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ディフェレンター  作者: 論です
1章 東洋編
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45話 圧倒的な氷

そろそろ提出課題に手をつけないとなぁ。と思っているこの頃。

思ってるだけ...


タイトルの氷は強さと読みます。

「今日が私の命日?本気で言ってるのかしら?」

「俺は冗談と中途半端な宣言は嫌いでな。今の台詞も本気って事だ」


ヒュウガも死徒も互いに笑い合っているが目が笑っていない。この時点で既に勝負が始まっているということか。

俺も二人の戦いに混ざろうと刀を構えるとヒュウガが手を出し止めた。


「この戦いでお前らの力は必要ない。そこで見てろ」

「なっ!」


何を言い出すかと思えば、ヒュウガは異死徒拾伍段と一人で戦うと言い出した。

これには隣のミアも驚いた表情で固まる。

流石にと思い俺はヒュウガの前に立ち抗議する。


「ヒュウガ!確かにお前は強いかもしれないが一人で戦う必要は無いだろ!俺達も戦えばそれだけ楽に...」


俺が言い終えるよりも早くヒュウガは俺を引き離し言った。


「あの程度の雑魚にお前らの力はいらねぇよ。ただ代わりに見とけ。俺の戦いでお前に足りないもんを見て探せ」


ヒュウガは話終わると俺とミアの前に再び立ち刀を握る。


「俺に足りないもの...」


ヒュウガのこの戦いで何かを伝えようとしている。何を伝えようとしているかはわからないが、ヒュウガが言ったのだから俺は言葉に従うことにした。

俺が刀を納めるとミアも何も言わずに銃をしまう。

俺もミアも言いたいことは沢山あるが、どこか説得力のあるあの表情を見て自然と納得してしまった。

この場はヒュウガに任せていいんだろう。


「まさか、あなた一人で私と戦うの?絶殺でもないあなたが?」


話を聞いていた死徒がわざとらしく煽るように首を傾げる。


「どこからそういう情報が入ってるかは知らねぇが、死徒にとっての脅威は絶殺だけじゃねぇことを教えてやるよ。()()()()()()()()()


ヒュウガは挑発に乗ることなく、冷静に煽り返した。奇妙な台詞とともに。


「お前、異死徒拾伍段になってから一年経ってないだろ」


ヒュウガの台詞に死徒が驚いた表情をしている。

まさか...


「知り合いから聞いたんだが、異死徒拾伍段ってのはその数字に空きが出ればすぐに代わりが補充されるんだろ?原初の死徒は臆病者だから」

「...」


(原初の死徒?最初の死徒ってことか?)


