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ディフェレンター  作者: 論です
1章 東洋編
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42話 影と波動と音

冬休みだー!年明けまで持ち越された提出物やります。更新頻度はいつも通りだと思います。

森を抜け鳴り響く怒号の先で目にしたものは、仲間に拳を向けるリュウトの姿だった。

リュウトの動きを読めているのかリヨウは寸前のところで攻撃を躱す。

どうしてリヨウが攻撃を受けているのかはわからない。なんなら反撃もしていないように見える。

リュウトの無邪気な笑顔とリヨウの呆れた様子が俺の思考を掻き乱す。

「何故二人は戦っているのだろう?」そんな疑問に悩む時間は然程長くはなく、考えるより先に飛び出していた。

牽制のため俺は刀を抜き二人の間に割って入る。


「お前ら何してる!撤退の命令は出てるはずだ。遠征初日で仲間割れしてる場合か!」


俺の介入にリヨウは一瞬驚いた顔をし、その後クスクスと笑い出した。


「何がおかしいんだよ」

俺が睨むとリヨウは「ごめんごめん」と笑いを堪えながら今の状況を説明した。


「別に僕らは仲間割れをしていた訳じゃない。単にリュウトの消化に付き合ってただけさ」

「消化?」

「うん消化。それにしても君、よくこの修羅場に入れたね。普通この間に入って...危ないよ」


リヨウは途中で説明するのをやめ俺の手を引きながら左へ飛んだ。

すると次の瞬間、ゴンっと鈍い音がした。

何が起きたか、振り向き先程まで自分のいた所を見てみると地面に亀裂が入っていた。

亀裂の中心にはリュウトの拳がある。つまり、


「あいつ...素手で地面砕いたのか?」

「そうだよ」


俺が驚きすぎてるだけなのかリヨウは平然とした様子で答える。

それを聞き俺は一つ合点が行く。


「じゃあ...さっきの馬鹿でけぇ音と奥の森が半壊してるのはあいつがやったのか?」

「そうだよ。そして君はそんな筋肉バカの消化に割って入ったんだ。あいつの敵意は君に向いたね」


まじかよ。

リヨウは俺の肩に手を置き「これ以上は言う必要は無いね」とでも言いたげな顔で俺から距離を取った。

どこ行く気だよ。

無慈悲にも取り残された俺が仕方なく立ち上がると、リュウトがすぐそこまで近づいてきており拳を振りかざしていた。


「あっぶね!」


間一髪のところで身を捩って避けると追い打ちをかけるかのようにリュウトは拳を構える。

咄嗟に後ろへ飛ぶことで追い打ちも受けることは無かったが...


「痛っ!」


リュウト振り切った拳の直線上にいた俺はまさかの余波に吹き飛ばされ、後方にあった木に叩きつけられた。


「いってぇ...!なんだよ余波って、どんな馬鹿力だよ...」


未だ残る痛みを堪えながらなんとか立ち上がる。

そして刀の柄に触れる。しかし、刀を抜くことはしなかった。いや抜けなかった。相手が人だから抜くことを戸惑った。


「抜かねぇのか?」


俺の動きが止まったのが気になったのかリュウトが拳を下げて聞く。

ダイチやミアとの時はあくまで互いの合意の上での戦い。その上、周りに止めてくれる人がいた。だが今はいない。

止められないということは、どちらかが死ぬ可能性があるということ。

その事に俺は戸惑っていた。


「お前が抜かないのは自由だが、俺はお前を殴るぞ。俺の快感をお前に邪魔されたんだからな!」


リュウトは再び俺との距離を詰める。


(今、刀を抜いて斬れば、少なくともこの男の動きを止められるかもしれない。けど...)


