっちのやつでも喰らえばそれなりの威力になる。だが、条件が厳しすぎる」


条件。

あまり考えたことは無かったが、確かに思えばそうだ。

単純に剣術という時点でまず相手に当たらなきゃ意味が無い。

仮に相手に当たらなくても影陰(かげ)を斬れば攻撃は入る。

じゃあ、どちらも不可能の場合は?

影陰もなく、攻撃も当たらない。

入れ替わりを使って攻撃のテンポを速くしたり、ありえない所からの攻撃をしてもロレイみたいに見抜かれればそれで終わりだ。

そうだ。俺の悩んでいた違和感の正体はこれだ。

ロレイの指摘で俺は自分の抱いていた違和感に気づいた。そして、同時にそれに対する答えも。

ただそれは...いや、やって見なきゃわからない。

俺は瞑想するように眼を閉じ、集中力を高めると同時に影を一箇所に集める。


「お前の技は強力な代わりに発動のしない...言わば諸刃の剣だ」

「諸刃の剣...か...良いじゃねぇの」

「...今馬鹿にしたんだけど?何が良いんだ?」

「俺は完璧じゃない。なんなら出来ない事の方が多い()()()()()だ。そんな俺がなんのデメリット無しに強敵に勝てるなんざ思っちゃいねぇよ」


影が()()()()に集まるのを感じる。どうやら上手くコントロール出来てるらしい。


「ヒュウガ、お前がどういう意図で俺らに戦いを見せたかは知らん。ただアイツは自分にとって都合良く捉えたらしい。新しい技を生み出したらしい。じゃあ、俺もそうさせてもらうわ」

「何言って...」

『待て!馬鹿!それはやめろ!』


ロレイが言い終えるよりも先にアイツが俺の狙いに気づいたらしい。

けど、もう遅い。十分過ぎるくらい集まったというより、()()()


『本当ににやめろ!お前!取り返しのつかないことになるぞ!』

「これは、ロレイに勝つひとつの回答だ。それにお前だって似たような事したんだ。お前だけはずるい。俺にもやらせろ」

『オレとお前のじゃ規模も何もかも違う!今すぐやめろ!』


言う事を聞かない俺に無力化しようとアイツは本気で止めてきた。

それと同時か、少し遅いか、何か危険を感じた様子のロレイが無言で殺気だけを込めこちらに向かってきた。

...残念ながらどちらも手遅れだ。

俺は眼を開け、刀を振るう。


影斬り(かげきり)...」


しかし、その刀がロレイに届くことは無かった。

ロレイはまだ間合いに入っていなかったからだ。

空振り。

俺以外の二人がそう思っただろう。次の光景を目にするまでは...


「...ッ!!」


約三秒後の事だ。

ロレイが拳をこちらに向けた時、そこでようやく奴は自分の腕が斬られている事に気がついた。

バレンタインまでに一章終わらせたい!

そして、ディフェレンターでバレンタインのss書きたい!!

そのために更新ペースアップ?暇がないんじゃあぁぁぁぁぁ!!

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