俺の知らないことばかり出され話が進んでいる。正直頭が追いつけない。

それでもヒュウガは語り続ける。


「そして、お前は先代の第拾段の入れ替わりだろ?」

「どうしてそれを?」


死徒の声がすごく低かった。何かに気がついたのか、怒りと焦りを冷静さで隠しているような声だった。

ヒュウガも死徒の様子の変化に気がついたらしく、さらに笑みを浮かべ答えた。


「何故かって?簡単な事だ。一年前、俺がお前の前、先代の拾段を殺したからだ」


言い終えると同時にヒュウガは自分と俺とミアを囲うようにして氷を展開した。そして次の瞬間、氷に何かがぶつかる音がした。

目を凝らすことで微かに視認出来たそれは、操られていた仲間に着いていたものと同じ糸だった。

もしかしたら人に着ける糸より硬く鋭いものだろう。ヒュウガの展開した氷が微妙に欠けている。

いやそれよりも、ヒュウガは俺より早くこの目を凝らしさなければ見えない糸を見抜いていた事に俺は驚きを隠せない。


「氷で動きを止めてる仲間達を頼む」


ヒュウガはそう言い残すと、死徒の注意を引くためか走り出した。

俺とミアもそれに従い氷漬けにされている仲間達がさの元へ向かい、首筋の糸を切る。

全員の糸を切り終え俺は視線をヒュウガと死徒の方へ戻す。

二人は激しい交戦を繰り返していた。


「あんたが、お姉ちゃんを!」


死徒がヒュウガに目掛けて再び糸を飛ばす。

けれどヒュウガは足を止めず、糸に目を向けることなく氷でそれを防いだ。


「あれはお前の姉だったのか。どおりで、()()()()()()()()を使うもんだ」


すると次はヒュウガが足元から氷を作り出し、針のように先を尖らせ死徒へ飛ばした。

死徒はそれを糸で粉々に断ち切る。しかしそんな事は想定内だとでも言うかのように、ヒュウガは死徒の懐まで来ていた。


「ッ!」


氷に気を取られて気づくのが遅れたらしく、死徒は明らかな焦りを見せる。


氷の技(こおりのぎ)境地(きょうち)...」


ヒュウガの刀の刃が白く染る。まるで()()()()()()()()()()


氷斬り(ひょうぎり)!」


白く染った刀は死徒の腹を斬り裂いた。

そして次の瞬間、斬られた腹部から死徒の体が凍り出した。

治癒出来ない攻撃に死徒は動揺し後ずさる、けれどヒュウガの猛攻は終わらない。

さらに足元から二本の氷に針を突き出した。

死徒はそれを当然と糸で切るが、ヒュウガはその切られ粒となった氷すらも利用した。

小石と同じほどの大きさになった氷の粒を死徒に向けて飛ばす。

死徒はその氷の粒を砕くために糸を放つ。しかし糸が氷の粒に触れた瞬間、ギリギリ視認出来ていたレベルの糸が形をはっきりとした。一瞬で凍りついたのだ。

凍りついた事で糸は重くなり地面に叩きつけられる。

指先、掌とかなりの数を持っていたせいか死徒は凍りついた糸を持ち上げられていない。

その隙をヒュウガは見逃すこと無く刀を持ち上げる。


光天流(こうてんりゅう)...参ノ型(さんのかた)...」


ヒュウガが刀を勢いよく振り下ろす。


斬獄落とし(ざんごくおとし)!」


刀は死徒の体に亀裂を入れる。その後いくつもの斬撃が遅れて降り注がれた。


「かはっ!...ッ!このっ!」


あまりの威力に死徒は血を吐きつつもヒュウガに殴りかかり牽制する。

けれどヒュウガは技を撃った直後にも関わらず、死徒の攻撃を難なく避けた。


「あなた、異能力以外にも小賢しい技を使うのね...不愉快だわ...」


一度距離を取った死徒が凍りついた糸を捨てながら聞く。


「雑魚が何言い出すかと思えば、これくらい普通だっつーの。なぁ?」


ヒュウガがこちらに視線を送りながら答えた。

ヒュウガの言いたいことを何となく察した俺は苦笑いして返した。

すると、死徒はこの瞬間を隙だと思ったのか糸を飛ばしていた。

だがその糸にこちらに届く前に凍りついた。


「不意打ちのひとつも出来ねぇのかよ。まあ、不意打ちした所で俺には勝てねぇけどよ」


ヒュウガは振り向くと同時に死徒に氷を飛ばす。

死徒は咄嗟に凍りついた糸を捨て、新しい糸で氷を砕いた。

死徒が糸をヒュウガに向けて飛ばそうとするが、先程までの場所に姿はない。当然だ。ヒュウガは砕かれた氷に紛れ死徒との距離を詰めていたのだ。


「氷の技境地...大氷斬(だいひょうざん)!」


死徒の砕いた氷がヒュウガの刀に付き刃が大きくなる。

恐らくあの技は武器を強化する技なのだろう。


「光天流...壱ノ型(いちのかた)...零斬り(ぜろきり)!」


大剣にも等しい大きさとなった刀を用いて行ったのは、ほぼ零距離による居合。


「ッ!!」


死徒は辛うじて避けたが後一秒遅れていれば間違いなく頸を跳ねていただろう。


「全く...すばしっこい奴だな。いや、運がいいと言うべきか?」


惜しいところで仕留め損ねていたが、俺には敢えて斬らなかったようにも見えた。

どちらにせよ、ヒュウガは圧倒的な実力で異死徒拾伍段を追い詰めている。


「ふふふ、あはは...!」


追い詰められているはずの死徒が唐突に笑いだした。

頭でもやったか?


