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ディフェレンター  作者: 論です
1章 東洋編
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46話 擬似認識・氷世界

明けましておめでとうございます。

2020年もディフェレンターをよろしくお願いします。


俺は異能力に関して全く無知な初心者だ。境地に至ったと言っても未だにひとつの技しか使えないし、それを補うための編み出した影陰乱舞って訳だし。

まあ、つまり何が言いたいかと言うと、


「何が起きてんだ...」


そこにあるはずのない場所にヒュウガが作り出しただろう氷がある事、そして、その当の本人のヒュウガの瞳が()()()()()()()()()()()()()事。

その二つの出来事を異能力によるものだと分かっていても理解出来ずにいた。


「何をした...何をした!死徒狩り!」


体の所々が凍りつき膝を着いた死徒が睨みながらに言った。


「何...か...別に、ただ()()だけだが?」

「ただ視ただけ...?」


死徒は何を言っているの?とでも言いたげな表情だった。

多分俺も同じ表情をしていると思う。

唖然としたまま答えを求める死徒にヒュウガは呟いた。


氷の技(こおりのぎ)境地(きょうち)...擬似認識(ぎじにんしき)氷世界(こおりせかい)。これが俺の技だ」


------------------------


「擬似認識...氷世界...?」


未だ状況を掴めていない俺にヒュウガは簡単に説明した。


「まあ、その名の通りだ。擬似的に見たものを氷として視ただけだ」


だから存在するはずのない場所で氷が生まれた。そうヒュウガは言った。

やはり理解出来ない。

俺に出来ない芸当だからとか、どういう技なのかとかではなく、単にわからなかった。

あの技が一体()()()()()が、

けれどヒュウガには関係ない。俺が技をわからないと言っても、死徒が唖然と口を開けていても、ヒュウガはただ死徒を殺すだけだ刀を構える。


「行くぜ。雑魚」

「ッ!」


結局死徒は何もわからないままヒュウガと相対するしかなかった。

ヒュウガは自分の足元に氷ピストンのように作り自分の体を押し出す。

一気に距離が詰められ焦った死徒が咄嗟に糸を投げる。しかし、その糸全てがヒュウガの視界に入った途端悉く(ことごとく)()()()()()


「なっ!」


自分の技があっさりと破られ死徒は明らかな動揺を見せ次の動きが遅れる。その瞬間をヒュウガは見逃さない。


光天流(こうてんりゅう)...伍ノ型(ごのかた)...旋風竜巻(せんぷうたつまき)!」


間合いに入るとヒュウガは体を捻り竜巻のように回転しながら死徒の体を斬りつける。

無数の刀傷が着いたと思えば瞬間傷だった場所が凍る。

死徒も負けじと新しい糸を作りヒュウガに放つ。

しかしそれすらもヒュウガに届く直前で凍り、小さな氷の塊となって跳ね返される。

焦りに焦ったのか呼吸も整っていない死徒は糸を出せず氷の塊が直撃する。

よろめく死徒にヒュウガは足元から氷を出しさらに追い打ちをかける。

あまりの傷の深さに死徒は再び膝を着く。それでも死徒はヒュウガを睨みつけ叫ぶ。


「ほんのちょっと攻撃が通じだしたくらいで調子に...随分と舞い上がっているようね。確かにその擬似認識とか言う技は強いわ。でも忘れてないでしょうね。あなたの氷では私の糸を越えられない事。残っているでしょ私に付けられた傷!」


最早強がりにすら聞こえるその台詞は決して間違っていない。

どんなにヒュウガが氷を作ろうと死徒の糸はそれを砕く威力を持つ。そのための擬似認識だろう。

死徒は立ち上がると同時に糸を放つ。当然ヒュウガはそれを凍らせる。


「甘いわよ!」


死徒が言うと次の瞬間、ヒュウガの死角である真後ろから糸が振り下ろされた。

いつの間に設置していたのか、ヒュウガは完全に不意を突かれた。


「ヒュウガ!後ろ!」


ヒュウガが振り向き認識する時には既に刻まれているだろう速さ。

俺の声に気づいていたヒュウガは前を視たまま後ろ向きで咄嗟に氷を展開し防御する。

だが、その氷では...


「無駄よ!あなたの氷で私の糸を防ぐ事は出来ない!...えっ?」

「えっ?」


死徒が間の抜けた声を上げる。というか俺も同じように間の抜けた声を挙げた。

それはそうだろう。何故なら今、俺の目に映る光景は防げないと証明されたはずのヒュウガの氷が死徒の糸を止めているからだ。


「お前の糸が最硬度かは知らんが、俺がお前に対して使ってた糸が最初から最硬度だと思っていたのか?」

「まさか...」

「お前みたいな雑魚相手に本気出して負ける訳ねぇだろ。でもいいぜ。特別だ。本気出してやるよ」


ヒュウガは言った今までは本気ではないと。これから本気を出すと。そして次の瞬間、ヒュウガから先程とは比較にならない殺気が放たれる。

敵対してる訳でもない。だというのに、ほんの一瞬でも気を抜けば押し潰されるだろう。

ちょっぴりだけ恐怖を感じたのは内緒にしてよう。


(これが、ミアに次ぐ学園二位の実力...!)