抜けなかった。

俺はリュウトが目の前に来ても尚、刀を抜くことは出来なかった。


「くそっ!」

俺は刀を納めたまま鞘でリュウトを殴った。

こめかみ辺りにもろに当たるがリュウトには微塵も効いていない。それどころか、刀を掴み俺ごと放り投げた。

さっきほど勢いの強くないので俺は空中ですぐに体勢を立て直し着地する。

着地地点を予想していたのか俺が地に足を着くと、すかさずリュウトは拳を振りかざす。さっきの余波だ。

足を掬われた俺は刀を支えになんとか持ち堪えるが、次の攻撃に少し反応が遅れリュウトの拳が右頬を掠る。


「チッ!痛っ!」


掠っただけだと言うのに俺の頬は刃物に切られたかのように血を流す。

反撃の意を込め俺はリュウトに殴り掛かる。しかし、


「なっ!」


全力に近い力で殴った俺の拳はあっさりと止められた。


「お前のパンチは随分と軽いんだなぁ。本当にダイチを倒したのか!」


リュウトはそう言うと俺の手を引く。引っ張られた勢いで俺はリュウトに近づいてしまい、頭突きを叩き込まれる。


「ッ!!」


まるで石に思いっきりぶつけたかのようなくらいリュウトの頭は硬かった。

額から血が流れ、あまりの痛みに意識が朦朧とする。


「弱い。弱すぎる。この程度じゃあ...物足りねぇよ!!」


リュウトのその言葉は俺には届いていなかった。覚束無い(おぼつかない)足取りで揺れる俺にリュウトは追い打ちをかけるべく拳を放つ。

しかし、いつまで経ってもその拳が俺に届くことは無かった。

未だ脳内に痺れは残るもののはっきりとしだした視界でその光景を見る。


「これは...」


リュウトの拳は、体は俺の目の前で硬直したまま動かない。


「ふぅ....間に合って良かった。いやぁ...ごめんね君一人に任せちゃって」


俺の後ろから脳天気な声が聞こえる。

振り返るとそこには、先程俺を置いてどっかに行ったと思っていたリヨウがいた。


「君達の音は激し過ぎて聴き取るのに時間が掛かったよ」

「音?」


なんのことかさっぱりな俺にリヨウは手に持った銃剣を指しながら答えた。


「僕の異能力は音を操るものでね。今リュウトに打ったのは一時的に動きを止める音」

「一時的に動きを止める音?」


説明を聞いてもやはり分からない。動きを止める音ってなんぞや?


「正確には少し違うんだけどね」


リュウトは苦笑しながら説明した。

曰く、人は体を動かす度に音が発生するらしい。その音も様々で、規則的な時は落ち着いていて、波を打つように激しい時は焦っているなど感情や考えてる事を読み取る事も出来るらしい。

以前ミアが俺の考えが聴こえたと言っていたのはこの事なのだろう。

リヨウはその音をさらに深く聴き、筋肉や鼓動の動きを聴き取ったとの事。ここら辺でちょっと何言ってるかわからない。

そしてリヨウは聴き取った音に対する反対の音。つまり動く音に対して動きを止める音を銃剣の弾として打ったらしい。だから今、リュウトは動きを止めているのだと。

うん。何言ってるか分からない。

頭を傾げる俺にリヨウ補足をくれた。


「イメージとしては+(プラス)(マイナス)で打ち消す感じだよ」


なるほど。何となく理解。

因みにこの音はあまりにも繊細で小さな音だから普通の人間じゃ聴き取れないらしい。学園でも聴き取れるのはリヨウとミアだけだと。

訂正。理解不能。あなたがたはバケモノですか?