「まさか...この程度で勝った気になってないでしょうね...弱点だらけの死徒狩りさん?」


どうやら違うようだ。

それよりも死徒は確信を持った表情で妙なことを言った。


「弱点だらけ?ヒュウガが?」


俺にはその言葉の意味がわからなかった。

戦いを見ていた限りヒュウガに弱点らしきものは見当たらなかったが、実際に面と向かって戦っていた死徒には何かわかったらしい。


「あなたの技を...氷が無いと使えないのよね?」


死徒の発言に僅かにヒュウガの眉が動いた。

えっ?まじで?

死徒はヒュウガを嘲笑いながら言った。


「あなたは氷を体内で生成出来る。けれど、あなたの技は外に出た氷を使わなければいけない。一度氷を作り、技を使う。二度手間のかかる技なのね。まあ、それを補うための異能力を必要としない剣術なのでしょうけど...」


死徒は今持つ糸を捨て、新しい糸を作り出す。


「その剣術も所詮は剣術。驚異ではない!」


そこまで言うと死徒は再びヒュウガに向けて糸を飛ばした。

弱点を暴露されたところでヒュウガは動揺することはなく冷静に氷を作り出し糸を防いだ...ように見えた。

糸は当たり前かのように氷を砕き、ヒュウガの体に触れた。


「ちっ!」


咄嗟に反応したことでかすり傷で済んだようだが、ここに来て初めてヒュウガが傷を負った。

だが死徒の猛攻は止まらず、先程までの鬱憤を晴らすかのように容赦なく糸を飛ばす。


「確かにあなたの氷は強いわ。けど、その氷もあなたを中心にしか作られないし、そもそも切れないほど硬くもないわ!」


ヒュウガは何度も氷を盾に防御するが、あっさりとその氷を砕かれる。

ヒュウガが反撃に出ないのは死徒の言った事が当たっているからだろうか。死徒は氷を砕く際、境地として使えないように跡形もなく粉々にしている。


「あはははは!さっきまでの威勢はどうしたのかしら?偉そうにしてた割には...初戦は人間。この程度なのね!」


相手の弱点を把握した死徒の表情は生き生きとしており、技の繊細さが先程までの比ではない。

調子に乗ると強くなるタイプか。

一方でヒュウガは防御するのに精一杯の様子。さらに言えば、氷が砕かれるのも早くなり傷がどんどん増えている。

このままでは不味い。そう思った俺は刀を抜いてヒュウガを助けに行こうとした。

しかし、その足を踏み出すことは無かった。

走り出す寸前、ヒュウガは声に出さず口の動きだけで俺にこう言った。「お前が来る必要はない」と。

その台詞に何故か安心感を覚えた俺はその場に留まることを選んだ。

何よりミアが俺の手を離さない。

ミアもヒュウガの口パクを見てたのだろう。それを承知した上で俺が飛び出さないようにと手を掴んでいる。

俺は「大丈夫。行かないから」と言い、ミアの手を引き剥がした。

俺はヒュウガ達の方に視線を戻すと不思議な事が起きていた。

先程まで防戦一方だったヒュウガの周りには、氷が()()()おり、膝を着いてる死徒を見下ろしている。


「所詮は人間と言ったか?」


死徒を罵倒しながら、刀を構え言った。


「人間舐めんな!クソ雑魚が!」

最近タイトルを着け忘れるリヴァイ論です。

今回は大丈夫。ちゃんと着けました。


さて今回...うおぉぉぉぉ!ヒュウガさんかっけぇ!!と思いながら書いた回です。個人的には結構満足して書けました。

次回もヒュウガさんかっけぇ!!を書きますのでどうぞご期待ください。


最後までご愛読ありがとうございます。次回も是非見て下さい。

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