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ディフェレンター  作者: 論です
1章 東洋編
55/154

54話 過去と断言

書くことのないこの頃。

ほんとに書くことないです。

「ミア、大丈夫か?」

「うん...大丈夫。酷い怪我じゃなかったし...手当もしてもらったから...」

「そうか...それなら良かった」


ロレイとの死闘を終えた...と言っても仕留め損ねたが。とにかく、俺はミアを連れ村へと戻って来ていた。

本人も言った通り大した怪我ではなかったが、体力が尽きた状態で何キロもの重力に押さえつけられ、精神的にも打ちのめされたんだ。いくらミアと言えど辛いものはあるだろう。

俺は抱える形でミアを村まで運んだ。

幸い村を脅かしていた使徒はミアが全滅させてくれていたお陰で道中は安全に、後に俺が一人で森を歩き回る手間も省けた。

そして今、村の人達から手当を受けたミアをベッドに寝かせ、俺はその横で看病していた。


「...じゃあ、俺はこれで」


本人の口から「大丈夫」と聞けたので俺も部屋から出ようとした時、


「ちょっと...待って...!」


ミアが俺の服を掴み引き止めた。


「ミア?」


振り返り聞くとミアは弱々しい声で言った。


「アルトに話さなきゃいけない事がある...」


俺は黙って座り直し、話を聞く体勢を取ると、ミアは真剣な表情で語りだした。


------------------------


元々話すつもりはなかった。話したら軽蔑されると思ったから、幻滅されると思ったから、私の居場所がなくなると思ったから。

でも、アルトは、私の事を絶殺ではなく、一人のパートナーとして見てくれた。

その優しさに自然と私の口は語っていた。

私とロレイの...記憶を...


私とロレイが出会ったのは今から二年半くらい前...

当時から絶殺と呼ばれていた私は学園長の指示ではパートナー組まず、チームにも入らず一人で行動していた。

学園内ではアキハやカザミと一緒にいたけど、遠征や依頼の時はいつも独りだった。

そんなある日、ロレイが突然編入してきた。学園長の推薦らしい。

そして、ロレイは学園長の指示で私のパートナーとなった...


「ちょっと待って」

「何...?」


話の途中に不思議そうな顔をしてアルトが口を挟んだ。


「話の展開早すぎない?えっ何?そのパートナーになるまでになんか無かったの?評価戦とかパートナーになる前に変な土使う奴と戦うとか」

「無かった...ダイチも絡んで来たけど、学園長が全部押し退けた...」

「俺の苦労はなんだったんだよ...」


アルトが落胆したように肩を下ろす。

ただ聞きたい事は聞けた様子だったので私は話を続ける。


「ロレイとパートナーを組んでからは頻繁に依頼に行った。それこそ、週に一回くらいには」

「そんなに行って大丈夫だったのかよ」

「二人ともほとんど怪我しなかったから...」

「俺が弱いだけなんか、お前らが強いのか...どっちにしろ悲しくなるな」


アルトは余計落ち込んだ。


「大丈夫だよ...アルトは強いから...私を助けてくれたし...」

「そりゃ...まあ、パートナーだし?助けるのは当然だよな......ええい!もういいよ!話し続けて!」


アルトが照れたように後ろ髪を掻きながら私に話を進めるよう促した。

それからか私はロレイと交流する機会が多くなった。

当時は強くなって死徒を殺す事しか考えていなかった私は、あまり考えずにその時を過ごした。

今思うとあの交流も私の癖や戦い方を見極めるためのものだったのだろう。

為て遣れた感じだ。


「ミアはロレイの事どう思ってたの?」


アルトがまた、さっきとは違う様子で不思議そうに口を挟んだ。

アルトの質問に私は少し考え、


「別に...ただの隣人くらいにしか...ロレイも私の事は絶殺やパートナーとしてしか見てなかったと思うし、それ以上踏み込むつもりもなかったから...」

「ふーん。そっか...いいよ話し続けて」


アルトは納得いったのかわからない曖昧な感じに返した。

私とロレイがパートナーを組んでから半年が経って初めての遠征の日。

その日、私とロレイは別れた。

遠征で敵の罠にかかって私とロレイだけチームとはぐれてしまった。

二人だけで行動していると、手にバイオリンを持った髪の長い女性の死徒に出会った。けれどその死徒と戦うことなく、バイオリンで一曲演奏するとそのまま森の奥へ消えてしまった。

その直後だった。

突然私の意識は飛び、気がつけばロレイを刺していた。

何が起きたかわからなかった。ただ私は、人を殺してしまった恐怖に、その場を逃げ出した。

そのまま遠征は終わり、この遠征での犠牲者の名前にロレイが挙げられた。

学園長はどこで知ったかその事を話に持ち出した。

そして学園長は言った。


「安心したまえ。この事を公表するつもりはない。君を咎めるつもりもない。君は絶殺だからね。だから何も心配せず、いつも通り生活しなさい」


私はその言葉を、学園長を信じいつも通りを装った。

内心では何度も後悔し、毎晩毎晩、誰もいないその場所を謝り続けた。

それから一ヶ月が経ったころ、新しく編入生が入り私のパートナーとなった。

さらにそれから一週間後、また遠征に行く事になり、また、私はそのパートナーを殺した。

それが何度も何度も続いた。そしてその度に後悔し絶望した。

やがて、私の新しくパートナーとして新しく誰かが編入することはなくなった。その代わり、学園長から奇妙な事を言われた。


「近い内に君のパートナーとなる存在が現れる。その存在は君のその暴走を止められる存在だ。けれどその彼も今は弱い。君が育ててくれたまえ」


私には意味がわからなかった。

ただ学園長の言葉を信じた。私を()()()()()()()()を...