「まあ、要はこれでこいつも止まったし一安心ってことでいいのか?」

「まさか。本当にリュウトが止まってると思う?」


何を言っているのか。今自分で動きを止めたと言ったばかりなのにそれを否定するかのようにリヨウは言う。

リヨウが冗談で言った様子では無い。

まさかと思い俺はリュウトの方を振り向く。すると、リュウトは拳を振りかざしていた。

咄嗟に反応し俺もリヨウも避けることが出来たが、その威力は多分左手では今夜一強かっただろう。

ある程度距離をとって避けたのにも関わらず余波に吹き飛ばされる。

互いになんとか受身をとることが出来たが、リュウトは間髪入れずに俺ではなくリヨウに攻撃を繰り出す。

恐らく、最初の俺と同じで邪魔をされたから邪魔をした方を攻撃するという考えなのだろう。

リヨウとしては焦る様子もなく、落ち着いてリュウトの攻撃を受け流している。

俺は攻撃を受け流すという事が出来なかった、知らなかった為余計に動いて体力を無駄にしていたが、リヨウはその辺の技は心得ているらしい。

そして、俺は二人の戦いにいつの間にか目を張っていた。

リヨウが攻撃を避けるように後ろに飛ぶ。

リュウトも追うようにして飛び、拳を放つ。

リヨウはそれを捌くとすかさず銃剣を構え引き金に指をかける。がリュウトは銃剣を向けられた瞬間に流すようにして銃剣を退かす。

そして無防備になったリヨウの体に拳を打ち込む。しかしこれも受け流し、さらに大柄な自分の体を捩りながら懐へ飛び込み、弾かれた銃剣を再び構え躊躇なく引き金を引く。

すると、リュウトは力を失ったかのように落下していく。リヨウも追い打ちはせずゆっくりと着地した。

リュウトのAランクもそうだが、リヨウのBランクにも疑問を持つほど二人の戦いはすごかった。そして二人とも強かった。

倒れるリュウトにリヨウは振り返りながら声を掛ける。


「僕は君に劣るけど君を抑え止めるくらいのことは出来るよ。というか毎回やってるけど?」


リヨウの音弾を喰らったリュウトは立ち上がらないそう思っていた。

しかし、リュウトは立ち上がった。


「確実に効果は聞いてるはずってことは自力で立っているのかい?毎回やってては対策もされるということかね」

「そんなことはどうでもいい。続きをやろうぜリヨウ。それともこの一撃で終わりにしてやろうか?あぁ?」


リュウトが右手を構える。

先程まではずっと左手で攻撃をしていたがここに来て右手で攻撃するようだ。

右手と左手で何か変わるのか。そんな疑問は一瞬で消えた。

リュウトの右手が青白く光る。そして理解する。あの技は危険だと。恐らくあの技が森を半壊させた技なのだと。

その技を前にしてリヨウは銃剣を構えず立ち尽くしている。


「弱体してるとは言っても君の右を喰らえただでは済まないだろうし、止める術も持ち合わせていない」


口ではそう言いつつもリヨウの表情は決して諦めた訳では無いようだ。

リヨウが一度こちらに視線を送りニヤリと笑う。

視線をリュウトに戻して笑みを浮かべたまま言う。


「だからこの戦いは引き分けで終わりにしよう」


リュウトはその台詞に対し怒りを露わにしていた。


「引き分け?そんな事させねぇよ!決着(ケリ)はちゃんとつけてやる!!」


どうやら右手を放つのに必要な力が溜まったらしく、リュウトが右手を振りかざす。


「リヨウ!俺の勝ちだ!」

リュウトの右手がリヨウに向けて放たれた。

当たれば間違いなく死ぬ。直撃しなくても致命傷は避けられないだろう。そんな一撃だ。

しかし、そんな状況ですらリヨウは至極落ち着いた様子だ。


「いや、君は勝たない。僕も勝たない。この戦いは引き分けだよ」


言い終えた次の瞬間。森一帯を()()()かが覆った。

そして、その何かが形を明らかにするよりも先に荒く刺々しい声が聞こえた。


「遊びの時間は終わりだ。()()共!」

明日化学のワークを出せと言われたが何も手をつけていないリヴァイ論です。

範囲も分からず答えもないので提出は無理です。年明けまで待ってください。

別に答えみるわけじゃありませんよ?参考にする程度です。


さて今回は、久々に対人戦です。この頃、死徒との戦闘続きでしたからね。まぁそういう物語なんですけど。たまには対人戦書きたいやん。少し長くなったのは許して!

そしてついに!リヨウが戦いましたね。異能力音!例のあるある系異能力です!因みにこれは小ネタ設定ですが、リヨウは絶対音感の持ち主で趣味は色んな楽器の使われた音楽を聴くことです。恐らく本編には出てこないのでここで書いちゃいます。

逆にリュウトの趣味は読書と筋トレです。

次回は日常回では無いですけど、最初にちょっと話してその後は遠征中の間の話になります。お楽しみに。


最後までご愛読ありがとうございます。次回も是非見て下さい。

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