「さてじゃあ、次はお前のネタを明かす番だな」

「何?」


ヒュウガはいつの間に取ったのか、死徒が散々繰り出していた糸を手に持って見せた。


「どういう原理かは知らんがこの糸はお前の呼吸と関係あるんだろ?」


ヒュウガはつらづらと語り出す。


「どんな生物も空気中の酸素を吸って二酸化炭素を吐く呼吸を行う。当然死徒も例外ではない。だがお前の場合は酸素を吸って二酸化炭素を吐く代わりに糸を作り出している。さっき糸を出せなかったのは呼吸が間に合わなかったからだろ?糸の強度に関しては吸った空気の量とかか?」

「......」


ヒュウガの説明に死徒はうつ伏せたまま動かない。

ヒュウガもそれ以上は喋らず死徒の回答を待つ。


「それで?」


顔をあげようやく話し出したかと思えば死徒は自慢げだった。


「あなたがそれをわかったところで何も出来ないでしょ!確かにあなたは強いけど、私を仕留められる程ではない!あなたの強さじゃ私を殺しきれない!!」


強がりに聞こえるその台詞は間違ったものではなかった。

今までこの二人の戦いを見てきたが確かに、ヒュウガは死徒を圧倒はするものの殺すには至らない。決め手に欠けている。

そういう意味ではまだ死徒の方が上手(うわて)か。

では、その事実を突きつけられたヒュウガはというと。


「じゃあ、俺の勝ちだな」


勝ち誇った表情で勝利宣言していた。

....は?


「は?」


俺も死徒もなんなら隣にいるミアも呆気に取られた顔になっていた。


「お前の異能力の原理がわかったんだ、その根本を潰せばお前を殺す事が出来るだろ?まあそんな事しなくても勝てるんだがな、見とけって言ったんだ()()()()()悪いだろ?」


何やらカッコつけているが正直カッコ良さの欠けらも無い。俺にはヒュウガが死徒よりよっぽど強がりをしている風に見えていた。


「あなたは馬鹿ね。何度も言うけどあなたの技じゃ私の頸に刀は届かない。氷で殺すことも出来ない。あなたは私に勝てない。女子の前だからってカッコつけるのはみっともないだけよ」


死徒がヒュウガを罵倒しながら嘲笑う。

腹の立つ笑い方だが死徒の言う事が本当である以上何も言い返せない。

だから口ではなく行動で示す。俺はいつでも戦闘に参加できるよう刀に手を掛けた。

俺とミアが加われば普通に勝てるだろうそう思ったからだ。

しかし、その考えが一瞬で()()するかのような出来事が起きた。

いや、()()()()()

死徒の笑い方が少し変わったことに気づき見てみると、死徒が息苦しそうに悶えている。


(何が起きた?俺は一瞬も目を離してないぞ。なのに見ていたのに状況が知らないうちに変わった?)


ヒュウガの方に視線をやるとあいつは顔を抑え一人で笑っている。

その様子に俺は恐怖を感じた。

ヒュウガに対する恐怖と状況を掴めない事に焦り感じた俺は一度落ち着くために深呼吸をする。

その時をようやく俺は異変に気づく。

深呼吸をすべく息を吸った瞬間、息苦しくなり膝をつく。


「なんだ...これ...」


喉が凍りついたかのように冷たい。いや、違う。実際に()()()()()()()

悶え込む俺に気づいたミアが駆け寄り心配そうな顔をして言う。


「そっか、アルトは()()()だったね...大丈夫...?」


初めて何が?

喉が凍っていて声が出ない。

そんな俺にミアはナイフを向ける。そして喉仏が当たらないスレスレの所を切った。

何をしたのか、ミアがナイフをしまうと先程まで凍りついていた喉が何事も無かったのように息を通した。


「ミア、何をしたんだ?」

「アルトにかかってる()()()()()...」


(技を殺した。ミアの異能力...なのか?)


イマイチ何が起こったかわからないが取り敢えず助けて貰ったことに礼を言う。

悶え苦しみながら睨む死徒にヒュウガは笑いを辞め答える。


「氷の技...氷酸結滅(ひょうさんけつめつ)。俺を中心に一定範囲の空気を凍らせる技だ」


空気を凍らせる技。つまり俺や死徒が悶え苦しんだのは、空気を吸った時その空気が喉の中で凍ったということか。

死徒は糸を放とうと手を向けるも呼吸が出来ないから糸を作り出せない。

何も出来なくなった死徒を見てヒュウガは刀を向ける。


「このまま放っておいて死ぬのは人間だけだ。呼吸困難で酸欠になった所で死徒は死なない。だが、今の抵抗出来ないお前なら簡単に殺せるだろ?」


非道とは言わないだろう。

死徒だって何も出来ない人を殺すのだ。恐らくこの死徒もそうしてきた。だから死徒が同じ立場になったところで...


「氷の技、境地...無限月華(むげんげっか)氷刃(ひょうやいば)...」


ヒュウガが刀を振り下ろすと瞬間無限にも等しい程の氷の斬撃が死徒に降り注がれた。

先程ヒュウガが使った技に、似てはいるが全くもって格が違う。

先程の技が雨だとすればこの技は...流星群だろう。それ程までにその技は強い。

そしてその強さは、死徒の頸を斬り落とした...

実は年末よりも年明けが一番忙しいんじゃねと思い始めたリヴァイ論です。

本当に忙しすぎて投稿がここまで遅くなりました。申し訳ありません。

これからも地味に忙しくなると思うので投稿ペース落ちると思いますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。


さて今回、ヒュウガさん本気出しましたね。擬似認識氷世界。色々ありそうな技ですね。色々あります。

ついでに言えばそろそろ一章の遠征編が終わります。遠征編が終わると次は自分が一番書きたがっていた話を書きます。いやぁ、楽みですね。

これは本編とは関係ないどうでも良い話ですが、fgoというゲームにマイルームボイス(多分この呼び方してるの自分だけ)というのがありまして、それをディフェレンターのキャラ達に聞いてみたのいうのをやってます。

公開するかはわかりませんが、とても楽しく書けているのでもしかすれば公開します。

公開するとしたらもう少し先になるとは思いますが。


最後までご愛読ありがとうございます。次回も是非見て下さい。

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