「ミアはそれが俺だと思ってるのか?」

「うん。アルトと出会ったのは学園長と話してから二ヶ月後だし...アルトとパートナーを組んでからは意識が飛ぶこともなくなった...それに...」


そこから先の言葉は何故か口に出来なかった。代わりにロレイの言葉が蘇り、私の頭の中を埋めつくした。


『お前の異能力は人を殺す為の力だ!』

『お前の体は人を殺す事を求めてる』

()()と呼ばれ英雄とされるこの女は...ただの()()だ!』


ふつふつとあの日の絶望感が蘇り私は吐き捨てるように言った。


「私は私が嫌い...」


そこから私は色んな意味で暴走した。


「私は死徒が嫌いだ。人を簡単に傷つけて嘲笑う死徒が嫌いだ。でもそれ以上に、死徒と同じように簡単に大切な人を殺してしまう。自分が嫌い...」


言ってる自分が苦しくなる。今すぐにでも話すのをやめたい。けれどこの口は閉まってくれない。


「いつかもっと大切な...アキハやカザミ達も殺してしまうかもしれない...私は死徒を殺す絶殺じゃない...人を殺す絶殺...」


そして私は、思ってもない、口にしたくない言葉を言った。


「私は死徒と何も変わらない...ロレイの言った通り私は悪魔だ...人の皮を被った悪魔なんだ!」


それでも満足し足りない私が言い続けようとしたその時、


「ッ!?」


突然、何かに頭を叩かれた。

見るとアルトが手を伸ばしている。どうやら手刀で頭を叩かれたらしい。

いつもなら気づいてただろうに、私はそれ程までに周りが見えず焦っていたらしい。

アルトの方に向き直ると、アルトは呆れた表情で「馬鹿か」と私を罵った。

アルトは腕を組み、背もたれに寄っ掛かりながら言った。


「お前とロレイの話は分かった。なんでロレイが死んだかもわかった。けど、なんでそこでお前と死徒が同じなんだよ。なんでお前が悪魔なんだよ」


話を聞いていなかったのか疑いそうになる。


「それは...私が死徒と同じように人を殺すから...」


もう一度説明しようとすると、アルトは馬鹿にするような顔で口を挟んだ。


「何?人殺したら死徒と同じなの?馬鹿か。それじゃ、()()()()()()死徒じゃねぇか」

「それってどういう...」

「どうもこうもねぇよ。こんな異能力ありの世界だ。人が人を殺したっておかしくない。それを今更何を悩んでやがる」


「くだらない」とアルトは吐き捨てた。


「死徒は嘲笑うように人を殺す。それとお前は同じか?お前は人を殺す時笑いながら殺すのか?」

「それは...」


意識がないからわからない。ロレイを殺した時の私は笑っていたのだろうか。


「死徒は人を殺してもなんも思わないだろうよ。けどお前はどうだ?人を殺して、それを後悔してるんだろ?」

「そうだけど...」

「ならお前は死徒じゃないただの人間だ。同じ扱いされる道理はない」


無茶苦茶だ。何の説明にもなってない。


「それに...」


アルトは組んだ腕を解き私の目を見つめ言った。


「ミア、お前は優しい。殺してしまった相手を思ってやれる。その罪を償う事が出来る。それは死後を永遠に生きる死徒でなく、生者として今を生きるミアのやるべき事だ」


アルトのその言葉は暖かかった。優しい言葉だった。けれど私は...


「償えない...私の罪は償えるようなものじゃない...人を殺す、私は絶殺だから...」


受け入れられなかった。受け入れることが出来なかった。

そんな私を見てアルトは


「お前、ほんとに馬鹿だな...」


罵った。


そして次の瞬間、アルトが私の手を強く握る。


「お前一人で償えないなら、その罪を俺も一緒に背負ってやる!」


アルトは言った。私の罪を一緒に背負うと。


「お前がまた人を殺しそうになったら、俺が止めてやる!」


私を止めると。


「お前は死徒でも悪魔でもない!ただの人間だ!」


私は人間だと。

そして、断言した。


「お前は絶殺である以前に、俺のパートナー、ミア・ヴァイズ・レットだ!!」


私は(ミア)だと。

改めてリゼロにハマりだしたリヴァイ論です。

アニメのリゼロのスバルが死ぬ寸前とか高い音あるじゃないですか、あの「うぇ〜うぅ〜」って音(伝われ)あれすげぇ好きです。

リゼロの何が良いかって、死に戻りのお陰で死ぬ事で話が進み、定期的に絶望感を与えられるのがいいんですよ。絶望系大好きな人間のリヴァイ論です。

書籍は買ってませんがなろうではブクマしてます。あれは良い作品です。尊敬します。


なんか話すだけ話したんで満足です。

最後までご愛読ありがとうございます。次回も是非見て下さい



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